ミノキシジルで体毛が濃くなる「多毛症」の症状や発症確率について

公開日 / 2024.12.31 更新日 / 2024.11.22

「ミノキシジルの多毛症について知りたい!」
「ミノキシジルを服用したいけど、多毛症に対策はあるの?」

ミノキシジルの副作用には、体毛が増える「多毛症」という症状があります。ミノキシジルの発毛作用によって起こるものですが、見た目が気になる場合は服用前に対策方法を知っておくと良いでしょう。
この記事では、多毛症の症状や確率、対策方法をお伝えしていきます。ミノキシジルの服用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ミノキシジルってどんな薬?

ミノキシジルってどんな薬?

まずは、ミノキシジルとはどのような薬なのか簡単にお伝えします。
ミノキシジルとは、発毛を促進する効果のある成分です。もともとは高血圧の治療薬として開発されていましたが、降圧薬臨床試験で副作用として多毛がみられたことから、偶然発毛効果が発見されました。
AGA治療薬として広く使われていて、内服薬と外用薬があります。

参考:
・ミノキシジルの発毛作用について|小友 進

ミノキシジルの効果

ミノキシジルには、血管を拡張する作用があります。血流が改善されるため、髪の毛根部分に必要な栄養や酸素が届きやすくなります。また、毛包の成長に関わるIGFやVEGF、HGFなどの成長因子を増やす作用もあります。
このように、ミノキシジルは血流を良くしながら成長因子を増やして細胞代謝を促進することで、発毛を促します。

ミノキシジルのメリット

ミノキシジルのメリットは、発毛を促進できる点です。
ミノキシジルのほかに、AGA治療薬の成分として使われるのはフィナステリドとデュタステリドです。5αリダクターゼの働きを阻害することで薄毛・抜け毛を予防できるため、「守りの薬」と呼ばれています。

ただ、フィナステリドもしくはデュタステリドだけを服用する場合、AGAの進行を食い止めることは可能ですが、発毛自体は実感しにくいといえます。
そのため、「現状維持だけではなくてしっかりと毛量をアップさせたい」という方は、発毛促進効果のある「攻めの薬」のミノキシジルの併用が向いているでしょう。

また、性別に関係なく使える点もミノキシジルの大きなメリットです。
フィナステリドとデュタステリドは、女性の服用が禁じられています。閉経後の女性に対する薄毛改善効果が認められなかったうえ、妊娠している場合はお腹の中の胎児に悪影響が出てしまうおそれがあるからです。皮膚から成分が吸収されることから、触れることすら危険だとされています。
一方、ミノキシジルは女性でも問題なく服用できる成分です。女性の薄毛治療に対しても一般的な薬で、充分な効果が認められています。

ミノキシジルの副作用には「多毛症」がある

ミノキシジルの副作用には「多毛症」がある

ミノキシジルを服用していると、「多毛症」と呼ばれる副作用が起きる可能性があります。
多毛症は、名前の通り体毛の量が増える症状です。ミノキシジルなどの特定の薬を服用するほか、低栄養状態になったり何度も皮膚が傷ついたりすることでも起きます。
ミノキシジルの服用による多毛症は健康上問題ありませんが、髭や腕毛が濃くなるなど、ムダ毛が増えるため見た目が気になってしまう方もいます。

ミノキシジルを服用すると多毛症になるのは、成分自体に発毛作用があるからです。
ミノキシジルは、血流を良くしたり成長因子を増やしたりする作用から、発毛を促進する効果があります。この作用は髪の毛に限ったことではなく、体毛にも影響を及ぼす可能性があります。

そもそもミノキシジルは、高血圧の治療薬として開発されていた際に副作用として多毛がみられたことをきっかけに、発毛薬として使われるようになったという経緯があります。服用すると多毛症になる可能性があるのは、当然のことだと言えるでしょう。

参考:
多毛 – 多毛 – MSDマニュアル家庭版|Wendy S. Levinbook

ミノキシジルの服用で多毛症になる確率は?

では、ミノキシジルの服用で多毛症になる人はどれくらいの割合なのでしょうか?
参考として、脱毛症患者を対象にした論文「Safety of low-dose oral minoxidil for hair loss: A multicenter study of 1404 patients(脱毛症に対する低用量経口ミノキシジルの安全性:1404人の患者を対象とした多施設共同研究)」をご紹介します。
こちらの研究では、1404人の脱毛症患者に対して、低用量のミノキシジル内服薬の服用を最低3ヶ月続けました。最も頻度の高い副作用は多毛症で、患者の15.1%に認められたそうです。
生命を脅かす副作用はなく、安全性は良好だと判断されました。

ミノキシジル内服薬を服用した100人のうち15人が多毛症になるおそれがあると考えると、発現率は低いとはいえないかもしれません。
健康上問題はありませんが、見た目が気になる方は事前に対処法を知っておくと良いでしょう。

参考:
Safety of low-dose oral minoxidil for hair loss: A multicenter study of 1404 patients – PubMed

男女の違い

次に、ミノキシジルによる多毛症の発現率は男女で違うのか、という点を確認していきましょう。
「Minoxidil Use in Dermatology, Side Effects and Recent Patents(皮膚科におけるミノキシジルの使用、副作用、最近の特許)」という論文によると、ミノキシジル外用薬5%を使用した女性の9%と男性の1%に多毛症がみられました。顔、上腕、下腕の広範囲にわたって現れたそうです。
多毛症の症状はミノキシジルを中止してから4〜5ヶ月後に解消したものの、女性に多くみられた原因は不明とのことです。

参考:
Minoxidil Use in Dermatology, Side Effects and Recent Patents

外用薬と内服薬の違い

次に、ミノキシジル外用薬と内服薬で多毛症になる確率は違うのか、という点です。
ミノキシジル外用薬は患部に塗りますが、ミノキシジル内服薬は体内に取り込むため全身に作用します。そのため、多毛症になりやすいのはミノキシジル内服薬だといえます。

実際、先ほどご紹介した論文を比較しても、多毛症の発現率はミノキシジル内服薬だと15.1%、ミノキシジル外用薬だと女性9%・男性1%です。
治療の条件や副作用の確認の仕方などが異なると考えられるのであくまで参考程度ではありますが、ミノキシジル内服薬の方が多毛症を起こしやすいといえるでしょう。

多毛症以外の副作用について

ミノキシジルは、多毛症以外の副作用もみられます。発現率は低いとされていますが、どのような副作用があるのか服用前に確認しておきましょう。
例えば、血圧を下げる働きがあることから立ちくらみやめまいを起こす方もいます。また、動悸・息切れ、むくみにつながるケースがあります。

初期脱毛を心配される方もいますが、副作用とは呼べないのでご安心ください。初期脱毛はヘアサイクルの改善によって起こる一時的な現象で、2~3ヶ月後に抜ける予定の毛がまとめて抜けます。
ヘアサイクルが正常に戻っている証拠であり、通常は時間とともに脱毛が収まります。初期脱毛が起こっても慌てないようにしましょう。

ミノキシジルの詳しい副作用については、以下の記事をご参照ください。

ミノキシジルの副作用や注意点は?内服薬と外用薬で分かりやすく解説!

ミノキシジルの多毛症はどうやって対策すれば良い?

ミノキシジルの多毛症はどうやって対策すれば良い?

ミノキシジルの多毛症は健康上問題ありませんが、見た目が気になってしまう方もいるかと思います。
多毛症の対策方法は、以下の3点です。

  • 脱毛サロンや医療脱毛を検討する
  • 外用薬の場合は患部以外に触れないようにする
  • ほかの治療法に切り替える

ミノキシジルによる多毛症の対策①脱毛サロンや医療脱毛を検討する

脱毛サロンや医療脱毛に通えば、ムダ毛が気になる部位を脱毛しながらミノキシジルの服用で髪の毛の成長をサポートすることができます。
脱毛サロンと医療脱毛ではメリットデメリットが異なるため、自分に合った方を選びましょう。

脱毛サロンでは、主に光脱毛器を使用します。メラニン色素に反応する光を照射することで毛根にダメージを与え、ムダ毛を目立たなくします。
一方医療脱毛は医療行為に当たり、レーザー治療で毛根周辺の組織自体を破壊します。脱毛サロンと比べると脱毛効果が高いですが、その分痛みを感じやすいです。痛みを抑えやすい脱毛器を使っていたり、麻酔クリームや笑気麻酔に対応していたりするクリニックを選ぶことで、痛みに対処できるでしょう。

ミノキシジルによる多毛症の対策②外用薬の場合は患部以外に触れないようにする

ミノキシジル外用薬を服用している場合は、取り扱いに注意しましょう。
薬が患部以外に触れると、その部分にミノキシジルが作用して体毛が濃くなってしまう可能性があります。頭皮に塗布する際は、液だれして顔などに付着しないように気をつけて使ってください。
また、ミノキシジル外用薬を手で塗り拡げたあとは、手洗いすることも大切です。ミノキシジルが付着した手で、無意識のうちに体に触れてしまうおそれがあります。

ミノキシジルによる多毛症の対策③ほかの治療法に切り替える

ミノキシジル以外の治療法に切り替えるというのも、一つの手です。ミノキシジルの服用を中止することで発毛促進効果はなくなってしまいますが、多毛症の症状も少しずつ改善されていくでしょう。
ほかの治療法の例として、フィナステリド・デュタステリド、育毛メソセラピーをご紹介します。AGA治療法の種類については以下の記事でも解説しているので、併せてお読みください。

AGA(男性型脱毛症)治療・薄毛治療は何をする?8つの治療法を解説!

フィナステリド・デュタステリド

フィナステリドとデュタステリドは、どちらも5αリダクターゼの働きを阻害する作用のある成分です。AGAによる薄毛・抜け毛の症状を予防する効果があります。

フィナステリドとデュタステリドの違いについては、以下の記事で解説しています。併せて参考にしてください。

フィナステリドとデュタステリドの違いとは?効果や副作用を分かりやすく解説!

育毛メソセラピー

育毛メソセラピーとは、成長因子などの発毛・育毛の効果が期待できる成分を頭皮に注入する治療法です。薄毛が気になる部位に対して、有効成分を直接浸透させることができます。
どのような有効成分を使っているかはクリニックによって違い、当院の場合は幹細胞培養上清液から抽出した「数百種類以上もの高濃度成長因子」や「エクソソーム」を含んだオリジナルカクテルを採用しております。
詳しくは、以下の記事をご参照ください。

<毛髪再生メソセラピー「最新LHDV頭皮注入治療」>

ミノキシジルの多毛症が気になる場合はAGAクリニックに相談しよう

ミノキシジルの多毛症について解説しました。
多毛症は体毛の量が増える症状です。ミノキシジルを服用すると、発毛促進作用によって多毛症になることがあります。
見た目が気になる場合は、フィナステリドや育毛メソセラピーなどの治療法に切り替えるという対処法もあります。自己判断で服用を中止するのは避け、AGAクリニックにご相談ください。

<ウィルAGAクリニックのAGA・薄毛治療施術メニューについてはこちら>

【よくある質問】

ミノキシジルの副作用にある「多毛症」とは何ですか?
多毛症は、体毛の量が増える症状です。ミノキシジルには発毛を促進する作用があるため、服用によって多毛症になることがあります。
ミノキシジルによる多毛症は対策できますか?

ミノキシジルによる多毛症は対策できます。具体的には、以下のような対策方法があります。
確実にAGA(男性型脱毛症)を見分けたい方は専門のクリニックに相談しましょう。

・脱毛サロンや医療脱毛を検討する
・外用薬の場合は患部以外に触れないようにする
・ほかの治療法に切り替える

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