PFC毛髪療法にはどのような特徴がある? 再生治療の流れも解説
PFC毛髪療法は薄毛の改善が期待されている再生治療です。患者さんオリジナルの注入剤により、毛母細胞を活性化させて再生をうながします。
最新の再生治療のため、どのような治療なのか分からない方が多いでしょう。そこで今回はPFC毛髪療法について、下記を中心に解説していきます。
- PFC毛髪療法とは?
- PFC毛髪療法の特徴
- PFC毛髪療法の流れ
治療期間や費用の目安もあわせて紹介します。最新の再生治療が気になる方、抜け毛や薄毛が気になる方は参考にしてください。
1.PFC毛髪療法とは? 成長因子で発毛をうながす再生治療
PFC毛髪療法とは、患者さんの血液より抽出した成長因子を頭皮に注入する再生治療のことです。
髪の毛には下記のヘアサイクルがあります。
期間 | 特徴 |
成長期 | 髪の毛が成長する期間(約2~6年) |
退行期 | 髪の毛の成長が緩やかになる期間(2~3週間) |
休止期 | 髪の毛の成長が止まり、抜ける準備をする期間(数か月) |
成長期→退行期→休止期の繰り返しにより、髪の毛の生まれ変わりが進みます。それぞれの髪の毛でヘアサイクルの時期が異なるため、髪の毛の全体量は維持されるのが基本です。
しかし、ヘアサイクルが乱れると成長期が短くなります。髪の毛が太く長く成長する前に休止期に入り、抜けてしまうのがヘアサイクルの乱れです。
PFC毛髪療法では成長因子による毛母細胞の活性化が期待できます。乱れたヘアサイクルを正常化し、発毛をうながすのがPFC毛髪療法です。
2.4つの特徴を持つPFC毛髪療法
PFC毛髪療法には下記の特徴があります。
- 高い効果が期待できる
- さまざまな脱毛症に適応する
- 副作用リスクやアレルギーリスクが少ない
- 注入時の痛みが少ない
上記4つの特徴を詳しく説明していきましょう。
2-1.高い効果が期待できる
PFC毛髪療法では高濃度に濃縮した成長因子を頭皮に注入しています。高濃度の成長因子が毛母細胞にダイレクトに働きかけるため、高い効果が期待できる再生治療です。
下記のように注入する成長因子によって期待できる作用が異なります。
成長因子 | 主な作用 |
PDGF |
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FGF |
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EGF |
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VEGF | 血管内皮細胞の増殖・新生 |
TGF-β |
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PDGFは主に血液が固まるときに血小板から放出される血小板由来増殖因子です。マウスによる結果となりますが、PDGFはヘアサイクルの促進に役立つ成長因子と分かりました。
PFC毛髪療法で抽出されるPDGFは、同量の血液から作成したPRPの2倍以上とされています。
また、FGFはコラーゲン産生・ヒアルロン酸産生に役立つ線維芽細胞増殖因子です。コラーゲンやヒアルロン酸は、肌のしわ改善に役立ちます。そのため、pfc療法はアンチエイジング(若返り)にも期待されている再生治療です。
参考:https://www.med.keio.ac.jp/gcoe-stemcell/treatise/2011/20111014_01.html
2-2.さまざまな脱毛症に適応する
PFC毛髪療法は男性の脱毛症はもちろんのこと、女性の脱毛症にも適応します。PFC毛髪療法が適応する主な脱毛症は下記のとおりです。
- AGA(男性型脱毛症)
- びまん性脱毛症
- FAGA(女性男性型脱毛症)
- 分娩後脱毛症
- 牽引性脱毛症
- 脂漏性皮膚炎をともなう脱毛症
- 粃糠性脱毛症
- 円形脱毛症など
PFC毛髪療法が適応する脱毛症は1つではありません。
2-3.副作用リスクやアレルギーリスクが少ない
私たち人には異物(ウイルスや細菌など)から守る免疫があります。身体に害のある異物を排除するのが免疫の働きです。しかし、免疫が過剰になると身体に害のない物質であってもアレルギー反応を起こす場合があります。
PFC毛髪療法で注入する成長因子は患者さん本人の血液由来です。さらに無菌検査済みのため、異物によるアレルギーリスクは少ないです。
また、PFC毛髪療法では無添加で作った注入剤を用いています。そのため、添加物による副作用リスクは心配ありません。
アレルギーリスクや副作用リスクが心配な方であっても、再生治療をはじめやすいでしょう。
2-4.注入時の痛みが少ない
PFC毛髪療法では極細針で頭皮に注入しています。そのため、注入時の痛みは少ないです。注射が苦手な方でも、再生治療をはじめやすいでしょう。
ただし、注入後に腫れや内出血などの症状が出る場合があります。腫れや内出血が出ても自然に治まりますが、なかなか治まらないときは医師に診てもらってください。
3.【治療前から治療当日まで】PFC毛髪療法の流れ
PFC毛髪療法の流れは下記のとおりです。
1.予約
2.問診
3.頭皮診断
4.カウンセリング
5.血液の採血
6.注入剤の作成
7.頭皮へ注入
3-1.予約からカウンセリングまで(治療前)
医療機関によっては完全予約制です。そのため、来院する前に医療機関へ予約を入れてください。
予約した日時に来院し、問診を受けます。問診票の必要事項に記入し、提出してください。
次に専門医による頭皮診断が行われます。現在の症状や期待できる効果など、専門医による説明をよく聞いてください。
カウンセリングでは患者さんが抱える悩みごとや不安ごとを解消していきます。PFC毛髪療法について、分からない点はカウンセリング時に質問してください。
医師による説明に納得できたら、PFC毛髪療法のスタートです。説明に納得できないときは、カウンセリングの時点でストップしてかまいません。
3-2.血液の採血から注入剤の作成まで(治療スタート)
患者さんから50-60ccの血液を採血し、オリジナルの注入剤を作ります。感染症検査や無菌検査を行っているため、注入剤の安全性は高いです。
フリーズドライ加工を行っており、常温でも6か月保存できます。バーコードで管理しているため、他の患者さんの注入剤と取り違える心配はありません。
3-3.頭皮へ注入(治療当日)
患者さんオリジナルの注入剤が完成したら頭皮へ注入します。医療機関によっては痛みを和らげる麻酔クリームの希望が可能です。
注入後に気になる症状が出たときは、医師に診てもらってください。
3-4.PFC毛髪療法の治療期間
PFC毛髪療法では同じ部位の場合、1か月ごとに追加注入していきます。組織修復が起こるまでの期間は1週間~6か月ほどが目安です。ただし、効果や持続期間には個人差があります。
オリジナルの注入剤は採血1回で1セット・6本作成できます。6本すべて注入してもらいたいときは、6か月の保存期間までに来院してください。
3-5.PFC毛髪療法の費用はどのくらい?
PFC毛髪療法の費用は9万円~12万円/回ほどが目安です。保険は使えませんので、PFC毛髪療法の費用は全額自己負担となります。
医療機関によって費用が異なるため、気になるときはカウンセリング時に質問してください。
3-6.PFC毛髪療法で初期脱毛は起きる?
患者さんによってはPFC毛髪療法を受けると初期脱毛が起きる場合があります。新しい髪の毛の成長により、古い髪の毛が押し出されるように抜けていくのが初期脱毛です。
治療の効果により、休止期から成長期に入る髪の毛が増えると初期脱毛が起こります。初期脱毛は2週間から1か月ほどが目安です。
初期脱毛が起きても一時的なため心配ありません。もし、1か月以上すぎても初期脱毛が治まらないときは医師に診てもらってください。
3-7.PFC毛髪療法が受けられない方
下記に当てはまる方は、PFC毛髪療法が受けられません。
- 外傷性または持病で脱毛している方
- 自己免疫疾患がある方
- 血液疾患がある方
- アレルギー体質の方
- 妊娠中または妊娠の可能性がある女性の方
PFC毛髪療法が受けられるかどうか、分からない方は医師に事前相談してください。