角栓は顔だけでなく頭皮にもできる!原因と対策を知って対処しよう
角栓と言うと、顔の小鼻周辺にできやすいというイメージがあるかも知れません。しかし、角栓は皮脂の塊であり、頭皮の毛穴にもできるのです。頭皮に角栓ができると、どのような影響を及ぼすのでしょうか。また、どのようにケアすると良いのでしょうか。今回は、頭皮に角栓ができる原因と対策を見ていきましょう。
目次
なぜ頭皮に角栓ができるのか?
頭皮に角栓ができるのには、皮脂腺の数が関係しています。最初に、角栓ができる原因について解説します。
頭皮は皮脂腺の数が全身で最も多い
皮脂の分泌量が多い箇所と言うと、顔のTゾーンを想像する方が多いかと思います。しかし、最も分泌量が多く、皮脂腺が全身で最も多いのは頭皮なのです。頭皮の皮脂腺の数は、顔のTゾーンのおよそ2倍と言われています。
頭皮にある毛穴の特徴として、サイズが大きく数が多いことが挙げられます。頭皮の毛穴の数はおよそ4万個と言われ、健康な毛穴から複数の髪の毛が生えてきます。
皮脂の過剰分泌が起こると角栓ができやすくなる
頭皮にできる角栓は、皮脂や角質などが毛穴に詰まり、混ざり合ったものです。毛穴にある皮脂腺から分泌された皮脂と、剥がれ落ちた角質が混ざり合って、角栓を形成します。そのため、皮脂が過剰に分泌されると角栓ができやすくなるのです。角栓のうち、7割がタンパク質で、3割が皮脂で構成されています。
皮脂の過剰分泌が起こる原因として、脂の多い食生活・野菜や果物の摂取量が少ない食生活・間違ったシャンプー・過度なストレスなどが挙げられます。この中で、ストレスが皮脂の過剰分泌に繋がるのは、過剰なストレスがかかると、ステルスホルモンのひとつであるコルチゾールの分泌量が増えることで、男性ホルモンのひとつであるアンドロゲンの分泌量が増えるためです。アンドロゲンは皮脂分泌に関わっているため、過剰分泌を引き起こします。
頭皮に角栓ができるとどうなるのか?
頭皮に角栓ができると、次のような症状が起きやすくなりますので、注意が必要です。
頭皮から臭いが発生する
角栓そのものには臭いがありませんが、角質の成分であるタンパク質が酸化してしまうと、臭いの原因になりやすいのです。臭いのタイプによって、原因が分かれます。
酸っぱい臭い…皮脂をエサとしている雑菌が分解したことで発生する
脂っぽい臭い…雑菌により分解された皮脂が酸化することで発生する
腐ったような臭い…角質が酸化することで発生する
角栓が多いほど、これらの臭いも強くなります。周囲の人も臭いに気づくことが多く、影響を与える可能性もあるでしょう。
髪の毛がべたついてしまう
角栓が増えると、頭皮細胞の入れ替わりがうまくできなくなります。そのため、頭皮から発生する皮脂が髪の毛についてしまい、髪の毛がべたついてしまうようになります。手で触った時にベタベタすると感じたり、見た目のボリュームも減ったりしてしまうのです。
ニキビができやすくなる
ニキビは皮脂が毛穴に詰まるために起こる症状であるため、顔や背中だけでなく、頭皮にも発生します。頭皮が痒かったり、ヘアブラシが当たって痛みを感じたりすると、頭皮にニキビができている可能性が高いです。
髪の毛が伸びにくくなる
角栓ができているということは、毛穴の詰まりを意味します。毛穴が詰まると、頭皮環境の悪化により髪の毛の成長が妨げられるため、髪の毛が伸びにくくなります。最も髪の毛が伸びる成長期でも、髪の毛が十分成長できず、細くて弱い髪の毛が増えてしまうのです。
皮膚炎や抜け毛を引き起こすリスクが高まる
角栓の発生により頭皮環境が悪化すると、皮膚炎や抜け毛のリスクが高まります。特に可能性があるのが脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)であり、炎症の他に大きいフケや痒みなどが見られたら要注意です。脂漏性皮膚炎の原因と考えられているマラセチア属真菌は、人間の皮膚にある皮脂をエサとしているため、頭皮に繁殖しやすいのです。脂漏性皮膚炎の発症に気づいた時には、すでに慢性化している場合もあり、自然治癒は見込めません。
脂漏性皮膚炎の症状が出ている方は、抜け毛にも注意しなくてはいけません。抜け毛の原因は、皮膚炎と同様で頭皮環境の悪化です。これらの症状を改善するためには、医療機関での相談および治療を受けるのが確実です。
頭皮に角栓ができるのを予防するためにはどうしたらいいのか?
頭皮に角栓ができたら、そのまま放置しておくことは避けましょう。角栓を除去し、角栓の発生を予防するためには、原因に合わせた方法で対処することが大切です。それぞれの方法を見てみましょう。
正しくシャンプーする
間違ったシャンプーの方法で、皮脂が頭皮に残っていた場合は、正しいシャンプー方法を身につけましょう。髪の毛にシャンプーをつける前に、お湯で汚れを洗い流すことが大切です。シャンプーを手のひらにとって泡立てたら、指の腹で頭皮を優しく洗い、髪の毛は指で撫でるようにして優しく洗いましょう。爪を立てて頭皮を洗うと、頭皮が傷ついてしまいます。しっかりすすいだのち、乾いたタオルで水分をよく拭き取ってからドライヤーで乾かします。
栄養バランスの取れた食事を心がける
脂の多い食生活を送っている場合は、栄養バランスの良い食事を摂るように心がけましょう。バランスの取りやすい組み合わせは、主食(炭水化物)・主菜(タンパク質)・副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維など)・汁物(減塩した味噌汁)のセットです。食材が偏ることのないよう、幅広い食材を取り入れるようにしましょう。
生活習慣を見直す
生活習慣の悪化による血行不良で角栓ができてしまった場合は、生活習慣の見直しを検討しましょう。定期的な運動習慣を身につけたり、睡眠時間を確保したりすることが大切です。また、飲酒量を減らし、禁煙する努力も行ってみましょう。
ストレスを発散する
ストレスにより交感神経が優位になることで血管が収縮し、血行不良を招きます。ストレス発散をするには、ウォーキングなどの有酸素運動や趣味の時間の確保、睡眠や食事などで気分転換をするなどの方法があります。自分が楽しめない方法では、かえってストレスが溜まりますので、自分が楽しいと思える方法を見つけましょう。
頭皮クレンジングを行う
自分でシャンプーを行っても、角栓が落ちにくい場合があります。その場合は、頭皮クレンジングを試してみましょう。ブラッシングをしてから専用のオイルやローションなどを使い、頭皮全体のクレンジングを行います。週に1回程度のクレンジングで、角栓が落ちる効果が期待できます。ただし、早く角栓を落としたいからと言って週に1回以上行うと、保湿に必要な皮脂まで落としてしまうことで、乾燥防止のためにかえって皮脂がたくさん分泌される恐れがあります。頭皮の乾燥はフケや抜け毛の要因となりますので、やり過ぎに気をつけましょう。
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