頭皮の毛包炎をどう治す?原因や対処法、治療法を解説!
「髪の毛をブラシでといたときに頭皮に痛みがある…」
「頭皮を触ってみたら膨らんだおできがあった」
このような場合、頭皮に「毛包炎(もうほうえん)」、別名「毛嚢炎(もうのうえん)」ができているのかもしれません。頭皮の毛包炎は髪の毛にかくれて分かりにくいため、触ったときの痛みや膨らみで初めて気づくことが多いです。
また、毛包炎は治りにくかったり繰り返しやすかったりするケースもあり、悩んでいる方も多いでしょう。
今回は頭皮の毛包炎の原因や対処法、治療法について解説します。症状にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
「毛包炎(毛嚢炎)」とは?
「毛包炎(もうほうえん)」・「毛嚢炎(もうのうえん)」とは、毛根を包んでいる「毛包」や「毛嚢」という部位に起こる炎症です。いわゆる「おでき」は、毛包炎や毛包炎が悪化した「せつ」のことを指します。
毛包炎は基本的に数日で自然治癒しますが、皮膚の深部まで炎症が達したり何度も毛嚢炎を繰り返したりするケースもあります。
全身のどこにでも発症する可能性があり、首の後ろや太もも、臀部、陰部周辺に毛包炎ができることが多いです。
参考:
・毛包炎(毛嚢炎)|ひふ研|第一三共ヘルスケア
・『毛嚢炎(毛包炎)』の症状・治療法【症例画像】|田辺三菱製薬|ヒフノコトサイト
毛包炎の主な症状
毛包炎は、毛穴に一致した赤っぽい発疹や、中心に膿が溜まって盛り上がった発疹ができます。基本的にかゆみはありませんが、押すと痛みを感じることがあります。
毛包炎が悪化すると、毛の深い部分まで感染する「せつ」、さらに悪化して複数の毛包に炎症が広がる「よう」にまで進行します。
「せつ」・・・毛包炎が悪化して炎症が広がり硬いしこりのようになった状態。
「よう」・・・せつが悪化して周囲にある別の毛包にまで炎症が拡大した状態。非常にまれな疾患で、発症すると患部に強い痛みが生じるほか、全身の倦怠感や発熱を伴うこともある。
毛包炎ができるメカニズム
毛包炎は、皮膚に細菌が入り込んで炎症を起こすことが原因です。毛包部の小さな傷や、ひげそりなどでできた傷から細菌が侵入し、内部で増殖します。
原因となる雑菌は、正常な皮膚に生息している菌(常在菌)の「黄色ブドウ球菌」や「表皮ブドウ球菌」などが多いです。
また、不衛生な入浴施設などで繁殖しやすい緑膿菌が原因の場合は「温浴毛包炎」、マラセチアと呼ばれる皮膚の常在菌が原因の場合は「マラセチア毛包炎」と呼びます。
頭皮に毛包炎ができる主な原因は?
頭皮に毛包炎ができた場合、考えられる主な原因は以下の5点です。
- 頭皮の皮脂の分泌量の増加
- 間違ったヘアケア
- ヘルメットや帽子の影響
- 生活習慣やストレスの影響
- 小さな傷口やひっかき傷
頭皮の毛包炎の原因①頭皮の皮脂の分泌量の増加
頭皮の皮脂の分泌量が増えると、毛包炎の原因となる菌が繁殖しやすくなります。黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌、マラセチアなどの菌は、皮脂を餌に増殖しているからです。
頭皮の皮脂が増えている場合、毛包炎を発症しやすい状態です。皮脂の分泌量が増える原因としては、ストレスや生活習慣が密接に関わっています。
皮脂の分泌には性ホルモンが関わっています。特に男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)は、皮脂の分泌を増やす作用があります。
ストレスを受けると交感神経が優位になり、ホルモンバランスが乱れてDHTの分泌が促されます。結果、皮脂の分泌量が増えて、毛包炎の原因菌が繁殖しやすくなります。
また、食生活も皮脂の分泌量に関わります。ビタミンB2は、皮脂の分泌量を調節する役割があります。また、油分や糖分の多い食事は皮脂の増加を促します。
食生活の乱れによってビタミンB2の摂取量が不十分になったり、脂っこいものや甘いものばかり摂っていたりすると、皮脂が増加して毛包炎ができやすくなります。
皮脂の多さは抜け毛とも関係があります。詳しくは下記記事をご覧ください。
参考:
・治りにくい大人ニキビ、ビタミン不足が原因だった!? | 摩耶堂製薬(ロート製薬グループ)
頭皮の毛包炎の原因②間違ったヘアケア
以下のようなヘアケアは毛包炎をできやすくするため、注意が必要です。
- ヘアブラシを使う際に、頭皮に傷ができるほどの強い力を入れてしまう
- 洗髪の際に爪でひっかくように頭皮を洗っている
- 洗髪の際に頭皮までしっかり洗えていない、洗い残しがある
- 洗髪をたまにしかしない
毛包炎は、皮膚にできた傷に細菌が入り込むことで発症します。ヘアブラシや爪で頭皮に傷をつけるようなヘアケアを行っている場合、原因菌の侵入口を自ら作っていることになってしまいます。
また、頭皮の皮脂をしっかりと落とすことも大切です。頭皮に洗い残しがあったり洗髪頻度が少なかったりすると、原因菌の餌となる皮脂が残るため、毛包炎を発症するリスクが高まります。
頭皮の毛包炎の原因③ヘルメットや帽子の影響
長時間ヘルメットや帽子をかぶっていると、頭皮が高温多湿の環境になります。細菌の多くは高温多湿の環境で増殖が活発になるため、原因菌が増えて毛包炎を発症しやすくなります。
通勤や仕事の影響でヘルメットをよく被っていたり、日焼け防止などで帽子を使うことが多かったりする場合は、注意が必要です。
頭皮の毛包炎の原因④生活習慣やストレスの影響
生活習慣が乱れていたり、ストレスが溜まっていたりすると、皮膚のバリア機能が低下します。バリア機能は外部からの異物侵入を防ぐ役割があるため、低下すると毛包炎の原因菌が皮膚に侵入・繁殖しやすくなります。
また先ほどもお伝えしたように、生活習慣の乱れやストレスによって頭皮の皮脂量が増加することも影響しています。
参考:
・心理的ストレスにより肌のバリア機能が低下することを実証 国際的な化粧品技術の研究発表会IFSCCにて発表 | ニュース | 株式会社コーセー 企業情報サイト
頭皮の毛包炎の原因⑤小さな傷口やひっかき傷
毛包炎は、皮膚にできた傷から細菌が入り込むことで発症するため、小さな傷口やひっかき傷ができやすい生活を送っていると、毛包炎になるリスクが高まります。
間違ったヘアケアで頭皮に傷ができているほか、頭皮が痒くてつい爪でひっかいている、飼っている犬や猫に傷つけられている、などのケースが考えられます。
頭皮の毛包炎を早く治すには?5つの対処法
前項で、頭皮の毛包炎は皮脂の分泌量の増加や間違ったヘアケアなどの原因によって、雑菌が皮膚に入り込むことで発症すると解説しました。
頭皮の毛包炎のほとんどは数日で自然治癒しますが、発症の原因にもなっている頭皮の環境を変えないと治りにくくなったり繰り返しやすくなったりする可能性があります。
頭皮の毛包炎ができたときは、以下の5つの対処法を参考にしてください。
- 皮膚を清潔に保つ
- 保湿ケアをする
- 皮膚を刺激しすぎない
- ヘアケアを見直す
- 生活習慣を改善する
頭皮の毛包炎の対処法①皮膚を清潔に保つ
頭皮に毛包炎ができたときは、皮膚を清潔に保つことが大切です。毎日しっかり洗髪を行い、余分な皮脂や汚れを落としましょう。原因菌の侵入口を作らないために、爪を立てず指の腹を使って洗ってください。
症状が軽度の場合、皮膚を清潔に保つことで通常は1週間程度で軽快します。
頭皮の毛包炎の対処法②保湿ケアをする
生活習慣の乱れやストレスの影響で肌のバリア機能が低下している場合は、保湿ケアも重要です。皮膚に含まれる水分をキープし、はがれた角質層の隙間から細菌・ウイルスが侵入することを防ぐ効果が期待できます。
ただし、油分の多いケア製品を使うと逆効果になるおそれがあるので、脂性肌用の化粧水やローションを使いましょう。
頭皮の乾燥については下記記事でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。
参考:
・皮膚のうるおいを保つ物質とバリア機能|「もっと知ろう!乾燥肌」皮脂欠乏症治療の総合情報サイト|製薬会社のマルホ
・『毛嚢炎(毛包炎)』の症状・治療法【症例画像】|田辺三菱製薬|ヒフノコトサイト
頭皮の毛包炎の対処法③皮膚を刺激しすぎない
頭皮に毛包炎があるとつい気になってしまいますが、触ったりひっかいたりしないようにしましょう。傷が増えて悪化する可能性がありますし、不潔な指や爪で触れると清潔な状態が失われてしまいます。
また、膿がある状態で毛包炎をつぶすと、そこから菌が侵入して炎症がひどくなる可能性があります。早く治すためにも、皮膚にできた毛包炎は刺激しないようにしてください。
頭皮の毛包炎の対処法④ヘアケアを見直す
毎日習慣のように行っているヘアケアを見直すことで毛包炎が改善することもあります。
毎日のヘアケアが頭皮環境に悪影響を与えていないか見直してみましょう。おすすめするヘアケアを以下に挙げます。
- 頭皮のベタつきやニオイが気にならない頻度で洗髪する
- 爪を立てずに指の腹で頭皮までしっかり洗う
- シャンプー・リンスの洗い残しがないようにする
- ブラッシングの際に頭皮を傷つけないようにする
- 洗髪の後はしっかり乾かす
- 油分の多い整髪剤を避ける
- 長時間のヘルメットや帽子の着用を避ける
ヘルメットや帽子の着用が必要な場合は、頭皮が高温多湿の状態になるのを避けるため通気性の良いものを選んだり、頭皮と密着しないものを選んだりすることをおすすめします。
参考:
・洗髪のQ&A|髪と頭皮のお手入れ|花王株式会社 ヘアケアサイト
頭皮の毛包炎の対処法⑤生活習慣を改善する
頭皮の毛包炎を早く治すには、生活習慣の見直しも重要です。頭皮環境の悪化を招く食事やストレスを改善することで、毛包炎の悪化や再発を防ぐ効果が期待できます。
皮脂の分泌を保つ作用のあるビタミンB2は、さけ・ます類などの魚介類、ほしのりや焼きのりなどの藻類、卵に多く含まれています。ビタミンB2は水溶性なので、過剰摂取による健康被害の心配はほとんどありません。
ただ、これらの食材ばかり摂りすぎると別の栄養素が不足し、心身の不調を招くおそれがあります。偏った食生活を送るのではなく、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスの良い食事を心がけましょう。
また、ストレスとうまく付き合っていくために、自分なりのストレス発散方法を見つけることも対処法の一つです。
のんびりとお風呂に浸かったり、映画鑑賞やカラオケなどの趣味に没頭したりして、ストレスを溜めすぎないようにしてください。
参考:
・治りにくい大人ニキビ、ビタミン不足が原因だった!? | 摩耶堂製薬(ロート製薬グループ)
頭皮の毛包炎は薬で治るの?主な治療法
頭皮の毛包炎は治療することができます。頭皮の毛包炎をすぐに治したい方や、なかなか自然治癒せずに困っている方は、皮膚科などの医療機関にご相談ください。
参考:
・毛包炎(毛嚢炎)|ひふ研|第一三共ヘルスケア
・『毛嚢炎(毛包炎)』の症状・治療法【症例画像】|田辺三菱製薬|ヒフノコトサイト
毛包炎は原因に合った抗菌薬で治療する
毛包炎は、原因菌に合った抗菌薬を使って治療します。患者様のご希望や症状に合わせ、外用薬もしくは内服薬を服用して菌の増殖を抑制します。
また、治療と併せて患部を清潔に保つよう心がければ、効果を実感しやすくなるでしょう。
「せつ」や「よう」は切開が必要なケースもある
毛包炎が悪化して「せつ」や「よう」になり、膿が溜まってしまっている場合は、切開が必要なこともあります。患部を外科的に切開して、膿を排出します。
毛包炎が悪化する前にヘアケアや生活習慣を見直したり、早めに治療を受けたりすることが重要です。
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頭皮の毛包炎の原因や対処法、治療法について解説しました。
毛包炎は、皮膚の傷に細菌が入り込んで起きる炎症です。頭皮に毛包炎ができたら、皮脂の分泌量の増加や間違ったヘアケアが原因かもしれません。
「せつ」と「よう」にまで悪化してしまう前に、適切な対処を行いましょう。
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【よくある質問】
- 頭皮の皮脂の分泌量の増加
- 間違ったヘアケア
- ヘルメットや帽子の影響
- 生活習慣やストレスの影響
- 小さな傷口やひっかき傷