ノコギリヤシが薄毛対策に期待できる?考えられる効果を詳しく解説
薄毛が気になる人に注目されている植物に、「ノコギリヤシ」というものがあります。あまりなじみがない名前ですが、海外では医薬品として使われています。薄毛対策に期待できる効果を、詳しく見ていきましょう。
目次
ノコギリヤシとはどのような植物なのか?
ノコギリヤシとは、ヤシ科に属する植物のひとつであり、アメリカ南東部を原産地としています。海外では、「ソーパルメット」もしくは「サバル」と呼ばれ、健康に良いとされる有効成分をたっぷり含んでいます。実の大きさは、オリーブ果実と同じぐらいです。
ノコギリヤシの名前の由来は葉っぱの形であり、ギザギザとしていてノコギリのように見えることからつけられたとされています。葉っぱの大きさは最大1m程度、木の大きさは最大2mから3m程度まで成長します。先住民の時代から、主に男性の滋養強壮に効果がある植物として愛用されてきた、メディカルハーブの一種です。
ノコギリヤシに多く含まれる有効成分として、β-シトステロールや脂肪酸(オレイン酸・ラウリン酸など)、フィトステロールなどがあげられます。β-シトステロールは植物ステロールのひとつであり、摂取し過ぎても健康に悪影響をおよぼすことはありません。さらに、コレステロール値を下げる効果があり、ヨーロッパ諸国(イギリス・ドイツ・フランス・ハンガリー・スウェーデンなど)では前立腺肥大の改善を目的とした医薬品として承認されているのです。
日本には、ノコギリヤシの効能について医学的効果が立証できるデータがありません。このため、医薬品としては使用されませんが、サプリメントの原料として使用されています。
ノコギリヤシで期待されている効能とは?
ノコギリヤシの効能により、次のような効果が期待されています。
薄毛の改善
ノコギリヤシが、なぜ薄毛の改善につながるのか、順を追って説明しましょう。
頭皮にある5αリダクターゼ(還元酵素)が、男性ホルモンのひとつであるテストステロンと結合すると、ジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンが生まれます。これは、AGAをはじめとする薄毛のきっかけになる酵素です。
ジヒドロテストステロンは、アンドロゲンレセプター(毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体)と結合することで、脱毛因子(TGF-β)が生まれます。脱毛因子には、ヘアサイクルを乱す作用があるため、髪の成長が短縮されてしまい、抜け毛が増えAGAが進んでしまうのです。
ノコギリヤシに含まれるステロール・オクタコサノールという成分には、5αリダクターゼやジヒドロテストステロンの生成を抑える効果があると言われ、これが薄毛の改善につながる理由なのです。
実際に、2012年に臨床研究が行われ、24か月間にわたってノコギリヤシを服用した患者さんのうち、およそ38%に薄毛改善の効果が確認されました。
参考文献 : Comparitive effectiveness of finasteride vs Serenoa repens in male androgenetic alopecia: a two-year study
排尿障害の緩和
ノコギリヤシは、AGAのほかにも、前立腺肥大を原因とする排尿障害を緩和する可能性があるとされています。これは、成分に含まれるβ-シトステロールが、血中コレステロール値を下げる効果を持つためです。欧米諸国でも、ノコギリヤシを治療に用いるのは、前立腺肥大の改善を目的としていることが大半です。
排尿障害の緩和の例として、排尿時の不快感や頻尿が改善されたデータがあります。前立腺肥大を発症すると尿道が圧迫され尿が出にくくなりますが、この症状が改善されるためです。
明確な効果があるとの研究結果は出ていない
日本では、ノコギリヤシの実は、それほど頻繁に目にする植物ではありません。ノコギリヤシの効能についての研究は、医学的なエビデンスがまだ十分に揃っていません。このため、先ほど紹介したように、日本ではノコギリヤシが医薬品として使用される許可がおりていないのです。
効能が期待できる可能性は大変高いのですが、医薬品ではないため、明確な効果が出るかどうか不透明な部分が多いのが現状です。効果が出たら嬉しい、という程度に捉えた方が良いかもしれません。
ノコギリヤシを使ったサプリメントの副作用や偽商品に注意
現在の日本では、ノコギリヤシはサプリメントから摂取するのが主流です。サプリメントはドラッグストアや通信販売などで購入できますが、法律上での扱いは食品であり、薄毛の改善が保証できるものではありません。
さらに、ノコギリヤシの人気が高まっていることから、残念ながら偽物のノコギリヤシを使った商品も出回っているのが事実です。本物か偽物かを見分けるには、専門的な試験が必要なため、素人が見分けることは困難です。消費者が安心・安全に口にできるよう、各健康食品会社において、ノコギリヤシを使ったサプリメントを、消費者庁が定める機能性表示食品に申請する動きが始まっています。
ノコギリヤシは植物ですので、摂取しても副作用が出ることは少ないとされています。ヨーロッパ諸国では、ノコギリヤシの摂取量を1日あたり300mlほどにすることが推奨されています。症状を早く改善したいからといって、摂取量を多くすることは絶対にやめましょう。
大量に摂取することで、発症する可能性がある副作用には、頭痛・腹痛・下痢・めまい・吐き気などがあります。このため、摂取量には十分注意しましょう。
ノコギリヤシの摂取を避けた方が良い人とは
次に該当する人は、安全性の確保が難しいため、ノコギリヤシの摂取を避けましょう。
AGA治療薬を服用している…AGA治療薬とノコギリヤシには、同じ作用を持つ成分が含まれています。どちらも有効性や安全性を基に成分の配合量が計算されていますが、両方を同時に摂取すると、結果として過剰摂取になってしまいます。併用を考えている場合は、自己判断は禁物ですので、事前に医師への相談が必須です。
抗血液凝固薬・抗血小板薬を服用している…血流を良くするため、ノコギリヤシには血液をさらさらにする効果を持っています。これらの薬と併用すると、相互作用が起こり止血しづらくなることがあります。
女性や子供…ノコギリヤシの臨床実験は、成人男性を対象とした内容を中心に行われています。女性や子供に対する有効性や安全性はほとんど分かっていないうえ、ホルモン分泌に影響をおよぼす恐れがあるため、積極的な摂取は避けたいものです。女性に対しては、ノコギリヤシがホルモンに影響をおよぼし、子供に対しては成長過程にあるホルモン分泌に異常が起こることも考えられます。
薄毛対策にはノコギリヤシよりも病院での治療が近道
薄毛対策を目的として、ノコギリヤシを使ったサプリメントを摂取しても、医薬品ではないため効果には限界があります。より本格的に薄毛治療を検討される場合は、服薬などの専門治療が受けられる病院で治療することが、改善への近道です。
ウィルAGAクリニックは、新宿院をはじめとして全国に9つのクリニックを構えております。発毛効果が期待できると定評の「ウィルオリジナル発毛治療」を行っており、これまでに3万人を超える患者様のお悩みを解決してまいりました。
治療メニューのご希望は、患者様それぞれで異なるため、問診・無料頭皮診断・無料カウンセリングを通じて、ご希望に合った治療メニューをご提案いたします。無理にお勧めすることがなく、内容にご納得いただいてからの治療開始ですので、安心してカウンセリングにお越しいただけます。
お気軽にご来院いただけるよう、完全予約制とさせていただいております。ご希望のお日にちをお申し出いただき、お電話・メール・LINEでカウンセリングのご予約をお願い申し上げます。