髭や体毛が濃い人は薄毛になりやすい?はげる?体毛と薄毛の関係を解説!

公開日 / 2024.12.19 更新日 / 2024.12.19

「髭や体毛が濃い人は薄毛になりやすい・はげる」という話を聞いたことはありますか?
男性における髭や体毛は男性ホルモンの影響を強く受けるため、薄毛と密接に関係しているイメージを抱く方も多いでしょう。しかし、髭や体毛が濃い男性だからといって、薄毛になりやすい・はげるわけではありません。
今回は、男性型脱毛症(AGA)と髭・体毛の濃さの関係について解説していきます。ぜひ参考にしてください。

髭や体毛が濃い男性は薄毛になる・はげると言われているのはなぜ?

比較している男性

「髭や体毛が濃い男性は薄毛になる・はげる」説は、「AGAは男性ホルモンが原因だ」「髭や体毛は男性ホルモンの影響を受ける」という2つの話が合わさったことで生まれたと考えられます。

AGAの主な原因は、「ジヒドロテストステロン(DHT)」と呼ばれる男性ホルモンです。また、髭や体毛の濃さには男性ホルモンの「テストステロン」が深く関わっています。
確かにどちらの話も間違ってはいないものの、男性ホルモンの種類自体が異なっているため、直接結びつけるのは短絡的だと言えます。詳しくは後述しますが、髭や体毛が濃いからといって薄毛になる・はげるわけではないので、ご安心ください。

テストステロンが多い男性の特徴

テストステロンは、男らしい身体作りや身体的・精神的な健康に関わる重要な男性ホルモンです。骨格や筋肉を強くしたり、体毛を濃くしたりするほか、精神面に影響を与えています。また、男性機能の維持にも役立っています。
以下のような特徴に当てはまる男性は、テストステロンが多い可能性があります。

  • 筋肉質で体力がある
  • ポジティブ思考
  • 社交性に優れていて行動力もある
  • 性的欲求が強い、男性機能が強い

参考:
・テストステロンが多い人の特徴は?分泌量を増やす方法も紹介|みんなのホルモン研究所

髭や体毛が濃い男性が薄毛になりやすいのは本当?

髭を気にする男性

髭や体毛が濃いと薄毛になりやすいイメージがある原因として、男性ホルモンの存在があります。男性ホルモンにも様々な種類が存在していますが、特にどのような成分が重要なホルモンでしょうか。

毛深くなる原因はテストステロン

髭や体毛が濃くなるのは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが影響しています。

テストステロンは思春期になると分泌が増え、男性としての体へと成長を促進させます。テストステロンの影響によって髭やわき毛、性毛などの体毛が生え始めてくるので男性で、毛深いということは男性ホルモンの影響を強く受けているといえます。

しかし、テストステロンは20代をピークに加齢とともに減少しますが、薄毛に悩む年齢層は20代よりも40代や50代の年齢層の方が多いです。
このことから、テストステロンの増加と薄毛の関係は矛盾することになるため、薄毛の原因として体毛や髭の濃さとは別の要因があると考えられます。

薄毛・はげの原因はジヒドロテストステロン(DHT)

テストステロンは、骨や筋肉の発達や体毛を濃くする方向で作用しますが、頭頂部や前頭部にある毛根に対しては別の作用を発揮します。頭頂部や前頭部に存在するⅡ型5α−還元酵素の働きによって、テストステロンからジヒドロテストステロンに変換されます。

そしてテストステロンから変換したジヒドロテストステロンは、頭皮の毛根に存在する毛母細胞の増殖を抑制して脱毛させます。
AGAの主な原因は、ジヒドロテストステロンの作用によるものです。ヘアサイクルの成長期が短くなってしまうので、髪が十分育たずに細くなったり短くなったりします。毛根の休眠や死滅も引き起こすため、毛が生えなくなっていきます。

ジヒドロテストステロン(DHT)については下記記事で詳しく解説しています。

ジヒドロテストステロン(DHT)はAGAの原因?減らす方法や多い人の特徴について

参考:
・日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

「テストステロンが多い=薄毛になる」というのは極端な説

お伝えしてきたように、髭や体毛を濃くするのは「テストステロン」という男性ホルモンです。一方、薄毛・はげの原因は「ジヒドロテストステロン」です。
確かに、ジヒドロテストステロンはテストステロンが悪玉化することで生成されます。しかし、テストステロンが多い男性が本当に薄毛になるのであれば、テストステロンの分泌量の多い若者はみんなはげることになってしまいます。

髭や体毛が濃い、つまりテストステロンが多いことと、薄毛になったりはげたりすることは、別の話だと分かります。直接結びつけるのは短絡的だと言えるでしょう。
重要なのは、テストステロンがどれくらいジヒドロテストステロンになりやすいか、という点です。これには遺伝的な要因が深く関わっています。また、薄毛・はげは男性ホルモンだけでなく、過度なストレスや生活習慣の問題によっても引き起こされます。
髭が濃い・体毛が濃いからといって、AGAの発症に特別おびえる必要はありません。逆に言えば、髭や体毛が薄いことを理由に油断するのは危険です。

髭や体毛が濃い男性でもテストステロンを減らさない方が良い理由

✕を出している男性

テストステロンが薄毛・はげを引き起こすと勘違いしてしまい、テストステロンを減らそうと思っている方もいるかもしれません。しかし、テストステロンは心身の健康に関わっているホルモンなので、減少すると様々な悪影響を及ぼします。
例えば身体に現れる不調として、疲れやすくなったり頻尿になったりします。テストステロンは性機能にも影響を与えるため、ED(勃起障害)を引き起こす場合もあります。
さらに、イライラ感や不安感などの精神症状につながります。

せっかくテストステロンを減少させたとしても、AGAを予防できないばかりか、心身の不調を招くことになります。髭や体毛が濃いからといって、テストステロンを減らそうとするのは避けましょう。

参考:
・男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)|一般の皆様へ|日本内分泌学会

髭や体毛が薄い男性でも薄毛になることがある

頭を気にする男性

男性型脱毛症(AGA)の原因は、テストステロンから合成されるジヒドロテストステロンであるため、髭や体毛が薄い人でも薄毛になる可能性があります。薄毛の原因はジヒドロテストステロン以外にも存在するので髭・体毛が薄い人でも注意が必要ですが、どのような要因があるのでしょうか。
薄毛・はげを引き起こす主な原因は、以下の4点です。

  • 遺伝的な要因
  • 過度なストレス
  • 生活習慣の問題
  • 間違ったヘアケア

薄毛・はげの原因①遺伝的な要因

髭や体毛が薄い人でも、頭頂部や前頭部にⅡ型5α−還元酵素が多く分布している場合には、薄毛の原因となるジヒドロテストステロンが多く合成されます。逆に言えば、髭や体毛が濃い人でもⅡ型5α−還元酵素が少なければ、薄毛にはなりにくいといえます。

また、5α−還元酵素がどれくらい活性するか、ジヒドロテストステロンをキャッチして脱毛因子を放出する「男性ホルモンレセプター」はどれくらいの感受性なのかは、遺伝によって引き継がれやすいとされています。親の5α−還元酵素の活性度が高かったり、男性ホルモンレセプターの感受性が高かったりする場合、子どもはAGAを発症しやすいでしょう。
男性における薄毛のなりやすさは遺伝的な要素が多くを占めますが、ストレスや生活習慣の問題などからも強く影響を受けるので注意が必要です。

参考:
・ハゲ・薄毛は遺伝する!母方・父方のどちらがAGAの原因になりやすい?|みんなのホルモン研究所

薄毛・はげの原因②過度なストレス

ストレスによって身体に様々な不調を引き起こすことが知られています。自律神経の乱れなどによって睡眠の質が低下したり、血流が悪化したりすることもあるので、頭皮にも大きな影響が起きる可能性があります。

近畿大学の研究では、男性型脱毛症(AGA)とヘモグロビン値の関係からストレスが薄毛と関係している可能性があると報告しています。喫煙やストレスによってヘモグロビン値が上昇することが知られ、ヘモグロビンの値が高いグループでは脱毛の重症度も高い結果がでました。

また、ストレスは精神的なものが注目されますが、身体的なストレスによっても脱毛が起こる可能性があります。休止期脱毛症は、発熱が伴う感染症、手術など体に大きな負担がかかることで起こるため、薄毛にならないようストレス対策を行うことも大事です。

ストレスと薄毛の関係については、以下の記事で詳しくお伝えしています。併せてお読みください。

ストレスは薄毛と関係がある? ~ストレスと薄毛の関係について解説します~

参考:
・近畿大学薬学部・医学部×リーブ 21 男性型脱毛症(AGA)と血流及びストレスの関連性について発表

薄毛・はげの原因③生活習慣の問題

髪の毛を成長させるためにはタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が必要です。極度のダイエットや食生活の乱れによって、髪の毛に必要な栄養素が不足することがあります。

また、睡眠中に髪の毛のダメージを回復させているので、睡眠が不足すると髪の毛のダメージが残ります。そのため、髪の毛の健康を保つために栄養バランスが取れた食事と適切な睡眠を取ることが重要です。

参考:
・「男性型脱毛症」(AGA)の原因は血流不足やストレス? 近畿大学などが解明|日本医療・健康情報研究所/創新社

薄毛・はげの原因④間違ったヘアケア

間違ったヘアケアを続けていると、髪や頭皮に負担をかけて薄毛・はげになる可能性があります。
例えば、シャワーを浴びた後にドライヤーで乾かさず、自然乾燥させる方は多いでしょう。しかし、濡れている髪はダメージを受けやすいうえ、頭皮が濡れていると雑菌が繁殖して炎症を起こすことがあります。

髭や体毛が濃い男性がすべき薄毛・はげ対策

頭皮の状態を気にする男性

髭が濃い男性や体毛が濃い男性に向けた、特別な薄毛・はげ対策法はありません。髭や体毛がどれくらい濃いかは関係なく、栄養バランスの良い食事を心がけたり、ヘアケアを見直したりすることが大切です。髪や頭皮に負担をかけていないか、生活習慣を見直して対策しましょう。
ただ、AGAの発症には遺伝的な要因が深く関わっています。AGAは進行性の脱毛症で放置すると手遅れになる可能性もあるので、症状に気づいたらクリニックに相談することをおすすめします。

薄毛・はげ対策の具体的な方法は、以下の記事で詳しくお伝えしています。ぜひ参考にしてください。

【薄毛・はげ対策】薄毛を自分で治す方法5選!AGA治療は必要?

ジヒドロテストステロンの生成を食い止めるためのAGA治療薬

薄毛を調べるイメージ

髭や体毛が薄くても薄毛になる可能性はあるため、生活習慣の改善などの対策をする必要がありますが、それでも薄毛になるケースはあります。
そのような薄毛に悩んだ場合は、薄毛治療薬を使用する選択肢があります。男性型脱毛症の治療薬の中には、ジヒドロテストステロンの合成を阻害するものも存在します。

AGA治療薬①プロペシア(フィナステリド)

プロペシアは2005年に発売された男性型脱毛症の治療薬です。Ⅱ型5α-還元酵素を阻害することでジヒドロテストステロンの合成を阻害して脱毛の進行を抑えます。
飲み薬であるため1日1回経口投与となっています。

プロペシアの効果や副作用については、以下の記事で詳しくお伝えしています。併せてお読みください。

参考:
・プロペシア錠添付文書

プロペシアの効果や副作用は?使用方法や注意点を知ってAGAを正しく対策

AGA治療薬②ザガーロ(デュタステリド)

ザガーロは、プロペシアよりも後の2015年に発売された男性型脱毛症の治療薬です。プロペシアとは異なり、Ⅱ型5α-還元酵素だけでなくⅠ型5α-還元酵素も阻害するため、効果を発揮する頭皮の範囲も異なります。
プロペシアと同様に飲み薬であるため1日1回経口投与となっています。

以下の記事では、ザガーロがどのようなAGA治療薬なのか解説しています。ぜひ参考にしてください。

ザガーロ(デュタステリド)とはどんな薬?やめとけ・やばいと言われる理由も解説!

参考:
・ザガーロカプセル│グラクソ・スミスクライン株式会社

薄毛にお悩みの方はウィルAGAクリニックにご相談ください

男性型脱毛症(AGA)と髭・体毛の濃さの関係について解説しました。
髭が濃い男性や体毛が濃い男性は、テストステロンが多い可能性があります。しかし、AGAの原因はジヒドロテストステロンという男性ホルモンです。髭や体毛が濃い男性でも、AGAの発症に特別おびえる必要はないのでご安心ください。

薄毛・はげは、遺伝的な要因や生活習慣の問題によって引き起こされます。症状にお悩みの場合は、当院にご相談ください。
ウィルAGAクリニックは、薄毛・AGA治療に特化したクリニックです。医学的根拠に基づいた独自の治療法により、高い発毛実感率を実現しております。薄毛を本気で治したい方は、ウィルAGAクリニック発毛専門医にお任せください。

【よくある質問】

髭や体毛が濃い男性は薄毛になりやすいって本当ですか?
本当ではありません。髭や体毛が濃いことと、薄毛になりやすいことは別の話です。薄毛は遺伝的な要因が強いほか、過度なストレスや生活習慣の問題によって引き起こされます。
髭や体毛が濃い男性の薄毛・はげ対策は?
髭が濃い男性や体毛が濃い男性に対する、特別な薄毛・はげ対策法はありません。
髭や体毛の濃さに関係なく、栄養バランスの良い食事を心がけたり、ヘアケアを見直したりなど、生活習慣を見直すことが対策になります。

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