毛根が死滅したらどうなる?休眠した毛根の活動を復活させる方法も解説
「毛根って死滅したらどうなるの?」
「毛根の死滅や休眠を引き起こす原因は何?」
毛根が死滅してしまったら、二度と髪の毛は生えてこないというイメージをお持ちの方は多いかもしれません。特に、抜け毛・薄毛の症状にお悩みの場合は不安に感じやすいでしょう。
この記事では、毛根が死滅したらどうなるか、毛根の死滅や休眠を引き起こす原因は何か解説していきます。休眠した毛根を復活させるための方法もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそも「毛根」って何?
「毛根」とは、地肌の中にある髪の毛の根本部分を指します。反対に、地肌から出ている部分は「毛幹」と呼びます。
抜け毛をよく観察してみると、根元の部分は球状に膨らんでいます。これは毛根の一番奥にある「毛球」という部分で、毛の元となる「毛母細胞」や、毛の生成・成長を指示する細胞の塊「毛乳頭」などが含まれています。
私たちの髪の毛は、毛母細胞が毛乳頭からの指示を受けることで活発に分裂・増殖し、伸びていきます。
参考:
・髪のなりたち|髪の知識|花王株式会社 ヘアケアサイト
・脱毛症 Q1 – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)
「毛髪」自体は死んだ細胞
私たちの身体を構成している細胞は、栄養素を取り入れたりエネルギーを作り出したりなど、さまざまな活動をしています。しかし、毛髪は死んだ細胞が集まったものです。毛母細胞が分裂・増殖し、角化して押し出されるように伸びていくことで、髪の毛が形成されていきます。
髪の毛自体は毎日365日、最長で6年もの間伸び続けますが、毛母細胞自体の分裂回数はヘイフリック限界により40~50回程度だと言われており、髪の毛が毎日伸び続けるのは、毛穴の中にある毛包のバルジと呼ばれる領域に存在する「毛包幹細胞」のおかげです。幹細胞は分裂回数の制限がなく、毛包幹細胞が前駆毛母細胞を経て毛母細胞へ分化することで、日々毛髪が生み出されています。
髪の毛はある程度成長したらヘアサイクルという仕組みによって自然に抜け落ちますが、しばらくすればまた新しい髪の毛が生えるようになります。
「毛髪の細胞が死んでいること」と、「毛根が死滅すること」は別の現象なので、ご注意ください。
参考:
・日本メナード化粧品、幹細胞と人工頭皮モデルを用いて試験管レベルで発毛・育毛を評価する技術を確立!!|日本メナード化粧品 総合研究所
毛根が死滅したらどうなる?
一般的に毛根の死滅は、「毛母細胞が死滅した状態」=「毛包幹細胞が死滅した状態」を指します。
髪の毛は、毛母細胞が分裂・増殖して形成されていきます。毛根が死滅している、つまり毛母細胞自体が完全になくなっている状態では、新しい髪が生えてきません。
髪が生えてこない場合は「休眠状態」の可能性もある
毛根の死滅に不安を感じる方は多いかと思いますが、実は毛母細胞はそう簡単に死滅しません。
髪が生えてこない場合、「休眠状態」になっている可能性があります。毛母細胞自体は存在しているので、休眠の原因になった生活習慣を見直したり、薄毛・AGA治療を受けたりすることで、髪の毛の復活をサポートできるでしょう。
髪の毛が新しく生えてから抜け落ちる周期をヘアサイクルといい、以下のように「成長期」・「退行期」・「休止期」に分かれています。
- 成長期(2~6年程度):毛母細胞が継続的に生み出され、分裂・増殖する期間。成長期が長いほど髪は長くなり、太くなる傾向がある。
- 退行期(2~3週間程度):毛母細胞の分裂が停止し、急速に細胞数が減少して委縮する期間。
- 休止期(3~4カ月程度):毛根の位置が浅くなり、髪の成長が完全に止まる期間。新しい髪の毛の準備をしていて、古い髪が抜ける。
一般的に休眠状態とは、ヘアサイクルの乱れによって休止期が延長された状態を指します。髪の毛が抜けてから成長期に移らないので、薄毛につながります。
ヘアサイクルについては下記記事でも詳しく解説しています。
参考:
・毛と毛包の解剖・毛髪異常(AGA)
・髪の成長|髪の知識|花王株式会社 ヘアケアサイト
毛根の死滅を引き起こす原因
では、毛根が死滅するのはなぜかお伝えします。
毛根の死滅を引き起こす原因は、頭皮のケガややけど、ヘアサイクルの寿命です。
毛根を死滅させる原因①頭皮のケガややけど
頭皮のケガややけどなどの強い刺激によって、毛根が死滅することがあります。頭部に大きなダメージを受けることによって、毛母細胞や毛包幹細胞自体が破壊されてしまうので、新しい髪の毛は生えてきません。
この場合、薄毛・AGA治療を行っても効果は期待できませんが、自毛植毛などの選択肢があります。
毛根を死滅させる原因②ヘアサイクルの寿命
ヘアサイクルには寿命があります。正常なヘアサイクルは2~6年程度で、ヘアサイクルの上限回数は40回程度と考えられています。
正常な髪の毛は、人間の寿命ではヘアサイクルの上限を迎えることはありません。(「薄毛ではない方」が寿命を迎える段階で、髪の毛が抜け落ちてしまっているケースはほとんどない為、ヘアサイクルの上限回数が20回以下とは考え難いです。)
しかし、AGAを発症すると髪の毛の成長期が極端に短くなるため、ヘアサイクルは早いスピードで繰り返されるようになってしまい、早いタイミングで上限回数に達してしまい、死滅してしまう恐れがあります。
これがAGAによる毛根を死滅させる原因です。
AGA以外では、加齢や活性酸素、精神的ストレスなどが原因で、バルジ領域に特異的に発現している「デコリン」と呼ばれるたんぱく質の産生が低下すると、毛包幹細胞が維持できなくなり、毛包幹細胞の数が減少し、毛髪を作りだせなくなってしまいます。
また、加齢に伴うDNA損傷や放射線などの環境ストレスに応じて、XVII型コラーゲンの分解が引き起こされ、毛包幹細胞が自己複製を行ったり毛を生やす細胞を産生する代わりに、表皮角化細胞を生み出しフケ・垢として脱落していくことにより、段階的に毛包のミニチュア化が進み、これによって薄毛や脱毛が引き起こされることが分かってきています。
参考:
・細胞夜話 第5回:WI細胞~Hayflick Limit発見の立役者 – バイオダイレクトメール vol.40
・日本メナード化粧品、幹細胞と人工頭皮モデルを用いて試験管レベルで発毛・育毛を評価する技術を確立!!|日本メナード化粧品 総合研究所
・幹細胞分裂タイプの違いが毛包の再生・老化を決定づけることを発見―毛髪再生を含む上皮の再生促進・抗老化に期待―|国立大学法人東京医科歯科大学、国立大学法人東京大学医科学研究所、国立研究開発法人日本医療研究開発機構
毛根の休眠を引き起こす原因
毛根の休眠を引き起こす原因として考えられるのは、以下の6点です。
- 偏った食生活
- 過度なアルコール
- 睡眠不足や睡眠の乱れ
- 喫煙の習慣
- 過度なストレス
- AGA(男性型脱毛症)
毛根を休眠させる原因①偏った食生活
毛母細胞が正常に活動するには、必要な栄養素を届けることが大切です。
「野菜は苦手で食べない」「うどんやパンなどの主食だけで済ませてしまう」といったように、偏った食生活を続けていると、髪の毛の生成や成長に関わる栄養素が不足してしまう恐れがあります。血流も悪くなりやすいので、毛根の休眠につながります。
毛根を休眠させる原因②過度なアルコール
過度なアルコールは、髪の毛に悪影響を与えます。髪をサポートする亜鉛やビタミンなどの栄養が、アルコールを分解する際に使われるからです。
また、大量のアルコールを摂取すると糖や脂肪の分解・吸収が低下します。毛母細胞に栄養が届きにくくなり、休眠状態を引き起こす可能性があります。
アルコールと薄毛の関係は、以下の記事でも解説しています。併せてお読みください。
参考:
・アルコールの消化管への影響 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
毛根を休眠させる原因③睡眠不足や睡眠の乱れ
心身の健康や成長に関わる成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されます。
睡眠時間が足りなかったり、睡眠リズムが乱れて質が悪くなったりすると、成長ホルモンの分泌量が減りやすくなります。自律神経も乱れることから血行不良につながり、毛根が休眠状態になりやすくなると考えられます。
毛根を休眠させる原因④喫煙の習慣
喫煙者は非喫煙者に比べ、ヘアサイクルを乱す作用のあるDHT(ジヒドロテストステロン)の値が高くなるリスクがあります。
また、タバコの煙に含まれる有害物質「ニコチン」には血管を収縮させる作用があるため、血流が悪くなって毛母細胞に栄養が届きにくくなります。
毛根を休眠させる原因⑤過度なストレス
過度なストレスを感じると交感神経が優位になるため、血流が悪くなります。睡眠にも悪影響を及ぼすので、成長ホルモンの分泌量が減少します。
毛母細胞に必要な酸素や栄養が届きにくくなることで、休眠を引き起こすおそれがあります。精神疾患の要因にもなるので、強いストレスを感じている方は注意が必要です。
毛根を休眠させる原因⑥AGA(男性型脱毛症)
AGA(男性型脱毛症)とは、ヘアサイクルの乱れによって起きる進行性の脱毛症です。
AGAの主な原因は、ジヒドロテストステロンが悪玉化した「DHT(ジヒドロテストステロン)」です。DHTには、ヘアサイクルの成長期を極端に短くする作用があります。成長期が短縮した状態で毛周期を繰り返すうちに、毛包のサイズが小さくなります。
さらにAGAを発症した人の髪の毛は、休止期に入った状態で停滞する傾向があります。
参考:
・男性型脱毛症治療薬の研究動向|山田 久陽、池田 明子
休眠した毛根の活動を復活させるための方法
毛根の休眠状態が続く場合は髪の毛が生えてきませんが、活動を復活させればヘアサイクルが休止期から成長期に移行するため、新しい髪が生えてきます。
休眠した毛根の活動を復活させるための方法は、以下の5点です。
- 食事のバランスを見直す
- お酒・タバコの量を減らす
- 睡眠の質を高める
- AGAクリニックに相談する
- ストレスを溜めすぎない
毛根の活動を復活させる方法①食事のバランスを見直す
偏った食事による栄養不足は、髪の毛以外にもさまざまな悪影響を及ぼします。日々の食事のバランスを一度見直しましょう。
何をどれくらい食べた方が良いのかは、厚生労働省と農林水産省による「食事バランスガイド」が参考になります。自身の食生活と比較し、改善点がないかチェックしてみてください。
毛根の活動を復活させる方法②お酒・タバコの量を減らす
過度な飲酒や喫煙の習慣がある方は、量を減らすことから取り組みましょう。特にタバコは、「百害あって一利なし」と言われるほどさまざまな悪影響を及ぼします。禁煙することが理想ですが、急にやめてしまうと強いストレスを感じやすいです。
アルコール依存症やニコチン依存症に対応しているクリニックもありますので、自力での対策が難しい方は利用を検討してみてください。
毛根の活動を復活させる方法③睡眠の質を高める
睡眠に問題がある方は、改善することで成長ホルモンの十分な分泌を促せます。
寝る前のスマホやTVをやめて睡眠時間を確保したり、寝室の湿度や寝具を見直したりして、質の良い睡眠をとりましょう。
毛根の活動を復活させる方法④AGAクリニックに相談する
確実なのは、薄毛・AGAクリニックに相談することです。毛根が休眠した原因を特定するのは難しく、さまざまな対策をしても改善されるとは限りません。
また、AGAを発症している場合は症状が少しずつ進行します。適切な治療を受けないままでいると、ヘアサイクルの寿命を迎えて毛母細胞が死滅してしまうおそれがあります。
抜け毛や薄毛を本気で治したい方は、医師に相談しましょう。
毛根の活動を復活させる方法⑤ストレスを溜めすぎない
日常生活を送っていると、さまざまな場面でストレスを感じることがあると思います。適度なストレスにはメリットがありますが、過度なストレスはさまざまな悪影響を及ぼすので、溜めすぎないようにすることが大切です。
例としては、ストレスを受けないよう環境を変えるという方法です。「仕事がストレスフルなら転職する」「近隣トラブルがあるから引っ越す」というように、ストレスの原因となる環境自体を変えることで解消します。また、自分なりのストレス解消法を見つけるのも効果的でしょう。
以下の記事では、ストレスを抑える方法をご紹介しています。併せてお読みください。
毛根が死滅する前にAGA治療を進めることが大切
AGAを発症すると毛根が休眠するだけでなく、ヘアサイクルの上限を迎えることで毛根が死滅する恐れがあります。毛根の死滅は毛包幹細胞の死滅を意味しており、新しい髪の毛を生やすことが難しくなってしまいます。
そのため、AGAは早期治療が肝心だと言われているのです。抜け毛・薄毛の症状に気づいた段階で、専門のクリニックに相談することをおすすめします。早期治療に取り組めば、治療にかかる費用や期間を抑えやすくなるというメリットもあります。
主なAGA治療の種類
AGA治療にはさまざまな種類がありますが、基本は投薬治療です。DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えて抜け毛・薄毛を予防するフィナステリドや、発毛を促進する効果のあるミノキシジルなどがあります。
また、クリニックによっては発毛メソセラピーや光治療を取り扱っています。ウィルAGAクリニックでは、「毛包幹細胞」に直接働きかける「発毛メソセラピーLHDV頭皮注入治療」をおこなっています。詳しくはこちらをご覧ください。
<ウィルAGAクリニックの「発毛メソセラピーLHDV頭皮注入治療」の詳細はこちら>
AGAの治療法については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。併せて参考にしてください。
抜け毛・薄毛にお悩みならウィルAGAクリニックにご相談ください
毛根の死滅や休眠を引き起こす原因について解説しました。
髪が生えてこない場合は毛根が死滅しているだけではなく、休眠状態になっている可能性があります。ご紹介した方法を参考に、毛根の活動が復活できるよう取り組んでみましょう。
ただし、AGAを発症している状態で放置していると、毛根が死滅して治療が難しくなることがあります。
抜け毛・薄毛にお悩みならウィルAGAクリニックにご相談ください。一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療で、スピーディーな発毛を促します。
【よくある質問】
また、AGAの発症によってヘアサイクルの寿命を迎えることも原因です。