円形脱毛症の初期症状とは?進行する前に気づいたらすぐ治療しよう!
「円形脱毛症の初期症状にはどんなものがあるの?」
「円形脱毛症の原因や治療法って何だろう…」
円形脱毛症は、円形や楕円形に脱毛する疾患です。急に抜け毛の症状が現れたり、地肌の見える部分があったりすると、「自分は円形脱毛症を発症しているのではないか」と不安になるかもしれません。
そこでこの記事では、円形脱毛症の初期症状や進行中の症状を解説していきます。原因や治療法についてもお伝えするので、円形脱毛症の疑いがある方はぜひ参考にしてください。
目次
円形脱毛症に見られる初期症状
まずは、円形脱毛症の初期症状についてお伝えします。
よく見られる初期症状は、以下の4点です。
- 兆候がないまま毛が抜ける
- 頭部に地肌の見える部分がある
- 脱毛した部分の境界がはっきりしている
- 爪の表面に小さなへこみがある
参考:
・【専門医監修】円形脱毛症の症状と特徴|円形脱毛症.com(株式会社スヴェンソン)
円形脱毛症の初期症状①:兆候がないまま毛が抜ける
円形脱毛症は突然発症するのが特徴です。痛みやフケなどの前触れがなく一気に脱毛したら、円形脱毛症かもしれません。
一方、薄毛・抜け毛が少しずつ進行している場合はAGA(男性型脱毛症)などの可能性が考えられます。
円形脱毛症の初期症状②:頭部に地肌の見える部分がある
円形脱毛症は、円形や楕円形に脱毛します。
頭部全体が薄くなっていくのではなく、地肌の見える部分が一部ある場合は、円形脱毛症の初期症状だと思われます。
円形脱毛症の初期症状③:脱毛した部分の境界がはっきりしている
脱毛した部分としていない部分の境界がはっきりしているのも、円形脱毛症の特徴です。
いわゆる「10円ハゲ」と呼ばれるような円形や楕円形の脱毛班が認識できる場合、円形脱毛症を発症している可能性があります。
円形脱毛症の初期症状④:爪の表面に小さなへこみがある
爪の表面に小さなへこみができる状態を、「爪甲点状陥凹」と言います。爪甲点状陥凹は免疫異常によって引き起こされることから、円形脱毛症と併発するケースが多いです。
円形脱毛症の発症時や再発時には、爪甲点状陥凹が横一列に線状に並ぶこともあります。
以下の記事では、爪甲点状陥凹のメカニズムや治療法を解説しています。併せてお読みください。
参考:
・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版|日本皮膚科学会ガイドライン
円形脱毛症の進行中に見られる症状
円形脱毛症の進行中に見られる症状は、以下の4点です。
- 起床時に抜け毛が枕についている
- 脱毛斑の周辺の毛を引っ張ると簡単に抜ける
- 抜けた毛の毛根が細く尖っている
- 脱毛班が少しずつ広がっている
参考:
・【専門医監修】円形脱毛症の症状と特徴|円形脱毛症.com(株式会社スヴェンソン)
円形脱毛症が進行中の症状①:起床時に抜け毛が枕についている
円形脱毛症が進行していると、脱毛班が増えたり広がったりしていくことがあります。朝起きたとき、抜け毛が枕に多くついている場合は円形脱毛症を発症している可能性があります。
ただ、抜け毛の症状だけでは円形脱毛症だと断定できず、ほかの脱毛症を発症しているケースも考えられるので、後述する進行中の症状も併せて参考にしてください。
円形脱毛症が進行中の症状②:脱毛斑の周辺の毛を引っ張ると簡単に抜ける
円形脱毛症が進行している場合は、脱毛斑が少しずつ広がっていくことがあります。
脱毛した部分の周りにある毛を引っ張った際に、痛みもなく簡単に抜けたら、症状が進行しているおそれがあります。
円形脱毛症が進行中の症状③:抜けた毛の毛根が細く尖っている
円形脱毛症は、免疫異常によって毛根が炎症を起こすことで脱毛すると考えられています。
脱毛した毛の毛根が細く尖っている場合、免疫の攻撃によりダメージを受けていた可能性があります。
円形脱毛症が進行中の症状④:脱毛班が少しずつ広がっている
円形脱毛症は、進行によって脱毛班が広がる可能性があります。
目視だけでは不安な場合はスマホなどで写真を撮り、経過観察しましょう。脱毛している部分が徐々に広がっている場合、円形脱毛症が進行していると考えられます。
円形脱毛症の初期にした方が良い対策
円形脱毛症の初期症状についてご紹介しましたが、当てはまる項目が多いほど円形脱毛症を発症している可能性が高いと言えます。
円形脱毛症の初期には、以下のような対策があります。
- まずは専門のクリニックに相談する
- 生活習慣を見直す
- ストレスを溜め込まないようにする
- 脱毛部分の隠し方を調べる
円形脱毛症の初期にすべき対策①:まずは専門のクリニックに相談する
一番大切なのは、専門のクリニックに相談することです。初期症状に気づいたタイミングで早期治療に取り組めば、重症化する前に改善を目指せます。また、すぐに受診することで不安も取り除けます。
円形脱毛症の発症や悪化には、精神的なストレスが関わっていると考えられています。「脱毛班が広がっている気がするけど大丈夫かな」「このまま悪化したらどうしよう」と不安を感じていたら、症状が悪くなってしまうかもしれません。
重症化する前に改善するのはもちろん、余計なストレスを感じないためにも、まずは専門のクリニックにご相談ください。
円形脱毛症の初期にすべき対策②:生活習慣を見直す
円形脱毛症の対策として、生活習慣の見直しも重要です。日々の食生活が乱れていたり、間違ったヘアケアを続けていたりすると、頭皮や髪に悪影響を及ぼして治しにくくするおそれがあるからです。
食事とヘアケアのほか、睡眠、運動などに問題はないか、自身の生活を振り返ってみましょう。
以下の記事では、円形脱毛症を早く治すために良いとされている食べ物・栄養素について解説していますので、気になる方は併せてお読みください。
円形脱毛症の初期にすべき対策③:ストレスを溜め込まないようにする
円形脱毛症には精神的なストレスが関わっていると言われているため、発症に気づいたらできるだけストレスを溜め込まないように気をつけましょう。
趣味に没頭する、定期的にストレッチや深呼吸をするなど、自分なりのストレス解消法を試してみてください。
円形脱毛症の初期にすべき対策④:脱毛部分の隠し方を調べる
円形脱毛症は、脱毛班が比較的はっきりしています。周囲の視線が気になる場合はストレスになってしまうため、脱毛部分を上手に隠すにはどうすればいいか知っておくと良いでしょう。
円形脱毛症の初期だとまだ脱毛班は小さいことが多いので、ヘアファンデーションやヘアスタイルの変更で隠しやすいです。隠しきれない場合は、帽子やバンダナ、ウィッグなどを活用しましょう。
円形脱毛症の主な原因は自己免疫疾患
円形脱毛症の主な原因として考えられているのは、「自己免疫疾患」です。
私たちの身の回りには、体内に侵入して悪さをするウイルスや細菌などがいます。このような異物を攻撃し、身体を守ってくれているのが免疫機能というシステムです。
しかし、身体を守るための免疫機能に異常が起こると、自分の正常な細胞や組織を誤って異物だと判断してしまい、攻撃することがあります。このようにして引き起こされる病気を、自己免疫疾患と言います。
円形脱毛症は自己免疫疾患の一種で、免疫異常によって免疫細胞が毛包を異物と判断し、攻撃してしまうことによって症状が現れると考えられています。また、アトピー素因や遺伝的要因も関係していると指摘されています。
円形脱毛症の原因については、以下の記事で詳しく解説しています。併せてお読みください。
円形脱毛症の初期治療が大切な理由
円形脱毛症は、症状に気づいたらすぐに治療を始めるのがおすすめです。放置していると、重症化するおそれがあるからです。
日本皮膚科学会のガイドラインによれば、円形脱毛症の患者の34~50%は 1 年以内に毛髪が回復します。しかし、14~25%は全頭型や汎発型へ移行してしまいます。
また、成人における円形脱毛症の回復率は、脱毛面積が広いほど低くなる傾向にあります。
「また脱毛の範囲も少ないし大丈夫」と思って放置していたら、いつの間にか症状が進行しているかもしれません。円形脱毛症を発症したら初期治療に取り組み、症状の重い全頭型や汎発型に移行する前に改善することが大切だと言えます。
円形脱毛症の進行が止まらない場合の理由や対処法は、以下の記事でお伝えしています。併せてお読みください。
参考:
・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版|日本皮膚科学会ガイドライン
円形脱毛症にはどのような治療法があるの?
次に、円形脱毛症の治療についてお伝えします。
主な治療法は、以下の5種類です。
- ステロイドなどの外用薬
- ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬などの内服薬
- ステロイド局所注射
- 局所免疫療法
- 冷却治療(ドライアイス療法)
参考:
・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版|日本皮膚科学会ガイドライン
・【専門医監修】円形脱毛症の治療方法 円形脱毛症でお悩みの方へ|円形脱毛症.com(株式会社スヴェンソン)
円形脱毛症の治療法①:ステロイドなどの外用薬
患部の炎症や免疫機能などに作用する薬を直接患部に塗ることで、症状を改善します。
代表的な外用薬は、塗った部分の炎症や免疫機能を抑制する作用のあるステロイド外用薬です。また、発毛促進効果のあるカルプロニウム塩化物外用薬やミノキシジル外用薬が使われることもあります。
円形脱毛症の治療法②:ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬などの内服薬
患部の炎症や免疫機能などに作用する薬を飲むことで、円形脱毛症の症状を緩和します。ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬は、細胞内の情報伝達に関わっている「ヤヌスキナーゼ(JAK)」というタンパク質を阻害する薬です。服用によって毛包が攻撃を受けにくくなるため、症状の改善が期待できます。
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬のひとつであるオルミエント(有効成分:バリシチニブ)は比較的新しい飲み薬で、2022年6月20日に日本で認可されました。「頭部全体のうち50%以上の毛髪が脱毛している」「6ヶ月以上発毛が診られない」といった条件を満たす重度の円形脱毛症の場合、治療の対象となり保険適用になります。
<ウィルAGAクリニックのオルミエント治療についてはこちら>
参考:
・安全使用マニュアル バリシチニブ ~円形脱毛症~|日本皮膚科学会
円形脱毛症の治療法③:ステロイド局所注射
ステロイド局所注射は、炎症や免疫機能を抑える効果のあるステロイドを患部に注射する治療法です。主に症状が改善しない単発型・多発型の成人患者に対して行われます。脱毛部位が広いと、その分注射回数が多くなります。
長期的な経過を確認した症例が少ないことと、注射による痛みがあることから、基本的に子どもに対しては行いません。
円形脱毛症の治療法④:局所免疫療法
局所免疫療法は、SADBE やDPCPなどの試薬を患部に塗り、人工的にかぶれを起こして発毛を促します。主に広範囲に脱毛している患者に対して行われる治療法で、子どもにも使用できるのがメリットです。
ただし日本では保険適応されないため、全額自己負担となります。また、アトピー性皮膚炎を発症している場合は皮膚症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。
円形脱毛症の治療法⑤:冷却治療(ドライアイス療法)
冷却治療(ドライアイス療法)は、脱毛部分を冷却して免疫細胞の働きを抑える治療法です。使われるのは液体窒素やドライアイスなどで、副作用のリスクが低いです。
液体窒素による冷却治療は圧抵式とスプレー式がありますが、どちらがより効果的なのかは明確になっていません。
円形脱毛症の初期症状に気づいたら専門のクリニックに相談しよう
円形脱毛症の初期症状や原因、治療法について解説しました。
兆候がないまま毛が抜けたり、頭部に地肌の見える部分があったりする場合は、円形脱毛症を発症しているかもしれません。症状が深刻化するのを防ぐために、初期症状に気づいた時点で専門のクリニックに相談しましょう。
【表参道院限定】ウィルAGAクリニックで行える円形脱毛症治療について
ウィルAGAクリニックでは、表参道院限定で円形脱毛症の治療を行っております。
従来の治療法では効果が見られなかった方や、重度の円形脱毛症にお悩みの方は、JAK阻害薬の「オルミエント治療薬」がおすすめです。JAKの働きを阻害することで、免疫細胞による毛包への攻撃を防ぐ効果が期待できます。
また当院のオリジナルプランとして、オルミエントやミノキシジル、ステロイド局所注射に、「最新LHDV頭皮注入治療」を組み合わせた治療法もございます。最新LHDV頭皮注入治療とは、数百種類以上の高濃度成長因子やエクソソームなどを含んだオリジナルカクテルを頭皮に直接注入して届け、発毛・育毛効果を倍増させる毛髪再生メソセラピーです。
患者様の状態を実際に診察したうえで最適な治療内容をご提案いたしますので、症状にお悩みの方はお気軽にご相談下さい。
<ウィルAGAクリニックのオルミエント治療についてはこちら>
【よくある質問】
・兆候がないまま毛が抜ける
・頭部に地肌の見える部分がある
・脱毛した部分の境界がはっきりしている
・爪の表面に小さなへこみがある