産後抜け毛の症状や期間は?産後抜け毛の原因から見る対処法

公開日 / 2021.12.03 更新日 / 2024.08.14

手鏡で薄毛を確認する母親

産後抜け毛とは、出産をした女性の多くが経験する症状です。

産後抜け毛は、出産後の女性に起こるものであり、何年にもわたって継続するものではありません。

産後脱毛の原因や症状を正しく理解し対策をしましょう。どのくらいの期間続くのか、症状や原因、すぐにできる対策方法を紹介します。

産後抜け毛の症状とは?

手のひらに広がる抜け毛
頭でも紹介したように産後抜け毛は出産をした女性に多く見られる症状です。

産後2~3ヶ月頃から症状が出るケースが多く、中には驚くほど多くの髪が抜けてしまうケースもあります。

産後抜け毛は「出産後脱毛症」や「分娩後脱毛症」とも呼ばれ広く知られています。

ここでは、産後抜け毛の主な症状・原因について解説します。

産後に頭皮が乾燥する

産前産後は肌がデリケートになりがちです。特に産後は急激な肌質の変化を感じる女性もいます。

出産前と同じような生活スタイルを送ったり、前と同じシャンプー類を使用したりしていると、気がつかない間に頭皮が乾燥しやすくなるのです。

産後抜け毛は頭皮全般に起こる

ある調査によると、産後女性のうち約70%にも及ぶ人が「頭皮全般の抜け毛に悩んでいる」と答えています。

頭のどこか一か所というのではなく、全体的に抜け毛がひどくなるという症状を訴えるケースが多いというわけです。

産後抜け毛は、一時期集中的に多くの髪が抜けて、また一気に生えるという特徴があります。

ケースバイケースではありますが、一度に多量の毛髪が抜ける場合が多いので、落ち込んで悩んでしまう人も少なくありません。

産後抜け毛は気持ち次第で軽減する

産後抜け毛が最も多いのは、一人目の出産後と言われています。第二子・第三子などの出産になると、肉体的にも精神的にも出産・育児に慣れてくるため、産後に多い抜け毛の症状も減少傾向となります。

初めての出産は、女性の心身に大きな変化や影響をもたらします。

産後抜け毛の原因にはストレスも考えられるので、「産後は体にさまざまな変調があるもの」なのだと、気持ちを楽にしておくことも大切です。

産後抜け毛の症状が目立つ期間

産後抜け毛は、早い人で出産してから2ヶ月後くらいから始まります。

多くの産後女性が出産してから2~6ヶ月後に産後抜け毛を経験しています。

ただし、産後抜け毛の収束時期には個人差があり、早い人なら抜け始めてから2ヶ月程度で収まりますが、長いと1年6ヶ月程度続く場合もあります。育児に慣れ、ホルモンバランスが整えば症状は収まっていくので、あまり心配し過ぎないようにしましょう。

産後抜け毛の主な原因

ソファで赤ちゃんを膝に置いて泣く母親
後抜け毛にはいくつかの原因があり、産後特有の体調変化や心の状態が薄毛を引き起こします。

ここでは、産後抜け毛の主な原因についてわかりやすく解説します。

ホルモンバランスの変化

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモンがあります。

このうち、髪の成長に関わるのが黄体ホルモンとも呼ばれているプロゲステロンです。プロゲステロンは妊娠月齢が進むごとに分泌量が増えます。

プロゲステロンの分泌量が最大になるのが出産時期とされており、赤ちゃんを産み終えたら急激に減るのが特徴です。

プロゲステロンの作用で妊娠中は抜け毛が減りますが、産後はその分まで一気に髪が抜けてしまいます。

産後抜け毛・薄毛の症状は、主にホルモンバランスの急激な変化によって引き起こされるのです。

栄養バランスの乱れ

産後の女性は、自分のことよりも赤ちゃんの栄養摂取やお世話に明け暮れてしまいがちです。

育児には十分な体力が必要なのに、自分の食事の栄養バランスまで考える余裕がない人も多いでしょう。

また、産後太りなどを気にして無理なダイエットを行ったりする人も栄養不足に陥りやすくなります。

過度な食事制限や栄養不足は産後抜け毛を助長させかねないので注意が必要です。

精神的ストレス

産後に始まる新生児との生活は、喜びが大きい一方で、睡眠時間の減少や思うように育児が進まないイライラなどにより、ストレスが増す人も少なくありません。

睡眠不足・疲労・ストレスなどが薄毛や抜け毛を増加させることもあります。

そうとわかっていても育児は待ってくれないため、対策を講じる間もないままストレスを溜めていってしまう人もいます。

母乳育児

母乳育児が必ずしも産後抜け毛を引き起こすというわけではありません。

しかし、母乳にはたんぱく質・オリゴ糖・ビタミン・ミネラル・酵素といった重要な栄養素がぎゅっと詰まっています。

栄養価の高い母乳を分泌するためには、母体にも相当の栄養摂取が不可欠です。

「白い血液」の異名を持つ母乳を生み出し続けるため、産後に母乳育児をする女性は栄養不足に陥りやすくなるのです。

十分な栄養を摂取せず母乳をあげ続けることで、必要な栄養が髪にまで行き届かなくなり薄毛を引き起こす可能性も考えられます。

産後抜け毛の対策方法

リビングで赤ちゃんを持ち上げる父親
産後抜け毛は、どう対策してもホルモンバランスの急激な変化によって、やむを得ず引き起こされてしまうこともあります。

しかし、症状を軽減したり、抜け毛を早めに収束させたりするために対策できることもあります。

ここでは、産後抜け毛の症状を軽減させるためにできる対策を紹介します。

睡眠時間を確保する

出産後は赤ちゃんが頻繁に起きたり泣いたりするため、睡眠時間を確保するのが難しくなります。

心身ともに消耗が激しい育児では、睡眠で休息をしっかりと取ることが重要です。

睡眠時間を確保するために、パートナーや親など、家族に育児や家事を頼ることも心がけましょう。家事は手抜きしても、赤ちゃんを含め家族が健康なら問題ありません。

出産後は忙しくなってしまうので、出産前に家事負担などについて家族と話し合いをしておけば安心です。

不安や不満が募ればストレスが増し、たとえ睡眠時間を確保できても睡眠の質が低下します。

日頃から家族と良くコミュニケーションを取ったり、育児の悩みを先輩ママなどに相談したりすることも、産後抜け毛の症状を軽減させるために役立つかもしれません。

栄養価が高い食事を摂る

産後抜け毛の原因の一つでもある栄養不足を解消するためには、栄養バランスの整った食事を摂ることが欠かせません。

産後の授乳期には、必要十分な栄養を確保するため、たんぱく質・ビタミン・ミネラルなどを意識して摂取するようにしましょう。

産後の栄養バランスに気をつけるべきであることはわかっていても、メニューの考案や買い物・食事の支度そのものがつらいという人も多いでしょう。

宅配サービスや栄養を重視した食事の調理キットといったサービスも上手に利用しながら、手抜きの栄養摂取も考えておくこともおすすめです。

ストレスを発散する

慣れない育児や家事は、産後女性の心身にとって大きな負担になります。

出産前には当たり前にできていた外出や息抜きができなくなり、気分がふさぎがちになる人もいるでしょう。

産後抜け毛の症状を軽減させるための対策というだけでなく、自分自身と赤ちゃんが楽しく暮らすためにも、たまには家族に赤ちゃんを預けて外出し、ストレスを発散してみてはいかがでしょうか?

また、安全対策を取った上で赤ちゃんと一緒に昼寝をすれば、ストレス発散にも睡眠不足の解消にもなるのでおすすめです。

ストレスが減れば、産後抜け毛にも好影響が及ぶ可能性も大いにあります。

ヘアスタイルを変える

産後の育児では、母親は身なりに構っていられません。

しかし、いつも同じ位置で髪を束ねていたりすると、頭皮や髪の毛に負担をかけてしまいます。

髪を束ねるにしても、ゆるめのシュシュで負担を少なくして束ねるなどの工夫も必要でしょう。

また、出産前などに思い切ってショートヘアにしておくのも、産後のヘアケア時間の短縮に繋がるのでおすすめです。

レイヤーを入れたスタイルなら、産後抜け毛が目立たなくなって一石二鳥と言えます。

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産後抜け毛は気にし過ぎないことが大切

産後抜け毛は、どれだけ対策しておいても、起きてしまう時には起きてしまいます。

シャンプーする時や髪を乾かしている時に多くの髪が抜けると悲しくなってしまいますが、ホルモンバランスの変化による一時的なものなので、気にし過ぎは良くありません。

産後抜け毛を心配し過ぎてストレスを抱えると脱毛が悪化する場合もあります。

「赤ちゃんを産めばみんなこうなる」「産後ならではの状況を楽しもう」といった前向きな気持ちで乗り越えていくことが大切です。

この記事の監修者
宮内 俊
ウィルAGAクリニック

多数のAGA患者の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国に展開。千葉大学医学部卒。

ドクター紹介 +

多数のAGA患者の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国に展開。千葉大学医学部卒。

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