頭皮や髪の毛が脂っぽい…ベタつきの原因と正しいケア方法を解説
「髪や頭皮がべたついて、なんだか脂っぽい」
「頭皮が臭いし、フケが増えた……」
こうした症状は、頭皮の皮脂が多すぎるためかもしれません。
なぜ頭皮の皮脂が増えるのか、その原因はさまざまですが、放置していると頭皮の炎症やかゆみ、薄毛を引き起こしてしまう危険性もあります。そうなる前に、原因を突き止め、改善することが大切です。
この記事では、髪の毛・頭皮が脂っぽい原因や症状、改善方法を解説していきます。べたつきに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
髪の毛・頭皮が脂っぽいのはなぜ?考えられる主な原因
髪の毛・頭皮が脂っぽくなるメカニズムには、皮脂が関係しています。皮脂には水分の蒸散を防ぐ作用があり、皮膚のうるおいを守るという大切な役割があります。
ただ、洗髪が不十分だったり何らかの原因で皮脂が過剰分泌されたりすると、余分な皮脂によって髪の毛・頭皮が脂っぽくなってしまうことがあります。
具体的には、以下のような要因によって髪の毛・頭皮が脂っぽい状態になります。
- ヘアケアに問題がある
- 食生活が偏っている
- 自律神経が乱れている
髪の毛・頭皮が脂っぽい原因①ヘアケアに問題がある
ヘアケアに問題があると、頭皮に汚れや皮脂が残る原因になります。
ここでは、洗髪時のよくある失敗をご紹介します。
洗う回数が足りていない
洗髪は、頭皮のべたつきや臭いが気にならない頻度で行うことが大切です。洗髪の回数が足りていないと皮脂や汚れが落ち切れず、頭皮が脂っぽくなってしまいます。
通常は1日1回洗髪しますが、頭皮が乾燥しやすい方や冬の時期は洗う回数が少なくなっても問題ありません。
洗髪方法が間違っている
洗う頻度が十分でも、洗髪頻度が間違っていれば皮脂を落としきれません。
例えば、髪の表面だけを洗う「なで洗い」・「なですすぎ」だと頭皮までしっかりと洗えず、脂っぽくなるおそれがあります。
また、髪の毛を洗う時はなんといっても「予洗い」も大切です。
予洗いとは、シャンプー前に頭皮をお湯で洗う方法のこと。皮脂やホコリなどをある程度落とせるほか、シャンプーの泡立ちも良くなると言われています。
正しいシャンプーの方法については下記記事をご覧ください。
シャンプーが合っていない
頭皮の肌質と合わないシャンプーは、皮脂を増やす原因になります。頭皮が刺激を受けて皮脂を過剰分泌することがあるからです。また、皮脂が多いのにも関わらずシャンプーの洗浄力の弱い商品を使っている場合も、髪の毛・頭皮が脂っぽい状態になります。
洗髪後に、まだ頭皮がべたつく場合は、シャンプーが合っていないのかもしれません。
髪の毛・頭皮が脂っぽい原因②食生活が偏っている
食生活の乱れが、頭皮の皮脂を増やす場合もあります。
以下のような食生活をしている方は、注意しましょう。
脂質を摂りすぎている
外食が多い人や偏食の人は、ついつい脂質を過剰に摂取しがち。
脂質が増えると体内の脂分が増えるため、髪の毛・頭皮が脂っぽくなります。また、脂質の摂りすぎは肥満を引き起こし、さまざまな健康被害のリスクを増やしてしまいます。
バターや天ぷらなど、脂っこい物が好きな方はとくに注意しましょう。
無理なダイエットをしている
極端な食事制限など無理なダイエットは、栄養不足による頭皮の乾燥を引き起こします。
前述のとおり脂質の摂り過ぎは問題ですが、不足するのも問題です。どの栄養素も、適度にバランスよく摂ることが大切なのです。
髪の毛・頭皮が脂っぽい原因③自律神経が乱れている
自律神経は、交感神経・副交感神経の2種類があり、さまざまな働きをします。何らかの要因によって自律神経が乱れると体の調子も崩れ、皮脂の過剰分泌を促進してしまうことがあります。
交感神経が働いている際、アドレナリンやテストステロンなどのホルモンが分泌されやすくなります。それぞれ役割がありますが、これらのホルモンは皮脂分泌を促す作用もあります。
そのため、ストレスや睡眠不足によって自律神経が乱れると、交感神経が優位になって皮脂が過剰に分泌される可能性があります。
もちろん、頭皮も同様。自律神経の乱れにより髪の毛・頭皮が脂っぽい状態になり、臭いやフケを引き起こします。
参考:
ストレスと大人ニキビの深い関係 | 摩耶堂製薬(ロート製薬グループ)
ストレスが溜まっている
自律神経の乱れを引き起こす要因の一つは、過度なストレスです。ストレスを受けると交感神経が活発になるため、皮脂を分泌しやすくなります。
ストレスの多い環境で過ごしている方や、ストレスを発散できずに溜めたままでいる方はご注意ください。
睡眠が足りていない
睡眠時は、副交感神経が優位になりリラックスした状態です。
反対に睡眠不足になると、交感神経が活発な時間が増え、自律神経の乱れにつながります。皮脂が分泌されやすくなるうえ、日中の眠気や疲労感などの症状も引き起こす可能性があります。
運動量が不足している
運動不足の人は、普段から太陽の光に当たることが少なく、ストレスも溜まりがちです。その結果、自律神経が乱れて頭皮の皮脂の増加につながるのです。
また、血流の悪化は自律神経のバランスを乱すことも影響しています。運動をしない生活を送っていると代謝や筋力の低下を招くため、血行不良になりやすいです。
参考:
自律神経を積極的にコントロールする方法とは?|くすりと健康の情報局
髪の毛・頭皮が脂っぽいと起こる症状とは?
髪の毛・頭皮が脂っぽいと、清潔感が損なわれるだけでなくさまざまな症状につながる可能性もあります。どのようなトラブルが考えられるか、髪の毛と頭皮に分けて解説していきます。
脂っぽい髪の毛に起きるトラブル
頭皮の皮脂は、肌のトラブルだけでなく、髪の毛にも悪影響を及ぼします。まずは、脂っぽい髪の毛に起きるトラブルをご紹介します。
脂っぽい髪の毛のトラブル①髪がべたつく
脂っぽい髪の毛はべたつきが気になりやすいです。頭皮から分泌された皮脂が髪の毛に付着し、べたべたとします。
髪の毛が脂っぽい状態だと相手に不潔感を抱かせたり、髪の毛のボリュームが少なく見えたりします。
脂っぽい頭皮に起きるトラブル
次に、脂っぽい頭皮に起きるトラブルについてお伝えします。
脂っぽい頭皮のトラブル①頭皮がべたつく・かゆみが生じる
一番多い症状として、頭皮のべたつきが挙げられます。それと同時に、かゆみを感じる人も少なくありません。放っておくと、治療が必要な状態にまで悪化する危険性があります。
脂っぽい頭皮のかゆみは、皮脂をエサとする細菌が原因です。頭皮にある皮脂が、肌表面に存在する常在菌によって脂肪酸になります。脂肪酸は頭皮にとって刺激になるので炎症を引き起こし、かゆみの原因になることがあるのです。
頭皮のかゆみについては下記記事をご覧ください。
参考:
頭皮のしくみ|頭皮の知識|花王株式会社 ヘアケアサイト
脂っぽい頭皮のトラブル②嫌な臭いがする
頭皮の皮脂が多いと、分解や酸化によって生じる脂肪酸も増加するため、悪臭を引き起こします。酸っぱい臭いは低級脂肪酸、脂っぽい臭いは中鎖脂肪酸やアルデヒドラクトン類が原因だと考えられます。
加齢臭とは違う嫌な臭いがある場合は、皮脂の多さを疑ってみましょう。
頭皮の臭いについては下記記事をご覧ください。
参考:
頭皮・頭髪のニオイ|頭皮の知識|花王株式会社 ヘアケアサイト
脂っぽい頭皮のトラブル③フケが増える
頭皮の皮脂が多いと、フケが増えます。フケとは、頭皮からはがれ落ちる古い角層です。誰にでも存在するものですが、多すぎると目立ってしまい清潔感が損なわれます。
フケも細菌の増加が原因だとされています。菌による分解で生じた物質や菌そのものが刺激になり、皮膚のターンオーバーが乱れてフケを生じるのです。
頭皮が脂っぽい場合、パラパラ落ちる乾燥したタイプとは違い、ベタベタした湿っぽいフケであることが特徴です。
参考:
頭部粃糠疹(フケ症)の原因&対処法|薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル|ヒフシルワカル
クリニックを受診すべき!治療が必要なトラブル
髪の毛・頭皮が脂っぽい状態は、何らかの疾患によって引き起こされている可能性もあります。放置すると、症状が悪化し病気になってしまう場合も。
治療が必要な場合は、クリニックで適切な薬を処方してもらいましょう。
治療が必要なトラブル①脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは、皮脂の分泌量が多い部位に発生する皮膚炎で、赤みやフケ、軽度のかゆみなどの症状が出ます。頭皮のほか、顔のTゾーンや鼻周囲にも起こりやすいです。
脂漏性皮膚炎の原因は、頭皮に存在するマラセチア菌だと考えられています。
誰の皮膚にもある常在菌ですが、異常に増殖すると皮脂を分解して遊離脂肪酸にします。遊離脂肪酸やマラセチア菌そのものが皮膚に刺激を与えるため、皮膚炎を引き起こすと考えられています。
治療には、主に抗真菌外用薬が使われます。生活習慣を見直したり、皮膚を清潔に保ったりすることも大切です。
脂漏性皮膚炎の対策や治療については、以下の記事で詳しくお伝えしています。併せてお読みください。
脂漏性脱毛症に発展するリスクもある
脂漏性皮膚炎は、脂漏性脱毛症に発展してしまう可能性があります。
脂漏性脱毛症とは、頭皮に発生した脂漏性皮膚炎によって頭皮環境が悪化し、髪の毛が抜ける脱毛症です。「頭皮のかゆみくらい問題ない」と思っていると症状が進み、髪が減ってしまうおそれがあります。
脂漏性脱毛症を防ぐためにも、頭皮の赤みやフケ、かゆみなどの症状がある方は放置せず、医療機関にご相談ください。
治療が必要なトラブル②AGA(男性型脱毛症)
AGA(男性型脱毛症)とは、日本人男性の約30%が発症するとされている脱毛症です。主な原因はDHT(ジヒドロテストステロン)という悪玉化した男性ホルモンで、ヘアサイクルが極端に短くなるため薄毛・抜け毛が進行します。
頭皮の過剰な皮脂は直接AGAを引き起こすわけではありませんが、頭皮環境が悪化することでAGAの発症リスクを高めてしまいます。
AGAとは何かについては以下のページで解説しています。
参考:
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版|日本皮膚科学会
脂っぽい髪の毛・頭皮の改善方法をチェック
脂っぽい髪の毛・頭皮の改善方法は、以下の4点です。
- 生活習慣を見直す
- シャンプーやドライヤーを見直す
- 頭皮のケアをする
- 専門のクリニックで治療を受ける
脂っぽい髪の毛・頭皮の改善方法①生活習慣を見直す
まずは、普段の生活を見直してみましょう。皮脂の分泌量は生活習慣の影響を受けやすいです。
無意識だと意外にできていない、なんてこともあるかもしれません。
バランスの良い食生活
まずは栄養バランスが良い食事を摂ることです。これが頭皮の環境改善、ひいては髪の毛を健康に導くための基本となります。
バランスの良い食事が思い浮かばない方は、食事アプリや食事バランスガイドなどを参考にしましょう。
適度な運動をする
適度な運動も、頭皮環境を整えるのに役立ちます。これは、体を動かすことでストレス解消と自律神経を整える効果が期待できるためです。
普段デスクワークの方は、意識的に動くことが大切です。
しっかり睡眠をとる
十分な睡眠時間と質の高い睡眠は、頭皮の皮脂が過剰に分泌されるのを防ぎます。睡眠不足による自律神経の乱れを予防できるからです。
とはいえ、仕事などの理由で早寝早起きが難しい方もいるでしょう。寝室の湿度を確認したり寝具を変えたりして、睡眠の質の向上を目指すのも効果的です。
毎日洗髪をする
洗髪は毎日行うのが基本です。特に、頭皮がべたつきやすい場合や汗をかいた場合はしっかり洗いましょう。
ただし頭皮が乾燥しやすい方は、2日に1回でも問題ありません。汗のかきやすい夏は毎日洗う、乾燥しやすい冬は2日に1回洗うといったように、季節に合わせて洗髪の頻度を変えるというのも手です。
脂っぽい髪の毛・頭皮の改善方法②シャンプーやドライヤーを見直す
皮脂の過剰分泌を防ぐためには、頭皮とシャンプーとの相性も大切です。
自分の肌質を見極め、自分に合ったシャンプーで正しく頭皮をケアしましょう。
自分に合うシャンプーを選ぶ
まず大切なことは、自分の肌質に合うシャンプーを選ぶこと。
脂性肌の人と乾燥肌の人とでは、適したシャンプーが異なります。
脂性肌の人は皮脂をしっかりと落とせる洗浄力が強いもの、乾燥肌の人は保湿成分を配合したものが向いていると言われています。
ただ、洗浄力が強すぎるシャンプーは頭皮に刺激を与えてしまう可能性があります。選ぶのが難しい場合、皮膚科などの医師に相談するのも手です。
正しくシャンプーをする
頭皮の脂分はシャンプーの前に、お湯でしっかりと洗いましょう。これを予洗いと言います。
予洗いをきちんとすれば、頭皮の皮脂汚れの多くを落としやすくなります。
正しくドライヤーを使う
洗髪後は、必ずドライヤーで髪の毛を乾かしましょう。
自然乾燥は雑菌の増加による、頭皮のべたつきや悪臭を引き起こします。
脂っぽい髪の毛・頭皮の改善方法③頭皮のケアをする
普段の生活習慣に加え、頭皮のケアも取り入れてみましょう。
頭皮環境を整え、脂っぽくなるのを防ぐ効果が期待できますよ。
頭皮マッサージをする
頭皮全体を、指や専用ブラシなどを使ってマッサージする方法です。頭皮マッサージには、血行促進や頭皮環境の改善効果が期待できます。
ただし、やり過ぎは禁物です。頭皮を傷つけたり負担をかけたりすると症状が悪化する危険性があるので、1日1回を目安に行いましょう。
頭皮マッサージの効果ややり方については、以下の記事で詳しくお伝えしています。ぜひ参考にしてください。
ケアグッズを使う
最近ではスカルプシャンプーや頭皮ケアローションなど、さまざまな頭皮ケアグッズが販売されています。
ドラッグストアや通販でも販売しているので、調べてみましょう。
脂っぽい髪の毛・頭皮の改善方法④専門のクリニックで治療を受ける
セルフケアだけでは改善しないケースもあります。脂っぽくなる原因を特定することが難しかったり、専門の治療が必要だったりするからです。
脂っぽい髪の毛・頭皮を本気で治したい方は、クリニックで相談することをおすすめします。放っておくと症状が悪化する危険性もあるので、心当たりがある方は早めに受診しましょう。
脂っぽい髪の毛・頭皮やAGAの症状に関するご相談はウィルAGAクリニックへ
髪の毛・頭皮が脂っぽい原因や症状、改善方法についてお伝えしました。
髪の毛・頭皮がべたつく場合、洗髪方法や食生活に問題があるのかもしれません。ご紹介した内容を参考に、症状の改善を目指してみてください。
ただ、中にはAGAなどの脱毛症を発症しているケースも考えられます。
脂っぽい髪の毛・頭皮にお悩みの方や薄毛の症状がある方は、ウィルAGAクリニックにご相談ください。約10万人の治療実績を持つドクターチームが、一人ひとりに合った最適な治療をご提案いたします。
【よくある質問】
- 洗髪時に汚れが落ち切れていない
- 食生活が偏っている
- 自律神経が乱れている
具体的には、以下のような方法があります。
- 生活習慣を見直す
- シャンプーやドライヤーを見直す
- 頭皮のケアをする
- 専門のクリニックで治療を受ける