【AGAの原因】5αリダクターゼを抑制する方法

公開日 / 2020.08.27 更新日 / 2024.04.18
この記事の監修者
宮内 俊
ウィルAGAクリニック 総括院長

AGA患者70,000件以上※の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国14院を展開。現在、ウィルAGAクリニックの総括院長、医療法人社団紡潤会の理事長として日進月歩研究を進めながら、日々の診療にあたる。千葉大学医学部卒。

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AGA患者70,000件以上※の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国14院を展開。現在、ウィルAGAクリニックの総括院長、医療法人社団紡潤会の理事長として日進月歩研究を進めながら、日々の診療にあたる。千葉大学医学部卒。

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AGA(男性型脱毛症)治療には、5αリダクターゼを抑える必要があると科学的にも証明されています。

「5αリダクターゼって何?」「どうすれば5αリダクターゼを抑えることができるの?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、AGA・薄毛でお悩みの方に「5αリダクターゼを抑制する方法」をAGA専門クリニックの観点からお伝えできればと思います。

具体的には、

・5αリダクターゼとは
・5αリダクターゼI型とII型の違い
・5αリダクターゼと遺伝
・5αリダクターゼを抑制する方法

の流れで重要なポイントを解説していきます。

5αリダクターゼとは

まずはじめに「5αリダクターゼとは何なのか?」を簡単にご説明していきます。

5αリダクターゼは、人体に存在する還元酵素(酸素を突き放す化学反応)の一種です。
主な役割は、男性ホルモンである「テストステロン」を「ジヒドロテストロン(DHT)」に変換させること。
テストステロン・ジヒドロテストロンは、男性の成長期において「骨格や筋肉の形成・精神的な変化」など、心身の成長に必要不可欠なホルモンです。
しかし、ジヒドロテストロンが毛乳頭細胞に存在する「アンドロゲンレセプター」と呼ばれる受容体に結合すると、毛髪の元となる細胞(毛母細胞)の働きを低下させることが科学的に証明されています。
つまり、5αリダクターゼはAGA・薄毛を促進させる直接的な原因ではありません。しかし、テストステロンをジヒドロテストロンに変換させる役割があるため、AGA・薄毛に関係性が深いと言われています。

5αリダクターゼI型とII型の違い

先ほどもお伝えしたように、ジヒドロテストロンの生成を抑えることができれば、AGA・薄毛の進行を遅らせることが可能です。
そのためには、テストステロンをジヒドロテストロンに変換させる「5αリダクターゼ」を抑制することが重要となります。
5αリダクターゼは「5αリダクターゼⅠ型」と「5αリダクターゼⅡ型」の2つにわけることができます。
それぞれの働きや存在する場所を見ていきましょう。

5αリダクターゼI型

5αリダクターゼⅠ型は、ほとんどの体毛と皮脂腺に存在します。頭部では側頭部と後頭部に多く存在していることが特徴です。
毛乳頭細胞は毛乳頭に存在する細胞で、育毛促進因子(FGF-7)を産生させたり、ヘアサイクルを正常に保つ働きをしています。毛乳頭細胞が増えることで毛髪が太く成長します。

5αリダクターゼII型

Ⅱ型の5αリダクターゼは、前頭部や頭頂部にある毛髪の毛乳頭細胞に存在しています。
そのためⅡ型5αリダクターゼがテストステロンをジヒドロテストステロンに変換させると、毛乳頭細胞に作用し発毛を阻害します。
AGA(男性型脱毛症)の特徴は、額の生え際や頭頂部に発症することが多いです。
5αリダクターゼII型とI型を比較した際に、5αリダクターゼII型の方がAGAとの関連が強いと考えられています。
そのため、Ⅱ型は多く分布する前頭部や頭頂部において、AGAの発症・進行が進みます。

5αリダクターゼと遺伝

5αリダクターゼ(還元酵素)に関する遺伝情報は、「優性遺伝」により父母から子どもへと受け継ぎます。

つまり、両親いずれかがAGA・薄毛が顕著な場合は、子供もAGA・薄毛になる可能性が高いと言えるでしょう。

また、ジヒドロテストロンが結合する「アンドロゲンレセプターの感度」は、X染色体上に存在するため、母方からの遺伝情報となります。
女性は女性ホルモンが優位であるため、男性ホルモンの影響を受けにくく、AGA・薄毛になることは稀なケースです。
しかし、見えていない状態でも「アンドロゲンレセプター」の遺伝情報はしっかりと受け継がれている可能性があります。

5αリダクターゼを抑制する方法

ここまでお伝えしてきた内容で、AGA・薄毛を予防するには「5αリダクターゼ」が重要であることをご理解いただけたかと思います。

では、実際に5αリダクターゼを抑制するにはどのような方法があるのか?

今回は治療薬・サプリメントをご紹介していきます。

治療薬

代表的な治療薬は下記の2つです。

フィナステリド 治療薬名:プロペシア
デュタステリド 治療薬名:ザガーロ

フィナステリド 治療薬名:プロペシア

フィナステリドは5αリダクターゼⅡ型を抑制します。
フィナステリドは、もともと前立腺肥大症の治療薬として開発されたもの。前立腺肥大症とAGAに5αリダクターゼが関与していたため、のちにAGA治療薬として転用されました。
フィナステリドの効果は、5αリダクターゼⅡ型の働きを抑制することで、ジヒドロテストステロン(DHT)への変換を抑制すること。そのため、ジヒドロテストステロン(DHT)が妨げていた毛母細胞を再び活性化させ、AGAの進行を抑制することが可能となります。

他の記事にて、フィナステリドについて詳しく解説しています。
フィナステリドの効果や副作用を解説

デュタステリド 治療薬名:ザガーロ

デュタステリドは、5αリダクターゼⅡ型だけでなく、5αリダクターゼI型の働きも阻害し、ジヒドロテストステロン(DHT)を生成を減らします。
また、海外の臨床試験では、デュタステリドとフィナステリドを半年間服用するという比較試験において、デュタステリド0.1mg、0.5mg服用群の方が、発毛量が約30%多かったということが報告されています。(※参照:ザガーロ カプセル0.1mg、0.5mg 「添付文書」)
つまり、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方の5aリダクターゼを阻害することから、より強力にAGAの治療ができる治療薬となります。(※ザガーロは、AGA・薄毛の治療薬として厚生労働省の認可が下りている治療薬です。)

他の記事にて、デュタステリドについて詳しく解説しています。
デュタステリドの効果や副作用を解説

サプリメント

サプリメントは下記の3つが代表的です

ノコギリヤシ
イソフラボン

それぞれ解説をしていきます。

1.ノコギリヤシ

ノコギリヤシはヤシ科のハーブの一種で、その実は古くからネイティブアメリカンに健康食として利用されてきました。
このノコギリヤシの果実には、5aリダクターゼI型・II型の働きを抑制する効果があると報告されています。
参照:国立研究開発法人 医薬基盤研究所(NIBIO)「ノコギリヤシ(Saw palmetto)の有効性および安全性について」
つまり、薄毛に関係する5aリダクターゼを抑制することで、結果的にジヒドロテストロン(DHT)の産生も抑えられ、AGA・薄毛予防につながります。

2.イソフラボン

イソフラボンは、その構造が女性ホルモン(エストロゲン)に似ていることから、女性ホルモン様作用をもっております。女性ホルモンは脱毛抑制するため、AGA進行を妨げる効果があります。

本日のまとめ

今回は5aリダクターゼの基礎知識とその抑制方法についてお伝えさせていただきました。
もちろん、サプリメントや薬だけに頼らず、日々の生活習慣を見直すことが大切です。
例えば、喫煙やストレスで活性酸素が増えると、それらを分解するために亜鉛の消費が多くなります。
亜鉛不足になると、5aリダクターゼの抑制力も低下するので、タバコを控えたりストレスの発散をすることは大切です。
今回お伝えした内容をふまえ、AGA・薄毛対策に役立てて頂ければと思います。

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