薬の基礎から学ぶ「AGA治療薬の基本」

公開日 / 2020.09.02 更新日 / 2024.04.18
この記事の監修者
宮内 俊
ウィルAGAクリニック 総括院長

AGA患者70,000件以上※の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国14院を展開。現在、ウィルAGAクリニックの総括院長、医療法人社団紡潤会の理事長として日進月歩研究を進めながら、日々の診療にあたる。千葉大学医学部卒。

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AGA患者70,000件以上※の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国14院を展開。現在、ウィルAGAクリニックの総括院長、医療法人社団紡潤会の理事長として日進月歩研究を進めながら、日々の診療にあたる。千葉大学医学部卒。

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「AGA治療薬の基本」

フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル、KGF、FGF9、IGF-1…
これらはすべてAGA(男性型脱毛症、薄毛)の治療で使われる薬です。ひと昔と比べると、かなり種類が増えました。

そもそも薬には、内服薬、外用薬、注射薬、医療用医薬品、一般用医薬品などさまざまな種類があり、AGA治療薬は種類が豊富な部類に入ります。

この記事では「薬の基礎」を紹介しながら、「AGA治療薬の基本」を解説していきます。

 治療薬には内服薬、外用薬、注射薬がある

まずは薬の基礎知識からみていきます。薬は主に、「内服薬」「外用薬」「注射薬」の3つにわかれます。
AGA治療薬は、この3種類すべてあります。

【内服薬】内服薬は胃で溶かして小腸で吸収させる

錠剤の薬を飲むことを「内服する」といい、飲み薬のことを内服薬と呼びます。
内服薬を使うのは、薬を胃で溶かして小腸で成分を吸収させるためです。内服薬には、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などがあります。これほど種類があるのは、胃で早く溶かす必要があったり、ゆっくり溶かさなければならなかったりするからです。薬をわざわざカプセルに入れるのは、溶かしにくくするためです。時間をかけて溶かせば、薬は小腸の奥の方へ(つまり、肛門のほうへ)進んでいくので、ゆっくり、少しずつ効果を効かせることができます。
顆粒剤はすぐに溶けるので、効果が早く出ます。

ちなみに、小腸で吸収された薬の成分は肝臓を通過してから血液に乗って全身に運ばれます。

【外用薬】目薬も軟膏も湿布も外用薬

外用薬の主なものは、目薬、軟膏、湿布などです。外用薬は、皮膚や粘膜の表面から薬の成分を吸収させるときに使います。
トローチとうがい薬は、口のなかに入れますが、内服薬ではなく外用薬です。いずれも口や喉のなかの粘膜から吸収させる薬だからです。
外用薬は、成分が患部に直接作用するので、即効性が期待できます。

【注射薬】注射薬は即効かつ効果が大きい

注射薬は、注射器に液体の薬を入れ、注射針で血管や皮膚や筋肉に投与します。点滴は輸液剤と呼ばれ、注射薬の一種です。
血管に針を刺す注射薬の成分は、すぐに血液と一緒に全身を巡るので、即効性があります。
さらに、注射薬は肝臓を経由しないので、成分が薄まったり減ったりせず大きな効果が得られます。

では、肝臓を経由する内服薬は、効果を犠牲にしているのかというと、そうではありません。効果は確かに減るのですが、肝臓の解毒作用が働くので、より安全に薬を使うことができます。

また、注射薬の投与は注射針で人の体を傷つけることになるので、原則、医師か看護師が医療機関内で投与することになります。例えば、ある薬を1日3回、2週間毎日投与しなければならないとき、いくら効果が高くても注射薬を使うと患者さんの生活に支障をきたします。持ち運びができて、どこででも患者さん自身で自己投与できる内服薬は利便性が高いのです。

「医療用医薬品」と「一般用医薬品」がある

医療用医薬品は、医師が発行する処方せんがないと入手できない薬です。
一般用医薬品は、医師の処方せんが必要ない薬です。
一般用医薬品には次の3タイプがあります。

<一般用医薬品の3タイプ>

●第1類医薬品:薬剤師のみ販売できる。情報提供が義務づけられている
●第2類医薬品:薬剤師または登録販売者のみが販売できる。情報提供は努力義務
●第3類医薬品:薬剤師または登録販売者のみが販売できる。情報提供の義務なし

この3タイプは、薬剤師または登録販売者のみ販売可能となっていますが、すべてインターネットで販売・購入することができます。

医療用医薬品と一般用医薬品の中間に位置するのが、要指導医薬品です。その特徴は次のとおりです。

●要指導医薬品:医師の処方せんは不要だが、薬剤師による情報提供が義務づけられている。インターネットでの販売は不可。

 発毛を促す薬と脱毛を防ぐ薬

AGA治療薬がひと昔前と劇的に変わったのは、髪の毛への効果が科学的に証明されるようになったことです。
AGA治療薬は大きく、発毛を促す薬と脱毛を防ぐ薬にわかれ、発毛効果も脱毛予防効果も科学的に証明されています。
そのため製薬メーカーが「発毛効果がある」「AGAの進行を遅らせる」とPRしても、景品表示法や薬機法に違反しません。

フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの分類

以上が薬の基礎知識の解説になります。
これを踏まえたうえで、AGA治療の代表的な薬である、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルを分類してみます。

AGA治療薬分類

フィナステリドは錠剤タイプの内服薬です。医療用医薬品なので、医師の処方せんが必要です。
フィナステリドの公式の効能・効果は「AGAの進行遅延」で、これは脱毛を防ぐ効果とみなされます。

デュタステリドは、本来は前立腺肥大症の薬ですが、フィナステリドと似た効果が期待できることから、AGA治療薬として使われることがあります。
上記の表のとおり、フィナステリドと同じ内容になっています。

ミノキシジルは、患部(薄毛が気になる部分)に塗るので外用薬と、内服薬があります。産毛が増えたり、髪の毛が太くなったりする効果が期待できるので、発毛を促す薬に分類されます。

その他にも、KGF、FGF9、IGF-1といった、髪の毛の細胞に作用する薬があります。これらは注射薬として投与されます。

他の記事にて、「フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル」の効果、副作用について解説しております。
●フィナステリド:
フィナステリドの効果や副作用は?正しい飲み方も解説
●デュタステリド:
デュタステリドの効果や副作用は?正しい飲み方や価格も解説
●ミノキシジル:
ミノキシジルの効果とは?副作用や飲み方を解説

まずクリニックの受診をすすめる理由

薄毛が気になりだしたら、まず、AGA治療を専門にしているクリニックを受診することをおすすめします。
それは、医師なら、患者さん1人ひとりに合った治療法や薬を提案できるからです。

ミノキシジルは、薬剤師のいるドラッグストアに行き、薬剤師から情報提供を受ければ買うことができます。医師の処方せんは不要です。
そのため、AGA治療のためにクリニックに通うことに羞恥心を感じる方は、「まず薬局でミノキシジルを試してみたい」と思うかもしれません。

しかし、先ほど紹介したとおり、ミノキシジルは発毛を促進する薬です。患者さんの薄毛の治療では、脱毛を防ぐ薬が有効かもしれません。
医師なら、どちらの薬が患者さんに適しているか判断できます。

気になり始めてすぐにクリニックに行くことは、一見すると回り道のようにみえるかもしれませんが、実はAGA治療の最短ルートなのです。

まとめ

AGA治療の主役は薬です。そのため、AGA治療に取り組む前に、薬の基礎知識を押さえておいたほうがよいでしょう。
AGA治療では、よい薬が増えてきました。医師は、どの薬が患者さんに適しているか提案してくれますが、最終的に決断するのは患者さん自身です。薬の基礎知識があると、医師の説明を正しく理解できるようになり、適切な決断ができるようになるでしょう。

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