後頭部に粉瘤ができる原因は?予防や治療法を解説!

公開日 / 2021.01.14 更新日 / 2024.04.18
この記事の監修者
宮内 俊
ウィルAGAクリニック 総括院長

AGA患者70,000件以上※の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国14院を展開。現在、ウィルAGAクリニックの総括院長、医療法人社団紡潤会の理事長として日進月歩研究を進めながら、日々の診療にあたる。千葉大学医学部卒。

ドクター紹介 +

AGA患者70,000件以上※の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国14院を展開。現在、ウィルAGAクリニックの総括院長、医療法人社団紡潤会の理事長として日進月歩研究を進めながら、日々の診療にあたる。千葉大学医学部卒。

ドクター紹介 +


後頭部にブヨブヨとした感触のたんこぶのようなものが出来たことはありませんか?
それは粉瘤と呼ばれるもので、何らかの理由で皮膚の下に老廃物が溜まってしまったことが原因で起こるものかもしれません。

粉瘤ができる原因はさまざまなことが考えられますが、通常の場合は痛みもないため気付かない方が多いと思われます。
粉瘤は手術で除去しないと完全に取り除くことは難しく、放っておくと大きくなり、最悪の場合炎症を起こしてしまう場合もあります。

今回は頭に出来た粉瘤について、そのメカニズムや原因、治療方法などをご紹介していきます。

目次

1.頭皮にできる粉瘤について

(1)粉瘤とはなにか

①脂肪の塊ではない

粉瘤は脂肪の塊と言われることがありますが、実際は脂肪の塊ではなく、皮膚の下の袋状の構造物ができてしまい、剥がれ落ちるはずの角質や皮脂が袋の中に溜まってできた腫瘍の総称のことを言います。

そのため通常ですと痛みや痒みは感じられません。

②粉瘤の種類

粉瘤は医学的な腫瘍の種類でいうと表皮嚢腫と呼ばれるもので、そのほか、外毛根鞘性嚢腫や多発性毛包嚢腫というものも粉瘤の種類の一つです。
頭に出来るのは外毛根鞘性嚢腫で、触ると表皮嚢腫より少し硬いのが特徴です。

溜まっている皮脂や角質はマヨネーズのような液状で、基本的には臭いはありません。
外毛根鞘性嚢腫はほかにも腕や首、わきにできることがあります。

③粉瘤は良性のことがほとんど

頭にしこりがあるとガンの可能性を疑ってしまいますが、ほとんどの場合は良性で悪性化することは滅多にありません。

ですが、最初は小さなしこりも時間が経つにつれてどんどん大きくなり、放置しているとこぶし大までになる事もあります。
薬などで収縮させる事はできないため、除去手術を行う必要があります。

(2)粉瘤ができる原因

①ニキビ跡

ニキビ跡はもともと袋状になっているので、自然と老廃物や皮脂が溜まってしまい粉瘤が非常にできやすいと言われています。

②毛穴の汚れや目詰まり

毛穴が詰まっていると上手に老廃物が排出されないので、粉瘤のできる原因になってしまいます。

③外傷

外傷あとの部分の老廃物が出る場所がなくなってしまい、毛穴に流れて溜まってしまうことで粉瘤が出来てしまうのです。
または頭皮への刺激が原因で毛穴や汗腺が正常に機能しなくなり、そこへ老廃物が溜まってしまうパターンもあります。

(3)放置すると炎症の可能性も……早めの治療を

①放置するとどんどん大きくなる

粉瘤を放っておくと老廃物がどんどん溜まってしまうので、除去しない限り大きくなっていきます。
ニキビを潰すように自分で中の老廃物を出しても、袋状の嚢腫自体を除去しない限り、再発する可能性があります。

また、爪などで粉瘤を強く刺激すると、傷口から感染症を引き起こすリスクもあります。絶対にやめましょう。

②粉瘤と脱毛症の関係は?

粉瘤それ自体は、脱毛症と直接の因果関係はありません。
ただし、粉瘤の原因である毛穴の汚れや目詰まりは、頭皮が不潔な状態であることを示しています。

頭皮の状態が悪いと、髪の成長にも悪影響です。粉瘤ができてしまった場合、頭皮のケアも合わせて意識するようにしてみましょう。

あなたの頭皮は健康?頭皮のセルフチェックのやり方を解説

③粉瘤の炎症には要注意

粉瘤で気を付けなければならないのは、炎症です。
瘤の開口部(へそと呼ばれる黒い点)から細菌が侵入・増殖すると炎症を引き起こし、痛みをともなったり、悪臭をひきおこしたりしてしまいます。

そうならないためにも、早めの治療が大切です。

2.粉瘤の治療方法

(1)粉塵を治療できる診療科

①皮膚科

皮膚科を受診するとそのしこりが本当に粉瘤なのか適切に診断してくれます。
治療や手術までおこなってくれるため、迷った時は皮膚科を受診しましょう。

②形成外科

形成外科とは「キレイに治す治療・手術」のプロフェッショナルと言われていて、傷跡を残したくない場合は形成外科でも粉瘤を除去してくれます。

手術が必要な場合は形成外科を受診してもいいでしょう。
受診した皮膚科から形成外科を紹介されるケースもあります。

③美容外科、美容皮膚科

美容外科でも粉瘤を除去してくれます。
形成外科同様に傷口をキレイに治してくれるプロなので、傷口を残したくない方は美容外科で除去してもらってもいいでしょう。

(2)除去手術について

①手術には2種類ある

粉瘤の治療法として皮膚を切開する「小切開摘出術」と手術時間が短い「くり抜き法(へそ抜き法)」があります。
最近では傷を最小限に抑えることができる、「くり抜き法(へそ抜き法)」が主流になっています。

②手術の流れ

手術はまず麻酔を注射してから行います。
そして手術を行い、必要な場合は皮膚を縫合したり、袋をとったあとの空間にガーゼを詰めることがあります。

手術はほとんどの場合日帰りでおこないます。

③手術後の経過

手術後は皮膚を縫合した場合は約1週間ほどで抜糸をおこない、傷が完全に塞がるまで2~3週間くらいかかります。
その間、炎症を抑える薬や軟膏が処方される場合もあり、その後も傷の大きさにもよりますが3~4回通院して経過をみます。

縫合した場合は半年から1年くらいで傷跡が目立たなくなってきます。

(3)除去手術に関する疑問

①すぐに手術できるの?

粉瘤を除去する手術は基本日帰り手術で出来ますが、手術してもらうには受診してから手術日程を決めないと出来ません。
炎症して痛くなってから病院にいってもすぐには治らないかもしれないので、なるべく粉瘤に気付いたら早めにとってしまった方がおすすめです。

②手術は痛いの?

皮膚に穴をあけるので痛くないか不安ですよね。
最初に麻酔を注射しするので手術中は痛くありませんが、粉瘤が出来た場所によっては麻酔の注射がチクっとしたり、手術後に痛みが出ることがあります。

痛み止めを処方してくれるので医師に相談してみましょう。

③手術にかかる時間と費用は?

手術にかかる時間と費用は手術するクリニックや粉瘤の大きさによって違ってきますが、粉瘤の除去手術は保険が適用されますので、負担はさほど大きくありません。
約4cmくらいの大きさで費用は約1万円前後、時間は約30~60分くらいが目安となります。

3.「くり抜き法(へそ抜き法)」と「小切開摘出術」について

(1)くり抜き法(へそ抜き法)について

①くり抜き法(へそ抜き法)とはどんな手術?

ディスポーザブルパンチと呼ばれる、特殊なパンチ(円筒状のメス)で粉瘤に穴を開けて、中に溜まっている老廃物をもみだす方法です。
除去後にしぼんだ袋を取り除くことで再発を防ぎます。開ける穴は粉瘤の大きさによって変わりますが、主に、2~6mmサイズのものを使用します。

クリニックによっては1mmを使用しているところもあり傷口を最小限に抑えることができます。

②くり抜き法(へそ抜き法)の手順

1.皮膚に粉瘤のサイズをペンでマーキングしていきます。
2.粉瘤の周りの皮膚に局所麻酔を注射していきます。
3.麻酔が十分に効いたら、特殊なパンチで袋を貫通するまで切り込んで、穴を開けていきます。
4.中身を完全に除去したら袋も取り除きます。

以上の手順をおこなったら最後の処置はクリニックによってことなりますが、縫合したり、ガーゼやテープで保護したり、湿潤療法をおこなったりします。

③くり抜き法(へそ抜き法)のメリットとデメリット

くり抜き法(へそ抜き法)は短時間で済むといメリットがありますが、傷口を縫合しないと治りにくいというデメリットもあります。

粉瘤が出来た場所によっては、くり抜き法(へそ抜き法)は向いていない場合もあります。
頭の粉瘤をとりのぞく場合は髪をそらなくていいといのもメリットですね。

(2)小切開摘出術

①小切開摘出術とはどんな手術?

小切開摘出術とは皮膚を切開する手術方法です。
粉瘤の盛り上がっている真ん中の部分の開口部を中心に、出来るだけ小さく皮膚を切開して、そこから中の物を排出していくやり方です。

②小切開摘出術の手順

1.皮膚に粉瘤のサイズや切る部分をペンでマーキングしていきます。
2.局所麻酔をおこないます。
3.麻酔が効いたら切開していきます。
4.中身を取り出して皮膚を縫合したら終わりです。

小切開摘出術は炎症を起こしていない場合や軽い炎症を起こしている場合に進められることが多い手術です。
炎症がひどいときは、一度切開して膿を取り出した後に軟膏治療をおこない、治ってから切除術をおこないます。

③小切開摘出術のメリットとデメリット

再発のリスクがくり抜きに比べて少ないことがメリットですが、手術時間がかかったり傷跡が残りやすくなってしまいます。

(3)粉瘤の予防方法と再発防止策はあるの?

①粉瘤の予防方法

粉瘤ができる原因は外傷などが多いため、まずはケガに気を付けることで粉瘤を予防することができます。
体質的なことが原因の場合は、予防方法は無いため粉瘤が小さいときに早めに取り除くことが大切です。

②粉瘤の再発防止策

粉瘤は適切な除手術をおこなえば、再発の可能性はほとんどありませんが、炎症しているときに除去手術をおこなっていたり、皮膚の下の袋状の構造物が完全に除去されていなかった場合には再発のリスクが高まることもあります。

③後頭部に出来た粉瘤は早めに取り除く

頭に出来る粉瘤は気付きにくく粉瘤と認識しにくいので、気付いたらこぶしくらいの大きさになっていたということもあるでしょう。

頭の粉瘤は日々のシャンプーやブラッシングで刺激を受けやすいため、炎症しやすい傾向にあります。
見つけ次第早めに病院を受診して、小さいうちに取り除くようにしましょう。

4.頭皮に関するご相談はウィル AGA クリニックへ

もし薄毛・脱毛症に関するお悩みがある場合は、お気軽にウィル AGAクリニックにお問い合わせください。

薄毛に悩む方が一人でも多く悩みから解放されるよう、
全力でサポートしていくことをお約束します。

関連記事

RELATED

ウィルAGAクリニック一覧

CLINIC

AGA・薄毛治療のお問い合わせ

CONTACT
「初診専用窓口」 初診の方はこちらからお問い合わせください。