筋トレはハゲるって本当?筋トレと薄毛の関係について解説
「筋トレをするとハゲる」という噂をインターネット上などで見かけます。筋トレには、筋肉量の増加や血行の改善などの効果があり、ダイエットや健康維持などたくさんのメリットがあります。筋肉を鍛えて理想のボディを目指したいけど、薄毛が進行するのは避けたい……とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、筋トレと薄毛の関係について医学的な視点から徹底的に解説。安心して筋トレをするために、ぜひ参考にしてください。
目次
1.筋トレで薄毛になることはある?
筋トレで薄毛になることは本当にあるのでしょうか?実は、筋トレが薄毛の直接的な原因になるというエビデンスはありません。
ただし、成人男性に多く見られる薄毛である「AGA」を悪化させる可能性は、ゼロではありません。詳しく解説します。
(1)そもそもAGAの原因って
筋トレとAGAの関係を解説する前に、AGAの原因を解説します。
AGAの原因は、男性ホルモンです。男性ホルモンの一種である「テストステロン」と「5αリダクターゼ」と呼ばれる酵素が結びつき、活性型ホルモンである「DHT(ジヒドロテストロン)」に変化します。
DHTが、発毛や育毛に関する司令を出す「毛乳頭細胞」にある「男性ホルモン受容体」と結びつくと、脱毛シグナルが出され、毛の生成や着色をおこなう「毛母細胞」の細胞分裂を抑制してしまいます。
本来、髪の成長サイクルは、毛が成長する「成長期」、毛の成長が止まる「退行期」、毛の成長が完全に止まった「休止期」の3つの時期で構成されています。
脱毛シグナルが出されると成長期が短くなり、髪が成長しきらないまま抜け落ち、薄毛となります。
(2)筋トレはAGAの直接的な原因ではない。問題はDHTの増加
「筋トレをするとハゲる」という噂の理由は、テストステロンです。テストステロンは、5αリダクターゼと結びつくと、DHTに変換され、AGAの原因となりますが、実は男性にとって非常に大切なホルモンです。
テストステロンは、筋肉や骨格を形成し、記憶力をサポートする働きがあります。筋トレをして筋肉が刺激されると、ホルモン分泌が活発化。ホルモン分泌が活発になると、血液中のテストステロンの量が増加します。
テストステロンは筋肉量を増やす働きがあるため、筋トレの観点から見ると、分泌量の増加はメリットがあります。しかし、AGA予防の観点から見るとデメリットとなります。
テストステロンの量が多いほど、AGAを引き起こすDHTが生成されるリスクが高くなります。しかし、テストステロンが多いからといって必ずしもAGAになったり、薄毛が進行したりするわけではありません。
テストステロンが多くても、5αリダクターゼの分泌量が少ないと、DHTに変換されにくいといえます。また、テストステロンの増加により、DHTが増えても、男性ホルモン受容体の感度が低ければ、脱毛シグナルが出にくく、AGAリスクは低めです。
たしかに筋トレによってテストステロンは増加しますが、直接DHTの量を増やしAGAを悪化させる作用や、5αリダクターゼの分泌量を増やす作用はありません。
AGAの発症には、5αリダクターゼの分泌量や男性ホルモン受容体の感度など、さまざまな体質や遺伝的要因が絡み合っています。
AGAの予防や治療をするためには、それらの要素を総合的に判断する必要があります。
2.プロテインの副作用で抜け毛が増える?
筋トレでの身体づくりをサポートしてくれる「プロテイン」。ですが「プロテインの副作用で抜け毛が増える」と聞いたことのある方もいるのではないでしょうか?
抜け毛のプロテインの関係を、詳しくご紹介します。
(1)プロテインと抜け毛の関係
プロテインとは、英語で筋肉や皮膚、髪などの材料となるたんぱく質を意味します。しかし、日本でプロテインというと、一般的にはたんぱく質が主成分のサプリメントを指します。
プロテインには、たんぱく質の他に、ビタミンや必須アミノ酸などの栄養素が配合されたものも多数。筋トレによるボディメイクやダイエットなど、幅広く活用されています。
含まれている成分から考えると、プロテインの使用により抜け毛が増える科学的根拠はありません。
また、髪の主な材料である「ケラチン」はたんぱく質でできています。そのため、プロテインなどで適量のたんぱく質を補給することで、育毛をサポートしてくれます。
プロテインは抜け毛を促進するどころか、適量であればむしろ髪にとってプラスになります。
プロテインにはいくつか種類がありますが、薄毛が気になる場合には「ソイプロテイン」がおすすめです。ソイプロテインは、女性ホルモンである「エストロゲン」と同じような働きをする「大豆イソフラボン」を含んでいます。
大豆イソフラボンは、AGAの原因となる男性ホルモンをおさえる働きがあります。さらに、血液中のコレステロールを減らすなど、血流を改善する作用も。血流が改善されると、発毛や育毛に必要な栄養がいきわたり、薄毛の解消につながります。
(2)クレアチンがDHT数値を高める可能性がある
「クレアチン」は、運動時のパフォーマンスを上げる効果や筋肉量を増やす効果などが期待でき、筋トレをする人の間で人気の成分です。顆粒状のサプリメントとして販売されており、プロテインと一緒に飲む人が多いといわれています。
アミノ酸の一種であるクレアチンは体内で「クレアチンリン酸」に変換され、筋肉内にエネルギー源として蓄えられています。
クレアチンリン酸は、筋肉の収縮時にエネルギーとなる「ATP(アデノシン三リン酸)」の再生をサポート。クレアチンをとると、筋トレをはじめとする強度の高いトレーニング中に、すぐに必要なエネルギーをつくりだせます。
効率的な筋トレに役立つクレアチンですが、DHTを増加させ、AGAの発症や進行を促してしまう可能性があります。しかし、AGAはさまざまな要因が絡み合う病気なので、クレアチンを摂取したからといって、必ずしも薄毛になるわけではありません。
参考:クレアチンの効果や正しい飲み方とは | POWER PRODUCTION MAGAZINE(パワープロダクションマガジン) (glico.jp)
参考:【医師監修】クレアチンとは | 医師が作る医療情報メディア【medicommi】
3.「筋トレはハゲる」は間違い。「筋トレによりDHTが増加した場合ハゲる確率が高くなる」が正しい。
総合的に考えると、筋トレはAGAの直接的な原因ではない。しかし、まったく無関係ともいえないというのが結論ではないでしょうか。
筋トレやクレアチンの摂取によりDHTが増加して、AGAが進行するリスクはありますが、すべての人にあてはまるわけではあません。「筋トレはハゲる」というのは間違いで、「筋トレによりDHTが増加した場合ハゲる確率が高くなる」が正しいといえます。
筋トレをしたいけど薄毛が気になる方は、AGAクリニックで医師に相談して対策するのがおすすめです。薄毛の心配をせずに、トレーニングに励んで、理想のボディを手に入れましょう。
4.筋トレと薄毛の関係に関するご相談はウィル AGA クリニックへ
もし薄毛・脱毛症に関するお悩みがある場合は、お気軽にウィル AGAクリニックにお問い合わせください。
薄毛に悩む方が一人でも多く悩みから解放されるよう、
全力でサポートしていくことをお約束します。