5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型の違いや見分け方を解説!AGAとの関係性は?
「5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型とAGAの関係は?」
「5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の違いについて知りたい!」
5αリダクターゼとは、体内に存在する還元酵素の一種です。5αリダクターゼはⅠ型とⅡ型があるため、違いや見分け方について知りたい方も多いかもしれません。
そこでこの記事では、5αリダクターゼとは何か、Ⅰ型とⅡ型ではどのような違いがあるか解説していきます。AGA治療薬についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型とは?役割やAGAとの関係性
まずは、5αリダクターゼの役割やAGAとの関係性について解説していきます。
参考:
・男性における男性型脱毛症用薬 5 α – 還元酵素 II 型阻害薬 フィナステリド(プロペシア ® 錠 0.2 mg・1 mg)の薬理学的特性と臨床効果|日薬理誌
・5αリダクターゼとは?抑制する方法やAGAを引き起こす原因を解説|株式会社あすか製薬メディカル
5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型ともにDHT(ジヒドロテストステロン)を生み出す還元酵素
5αリダクターゼは、「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成に関わる還元酵素です。
酵素とは主にタンパク質で構成されている物質で、人間の体内で起こる消化、吸収、代謝といったさまざまな働きを調節する役割があります。人の体内には約5000種類もの酵素が存在すると言われていて、それぞれ異なる役割を担っています。
5αリダクターゼも酵素の一種で、男性ホルモンのテストステロンと結合してDHTに変換するという作用があります。DHTは悪玉男性ホルモンとも呼ばれますが、男性生殖器の形成や成長、筋肉増大など、重要な役割を果たしています。
5αリダクターゼとAGA・薄毛との関係性
5αリダクターゼはAGA・薄毛に深く関わっている酵素です。5αリダクターゼによって生成されるDHTはAGAの主な原因物質で、ヘアサイクルを乱す作用があるからです。
AGAの発症や生活習慣の乱れなどの要因がなくとも、私たちの髪の毛は自然に抜け落ちて、また新しい髪が生えます。髪の毛が成長しはじめてから抜け落ちるまでの周期のことを、「ヘアサイクル(毛周期)」と言います。
ヘアサイクルは、毛母細胞が分裂・増殖する「成長期」、髪の成長が止まる「退行期」、毛根の位置が浅くなって抜ける「休止期」に分けられますが、ほとんどが成長期にあたります。成長期は通常、男性の場合3〜5年、女性は4〜6年程度です。
DHTには、ヘアサイクルの成長期を極端に短くする作用があるため、髪が十分に成長できません。さらに、ヘアサイクルが通常よりも早いスピードで繰り返されることで、毛根の寿命も早く迎えてしまいます。
このように、5αリダクターゼはAGA・薄毛に深く関わっています。5αリダクターゼそのものがAGAを直接発症させるわけではありませんが、生成されたDHTがヘアサイクルを乱すため、薄毛・抜け毛の症状を引き起こすのです。
5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の違いとは?
5αリダクターゼにはⅠ型・Ⅱ型の2種類があるとお伝えしました。
それぞれの違いは、分布している箇所と酵素としての作用です。
参考:
・男性における男性型脱毛症用薬 5 α – 還元酵素 II 型阻害薬 フィナステリド(プロペシア ® 錠 0.2 mg・1 mg)の薬理学的特性と臨床効果|日薬理誌
・5αリダクターゼとは?抑制する方法やAGAを引き起こす原因を解説|株式会社あすか製薬メディカル
5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の違い①分布している箇所
5αリダクターゼⅠ型とⅡ型は、分布している箇所が異なります。
5αリダクターゼⅠ型は、さまざま部位の皮膚の脂腺に多く存在しています。頭皮だと側頭部と後頭部に集中しています。
一方、5αリダクターゼⅡ型は前立腺や精巣上体、精嚢に多く、頭皮だと前頭部と頭頂部に多く分布しています。
5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の違い②酵素としての作用
5αリダクターゼⅠ型とⅡ型では、作用も異なります。
5αリダクターゼⅠ型は、皮脂の分泌を促進する作用があります。
これに対し、5αリダクターゼⅡ型は頭部に存在する場合は脱毛を促し、頭部以外の部位では発毛を促すという作用があります。また、Ⅰ型に比べるとDHTに変化しやすいという特徴からも、Ⅱ型の方がAGAと深い関係があると考えられています。
5αリダクターゼについて詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
AGA発症の原因である5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の見分け方はある?
薄毛・抜け毛の症状が出てきたとき、「自分は5αリダクターゼⅠ型とⅡ型どちらが原因だろう?」と気になる方もいるでしょう。
確かに、頭皮に存在する5αリダクターゼⅠ型は側頭部と後頭部に多い、5αリダクターゼⅡ型は前頭部と頭頂部に多いという違いがあります。ただし、この差だけでⅠ型とⅡ型を自力で見分けるのは難しいです。
また、薄毛・抜け毛の症状はAGAのせいではなく、別の脱毛症や生活習慣が原因かもしれません。複数の要因が重なっているケースもあります。
薄毛・抜け毛の原因を突き止めるには、AGAクリニックに相談するのが一番です。患者様の症状や悩みを聞いたうえで、原因に合った最適な治療法を提案いたします。
脱毛症の早期発見のためにも、薄毛・抜け毛の原因を無理に見分けようとするのではなく、専門的な知識のある医師を頼ることをおすすめします。
5αリダクターゼⅠ型を抑制してAGAを治療する治療薬
5αリダクターゼⅠ型の働きを抑制できるのは、「ザガーロ(デュタステリド)」という治療薬です。
5αリダクターゼⅠ型を抑制するAGA治療薬はザガーロ(デュタステリド)
ザガーロはデュタステリドを主成分としたAGA治療薬です。5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型どちらにも作用して、DHTの生成を抑制します。
日本皮膚科学会のガイドラインに記載された試験によると、デュタステリドの副作用の発現率は国際臨床試験でリビドー減少 3.3%、インポテンツ 5.4%、射精障害 3.3%だったそうです。
ザガーロの効果や副作用については以下の記事でも解説しているので、併せてお読みください。
5αリダクターゼⅡ型を抑制してAGAを治療する治療薬
5αリダクターゼⅡ型の働きを抑制できる治療薬は、「プロペシア(フィナステリド)」と「ザガーロ(デュタステリド)」です。
5αリダクターゼⅡ型を抑制するAGA治療薬①プロペシア(フィナステリド)
プロペシアは、フィナステリドを主成分としたAGA治療薬です。5αリダクターゼのⅠ型に対してあまり作用せず、Ⅱ型のみ阻害するという特徴があります。
副作用として、1〜5%未満でリビドー減退、1%未満で勃起機能不全や射精障害を起こすとされています。「ザガーロ(デュタステリド)」に比べると、副作用のリスクは非常に少ないと言えます。
プロペシアの効果や副作用については、以下の記事で詳しくお伝えしています。併せて参考にしてください。
参考:
・医療用医薬品 : プロペシア (プロペシア錠0.2mg 他)
5αリダクターゼⅡ型を抑制するAGA治療薬②ザガーロ(デュタステリド)
先ほどもご紹介した「ザガーロ(デュタステリド)」は、5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型どちらにも作用します。
しかし、作用する範囲が大きいからといって、安易にデュタステリドを使うのはおすすめできません。フィナステリドとデュタステリドではどちらが良いかは、ケースによって異なります。デュタステリドはフィナステリドより副作用のリスクが高い、というデメリットもあります。
まずはAGAクリニックに相談したうえで、症状に合ったAGA治療薬を服用しましょう。
以下の記事では、フィナステリドとデュタステリドの違いや、どちらの方が良いかを解説しています。ぜひ参考にしてください。
5αリダクターゼ抑制効果のある食べ物・栄養素は?
薄毛・抜け毛が気になる場合は、AGA治療を受けたうえで生活習慣を改善することも大切です。バランスの良い食事を心がければ、髪の毛の成長に必要な栄養素も不足しにくくなります。
また、AGAの原因である5αリダクターゼを抑制する効果のある栄養素もあります。
亜鉛は5αリダクターゼの働きを抑える作用がある
「髪の毛を生やしたいなら亜鉛を摂った方が良い」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
実際、亜鉛は毛髪の主成分であるケラチンの合成に必要な栄養素です。さらに、5αリダクターゼの働きを抑える作用があることから、AGAによる薄毛・抜け毛の進行を遅らせる効果があるのではないかと期待されています。
亜鉛を多く含む食品は魚介類や肉類、藻類などで、中でも牡蠣が代表的です。
以下の記事では、亜鉛の効果や役割について解説しています。併せて参考にしてください。
参考:
・Inhibition of 5 alpha-reductase activity in human skin by zinc and azelaic acid
・亜鉛の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット
とはいえAGAや薄毛抑制に最も効果的なのは治療薬!
亜鉛は、AGAの進行を遅らせる効果が期待されています。ただし、「亜鉛さえ摂取すればAGAを改善できる」というわけではないので、ご注意ください。
食事がAGAに対してもたらす効果はあくまでサポート的なもので、治療ではありません。AGA治療薬のフィナステリド・ディタステリドを服用し、薄毛・抜け毛の進行を抑制することが大切です。
AGAは早期発見・早期治療が最も効果的です。
抜け毛・薄毛が進行していると感じた場合は、早い段階で専門医へ相談しましょう。
AGAの型とは?「ハミルトン・ノーウッド分類」について
AGAの型(分類)には、「ハミルトン・ノーウッド分類」があります。 ハミルトン・ノーウッド分類ではAGAのパターンを7つの段階に分けていて、Ⅰ型からVII型に向かって症状が進行していきます。
同じ「型」ではありますが5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型とは違うので、ご注意ください。
ハミルトン・ノーウッド分類については以下のページで詳しく解説しています。気になる方は併せてお読みください。
AGAは前頭部や頭頂部から進行し後頭部や側頭部が剥げるのは最後
ハミルトン・ノーウッド分類図を見ると一目瞭然ですが、AGAは前頭部や頭頂部から脱毛症状が進行し、後頭部や側頭部の毛髪が無くなるのは最後です。
頭皮に存在する5αリダクターゼⅠ型は側頭部と後頭部に多く、5αリダクターゼⅡ型は前頭部と頭頂部に多い為、AGAの初期症状から中期症状までは、5αリダクターゼⅡ型を阻害するフィナステリドで十分効果がある訳です。むやみやたらに副作用の大きいデュタステリドを使用するのはお勧めできません。.
後頭部や側頭部まで進行してしまった重症のAGA治療に対して、デュタステリドの服用も検討しましょう。
5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の見分け方や抑制方法に関するご相談はウィル AGA クリニックへ
5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型の違いや見分け方、AGA治療薬についてご紹介しました。
5αリダクターゼはAGAに深く関わっている還元酵素で、Ⅰ型・Ⅱ型の2種類があります。それぞれ分布している箇所や酵素としての働きに違いがありますが、どちらが原因でAGAが進行しているか見分けることは難しいです。
5αリダクターゼやAGAに関するご相談がある方や、薄毛・抜け毛の症状を治したい方は、ウィルAGAクリニックにお問い合わせください。治療実績約10万人の発毛専門医が、最適な治療やアドバイスを行います。
【よくある質問】
5αリダクターゼⅠ型は、さまざま部位の皮膚の脂腺に多く存在しており、頭皮では側頭部と後頭部に多いです。 一方、5αリダクターゼⅡ型は前立腺や精巣上体、精嚢に多く、頭皮だと前頭部と頭頂部に多いです。