男性のびまん性脱毛症とは?原因と対策を知って予防しよう!
びまん性脱毛症は、AGA(男性型脱毛症)や円形脱毛症などとは異なる脱毛症で、全体的に髪が抜けていくなどの症状が見られます。また、症状が出ているにもかかわらず、なかなか気づくことが難しいことから、治療が遅れがちになることもしばしばです。
そして、一般的に女性に多いとされるびまん性脱毛症ですが、実は男性の発症も多いという特徴もあります。
今回は、びまん性脱毛症の特徴や男性でも発症する理由、そして男性特有の発症原因について解説していきます。あわせて、薄毛クリニックで行われる治療やびまん性脱毛症を予防する対策についても詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
びまん性脱毛症とは?
「びまん」とは病変が比較的均等に広がっている状態を指す医学用語で、びまん性脱毛症はその名の通り、脱毛が髪全体に広がってしまう疾患です。
まずは、びまん性脱毛症の特徴と初期症状、そして病状が進行した際に見られる症状について解説していきます。
びまん性脱毛症の特徴
びまん性脱毛症の特徴は、その症状の現れ方にあります。
多くの人にとって、脱毛症といえば「AGA(男性型脱毛症)」を思い浮かべるでしょう。AGAは、男性特有のホルモンの異常によって起こる脱毛症で、生え際の後退や後頭部が部分的に薄くなるなどの症状を引き起こします。
対して、びまん性脱毛症は髪の毛全体に症状が現れるため、生え際の後退などは発生しません、その代わり、髪全体のボリュームが失われ、地肌が透けるように髪が薄くなっていきます。
また、びまん性脱毛症は上記のように脱毛が徐々に髪全体に広がっていくので、発症に気づきにくいことも大きな特徴です。
そのため、びまん性脱毛症は早期発見・早期治療が欠かせません。「最近髪に元気がない…」と思ったら、なるべく早く医師の診断を受け、治療を受けるようにしましょう。
びまん性脱毛症の初期症状
びまん性脱毛症の初期症状は、主に次のようなものです。
- 髪のボリュームが全体的に少なくなってきた
- 抜け毛が明らかに増えた
- 髪のハリやコシが失われた
- 地肌が透けて見えている
ただ、これらの症状が一気にではなく徐々に現れるため、発症していることに気づきにくいのが大きなポイントです。
しかも、これらの症状が現れたからといって、即座にびまん性脱毛症だと断定できるわけでもありません。例えば、甲状腺機能に異常が発生した際にも同様の症状が現れます。
びまん性脱毛症の進行
びまん性脱毛症が進行すると、さらなる髪のボリュームダウンに加えて、より分け目が目立つようになったり、地肌が透けて見えたりなどの症状も見られます。
そして、ここまで大きく症状が進行してしまうと、治療にも多くの時間がかかることになります。
ですので、少しでも髪の異変に気づいたら、できるだけ早く専門医に相談して治療を開始することを推奨します。
びまん性脱毛症は男性も要注意
一般的に、びまん性脱毛症は比較的女性に多いとされています。
これは、びまん性脱毛症が主に加齢によるホルモンバランスの変化や髪の栄養不足などが原因で発症するためで、特に40代以降の女性はこのような症状が出やすいです。
ですが、ホルモンバランスの変化や栄養不足などは男性にも十分起こり得ることです。実際、びまん性脱毛症は男性でも発症することがあり、近年では20代の若年層でも症状が進行することもあります。
ゆえに、男性であっても、女性であっても、びまん性脱毛症は要注意です。日ごろから抜け毛が増えていないか確認し、できるだけ早く対処することが大切です。
女性のびまん性脱毛症については下記コラムで解説しています。
男性のびまん性脱毛症の原因
びまん性脱毛症を発症する原因にはさまざまなものがありますが、特に男性では次のような原因が多いとされています。
- 加齢
- 食習慣の乱れ
- 飲酒や喫煙
- 過度なストレス
- 頭皮や毛髪へのダメージ
加齢
男性がびまん性脱毛症を発症する最も多い原因が、加齢です。
年齢を重ねると、ホルモンバランスが変化することで、髪の成長サイクルにも乱れが生じることがあります。
また、加齢に伴って血流が悪くなり、髪の生産に必要な栄養を毛母細胞に運ぶ機能が低下することも、全体的な髪のボリュームダウンにつながります。
栄養バランスの偏った食生活
栄養バランスの偏った食生活は、びまん性脱毛症を引き起こす大きな要因だと言われています。
毛母細胞が髪を作るためには、タンパク質やビタミン、ミネラルなどのさまざまな栄養素が必要となります。ですが、偏った食生活によってそれらが不足すると、髪が上手く成長せず、痩せ細った髪ばかり生えるようになります。
また、コンビニ食やインスタント食品に多く含まれる脂質・糖質・塩分は、摂り過ぎると血液の循環を悪化させる要因となり、薄毛の悪化につながります。
同様に、ダイエットのための過剰な食事制限も栄養不足の原因となるので注意が必要です。
飲酒や喫煙
飲酒や喫煙もびまん性脱毛症の原因の一つです。
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があるため、日常的に喫煙をすると頭皮に十分な血液が届かなくなり、髪の成長阻害につながります。
また、アルコールは体内で代謝されるときに亜鉛を大量に消費します。亜鉛は、髪が成長するうえで欠かせない栄養素ですが、過度な飲酒によって体内の亜鉛が不足すると、髪の成長に支障をきたすようになります。
過度なストレス
ストレスは、抜け毛の大きな要因とされています。
過剰にストレスがたまると、自律神経の乱れが発生します。自律神経は、体内のあらゆる機能を司っていますが、これが乱れると血管などの循環器の機能低下が起こり、頭皮の血行不良によって薄毛が引き起こされます。
また、自律神経はホルモンバランスにも影響しており、髪の成長サイクルが崩れ、薄毛が悪化する要因にもなります。
頭皮や毛髪へのダメージ
頭皮や毛髪へのダメージがびまん性脱毛症の原因になることがあります。
中でも多いのが、誤った方法による洗髪です。洗浄力が強過ぎるシャンプーを使ったり、爪を立ててゴシゴシ洗ったりすると、頭皮に傷がついてそこから炎症が発生します。
これにより、毛母細胞にダメージが起こり、正しい髪の生成が阻害されてしまうのです。
また、すすぎが足りず、洗浄成分が頭皮に残ったままだったり、洗浄力が弱すぎて汚れが上手く落ちなかったりすることも、頭皮環境の乱れにつながります。
これらの他にも、洗髪後にドライヤーによる乾燥を行わなかったり、必要以上にパーマやカラーリングを繰り返したりすることも、頭皮・毛髪へのダメージを起こす要因の一つです。
びまん性脱毛症の治療法
びまん性脱毛症の治療には、直接頭皮に塗布して使用する外用薬や、栄養補給のためのサプリメントなどが使用されることが多いです。これによって、髪の栄養不足によって引き起こされていた薄毛の進行を抑制し、かつ発毛を促すことができます。
ただし、栄養補給のサプリは、栄養不足以外の原因によるびまん性脱毛症には効果が期待できないとされているため、その場合は別の方法を実施します。
例えば、頭皮に直接注射器で有効成分を注入する「育毛メソセラピー」を薬物治療と合わせて行うことで、より確実に頭皮に成分や栄養素を届けることができ、治療効果を高めることが期待できます。
どのような方法で治療を行うかは、患者の体質や症状の度合いによって異なるので、医師のアドバイスに従って治療を受けるようにしましょう。
【男性向け】びまん性脱毛症の発症を予防する対策
上記のように、びまん性脱毛症は治療することが可能ですが、日々の生活習慣やヘアケアを正しく行うことでも発症を予防することができます。
今回は、特に男性に行ってほしい予防法を5つ紹介していきます。
- 良質な睡眠を心がける
- 栄養バランスの取れた食事
- 適度な運動
- 過度な飲酒・喫煙はNG
- 正しい洗髪を心がける
良質な睡眠を心がける
びまん性脱毛症を予防するためには、良質な睡眠を心がけることが大切です。
十分かつ良質な睡眠は、自律神経を整え、ホルモンバランスの乱れを改善することにつながります。また、ストレスが和らぐことで血流が改善し、頭皮に栄養が行き渡りやすくもなります。
具体的には、夕食は寝る3時間前まで、入浴は2時間前に済ませましょう。入浴はシャワーだけで済ませず、40℃の湯船に15分程度しっかり浸かると、睡眠の質が高まるためおすすめです。
そして、夜更かしは睡眠の質を下げてしまうためNGです。特に、働き盛りの男性は夜遅くまで残業をすることも多いため、睡眠不足になりがちです。ですが、髪の健康を守るためにも、夜更かしは控え、就寝時間になったら速やかに布団に入って休むことを心がけてください。
栄養バランスの取れた食事
健康な髪を作るために、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
前述したように、髪の成長にはタンパク質やビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養が必要です。ですので、どれか一つの栄養や食材ばかり摂るのではなく、肉や魚、野菜、きのこ、果物など、さまざまな食品をバランスよく含んだ食事を意識することが大切です。
反対に、いつもコンビニ弁当やインスタント食品ばかり食べてしまうという方は、栄養バランスが悪く、脂質や糖質多めになっています。髪の栄養不足に陥るかもしれないので、まずは1食を目標に栄養バランスの取れた食事を心がけるようにしてください。
適度な運動
びまん性脱毛症予防のために、適度な運動をするのもおすすめです。
適度な運動は、筋肉量を増やしたり血流を促したりするため、頭皮への栄養の供給が高まり、育毛に良い影響を与えることができます。また、ほどよく疲労することでストレスが解消され、髪の成長阻害を防ぐ効果も期待できます。
ただし、突然激しい運動をしてしまうと、体を痛めたり、逆にストレスになったりすることもあるので、まずはスロースタートで始めることが大切です。例えば、一つ前の駅で降りてその分歩いたり、エレベーターではなく階段を使ったりするのが良いでしょう。
過度な飲酒・喫煙はNG
発毛促進のためには、過度な飲酒・喫煙は絶対にNGです。
前述したように、過度な飲酒は亜鉛不足を招き、健康的な髪の成長を阻害してしまいます。また、タバコに含まれるニコチンも、頭皮の血流悪化やタバコを吸えないときのストレスにつながるため、できる限り避けることを推奨します。
正しい洗髪を心がける
正しい洗髪は、びまん性脱毛症予防だけでなく、健康的な髪の維持にも欠かせません。
先ほども解説しましたが、誤った洗髪を続けていると、髪や頭皮がダメージを負って薄毛や抜け毛の原因になります。ですので、髪の成長を妨げないために、正しいヘアケアで頭皮を常に清潔にしておくことが大切です。
まず、適度な洗浄力のシャンプーを良く泡立て、頭皮全体を包み込むように洗います。このとき、力任せにゴシゴシと洗ってしまうと頭皮を傷つけるため、指の腹で優しく頭皮をマッサージする感覚で洗うのが大切です。
そして、すすぎ残しがないよう十分に洗い流し、洗髪後は濡れたまま放置せず、ドライヤーでしっかり乾かしましょう。
これに加え、過度なパーマやカラーリングも頭皮や毛髪を痛めることになるので、髪の状態が改善されるまでは控えることをおすすめします。
びまん性脱毛症のお悩みはウィルAGAクリニックへ
今回は、びまん性脱毛症について解説しました。
「最近、髪のボリュームがなくなってきた気がする…」とお悩みの方は、お気軽にウィル AGAクリニックにお問い合わせください。
薄毛に悩む方が一人でも多く悩みから解放されるよう、全力でサポートしていくことをお約束します。
【よくある質問】
びまん性脱毛症とは、脱毛症の一種で、髪全体のボリュームが広範囲にわたって失われていくなどの症状が見られます。
確かに、びまん性脱毛症は女性に多い脱毛症ですが、そもそもの発症の原因は加齢やホルモンバランスの乱れ、ストレスなどです。ゆえに、男性でも発症の可能性は十分にあるので、注意が必要です。