2020/12/29
AGAの遠隔診療とは?どんなメリットがあるのか?
/ コラム /
2021/01/31
この記事の監修者
AGAは進行性のある男性型脱毛症です。
正式にはAndrogenetic Alopeciaと呼び、日本語に直訳すると男性ホルモンによる脱毛症となります。
直訳したとおり、男性ホルモンが原因となる男性型脱毛症です。
本記事ではAGAについて、さらに詳しく解説します。
【本記事を読むと分かること】
・AGAとは
・AGAの原因
・AGA発症までの流れ
・AGAは遺伝するのか
・AGAの見分け方
・AGAの治療方法など
AGAの進行具合も解説するため、薄毛の症状が気になる男性は本記事を参考にしてください。
【Youtubeでも解説中!】
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AGAとは、思春期以降に見られる男性型脱毛症のことです。
AGAを発症しても痛みなどといった健康被害は見られません。
しかし、薄毛による見た目の変化は、精神的に大きな影響を及ぼします。
特に若い年齢で発症するほど、その悩みは大きくなります。
AGAの主な原因とされているのが、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる男性ホルモンの一種です。
DHTは同じく男性ホルモンのテストステロンが酵素によって変化したものです。
テストステロンからDHTの生成、AGA発症までの流れは以下の通りです。
1. テストステロンが分泌される(主に睾丸)
2. テストステロンが血液により頭部へ運ばれる
3. テストステロンが5αリダクターゼ(還元酵素)と結合し、DHTが生成される
4. DHTが毛乳頭細胞にあるアンドロゲンレセプター(受容体)と結合する
5. 細胞増殖の抑制作用を持つTGF-βが生成される
6. TGF-βが髪の成長サイクルを乱し、脱毛が進行する
髪の成長周期はヘアサイクルなどとも呼ばれ、
髪が成長する「成長期」、抜け代わりの準備を始める「退行期」、髪が抜け、新たな髪が成長の準備をはじめる「休止期」
の3つの時期に分かれています。
【ヘアサイクルのイメージ】
髪の成長を抑制するTGF-βは、髪の成長期を短縮してしまいます。
本来もっと伸びるはずの髪が細く短いままで抜けることで、髪の密度が薄くなり地肌が透けて見え始めます。
これがAGAの症状です。
脱毛症の別のパターンとして円形脱毛症がありますが、これは免疫機能の異常により髪の毛が急激に抜けることが特徴です。
一方、AGAは少しずつ症状が進行していくことが大半です。
先ほどDHTが生産されるメカニズムを説明しましたが、テストステロンをDHTに変化させる5αリダクターゼと呼ばれる酵素は、遺伝によって分泌量が変わるとされています。
5αリダクターゼの分泌量が多い遺伝子を受け継いでいるほど、AGAを発症しやすいということになります。
また、DHTを受け取ってTGF-β(髪の成長抑制物質)を生産するアンドロゲンレセプターの感度も遺伝すると考えられています。
5αリダクターゼの分泌量が少なくても、アンドロゲンレセプターが過敏に反応してしまう場合、やはりAGAを発症しやすくなるためです。
また、「母方の祖父が薄毛の人はハゲやすい」という通説がありますが、これは薄毛の遺伝子がX染色体上にあることが原因と考えられています。
人間の性別は、親から引き継ぐ染色体の組み合わせによって決まります。
染色体の組み合わせがXYだと男性
染色体の組み合わせがXXだと女性
そのため、母方の祖父がX染色体に脱毛症に関する遺伝子を持っている場合、母親も同じ遺伝子を引き継ぐことになります。(下記の図を参照)
上記の関係から、母型の祖父が薄毛の場合、その孫も薄毛になりやすいとされています。
一方で、遺伝子はあくまで原因のひとつに過ぎません。
治療によってアンドロゲンレセプターの感度を抑制することによって、遺伝による脱毛を抑えることが可能です。
薄毛の症状にはいくつかのタイプがあり、大まかに下記のように分けられます。
・M字型 →額の生え際から髪の毛が後退していく
・O字型→頭頂部から髪の毛が薄くなる
・U字型→額の生え際から頭頂部にかけて髪の毛が薄くなる
また、DHTを生み出す原因となる5αリダクターゼには1型と2型の2つのタイプがあります。
このうち、より大きな影響を与えるのは2型の5αリダクターゼです。
2型の5αリダクターゼは、額の生え際や頭頂部によく見られます。
そのため額の生え際や頭頂部から髪の毛が薄くなりはじめたときは、AGAの発症を疑ってください。
AGAの進行具合を分ける指標に、ハミルトン・ノーウッド分類というものがあります。
これはアメリカの医師であるハミルトン氏が作成し、その後にノーウッド氏が改定した分類法です。
ハミルトン・ノーウッド分類では以下のように、AGAの症状を1型から7型に分類しています。
分類 | 症状 |
---|---|
1型 | 額の生え際から髪の毛がM字型に後退しはじめる |
2型 | 1型からさらに髪の毛が後退 |
3型 | 2型からさらに髪の毛が後退 |
Vertex2型 | 2型から頭頂部の髪の毛がO字型に薄くなる |
Vertex3型 | 3型から頭頂部の髪の毛がO字型に薄くなる |
4型 | 3型からさらに髪の毛が後退し、頭頂部もO型に薄くなる |
5型 | 4型からさらに薄毛が進行する |
6型 | 額の生え際から頭頂部にかけて薄くなりU字型になる |
7型 | 6型からさらに進行し、側頭部まで広がってくる |
ただし、この進行にも人種等によって差があり、日本人の場合は頭頂部から薄くなっていくことが多いとされています。
頭頂部は普段の生活の中ではなかなか気づきにくい箇所であるため、気になっている人は意識的にチェックしてみるとよいでしょう。
そのほか、抜けた髪の状態でAGAを見分ける方法もあります。
先ほど説明した通り、AGAは髪の成長期が短くなることによって起こります。
そのため抜けた髪は通常よりも細く・短いものが大半。
・シャンプーの際に抜ける髪が多い
・手ぐしで髪をとかすと、短く細い毛がたくさん抜ける
・抜け毛の毛根が小さく、瘤のように盛り上がっていない
上記のようなことが気になるようでしたら、一度相談を受けてみましょう。
AGAは進行性であり、放置している限り治りません。
現状あまりに気にならないからといって放置すると、どんどん進行していきます。
いっぽう、AGAは適切な方法により治療することが可能です。
その方法について解説していきましょう。
AGAの治療法には、大まかに以下のようなものがあります。
・内服薬の処方
・塗り薬の処方
・毛根への薬剤などの注入
・レーザー等による刺激
一般の病院ではフィナステリドと呼ばれる内服薬を処方されることが大半です。
一方、AGA治療専門のクリニックでは、進行具合に合わせてさまざまな治療プランを用意しています。
それぞれ細かく説明していきましょう。
AGA治療薬として有名なのがフィナステリドとミノキシジルです。
フィナステリドとミノキシジルで期待できる効果は、以下をご覧ください。
フィナステリド | 5αリダクターゼ2型を阻害し、脱毛を予防する |
ミノキシジル | 頭皮の血行を促進し、発毛をうながす 成長因子の誘導 アンドロゲンレセプターの間接的抑制 |
フィナステリド(口から飲む内服)とミノキシジル(頭皮に塗る外用)は、日本皮膚科学会による男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでA評価を受けています。(A評価=行うよう強く勧める)
効果の出方には個人差があるものの、医学的根拠のある信頼性の高い成分です。
また、フィナステリドとミノキシジルは併用できます。
フィナステリドで脱毛を予防し、ミノキシジルで発毛をうながす2段構えのAGA対策です。
ただし、効果が出るまで3か月から6か月はかかると考えてください。
塗り薬には、アロビックスというカルプロニウム塩化物を5%配合した塗り薬やミノキシジルの外用薬がございます。
カルプロニウム塩化物には血管を拡張させる効果があります。
血流の改善から発毛をうながす有効成分です。
1日2~3回薄毛が気になる部位に塗った後、頭皮マッサージを行うと有効成分が浸透しやすいです。
ミノキシジル外用は前述のように日本皮膚科学会でA評価を受けており、AGA専門クリニックでも処方する例が多くあります。
1日2回、1回1mL薄毛が気になる部位を塗りましょう。効果を実感するにはおよそ4ヶ月〜6ヶ月はかかります。
HARG療法は、幹細胞から抽出した150種類以上の成長因子を配合したカクテルを頭皮に直接補給する治療方法です。
成長因子により乱れたヘアサイクルの正常化が期待できます。
KGF | 毛母細胞の増殖をうながす |
PDGF | ヘアサイクルの成長期を維持 |
VEGF | 頭皮の血管を新生し、発毛をうながす |
成長因子の他、各種ビタミンやアミノ酸などを配合し、髪の毛の成長に必要な栄養素を補給しています。
カクテルを直接頭皮に注入するため、内服薬や外用薬より効果が出やすいです。
そのため、注入療法はフィナステリドやミノキシジルでは効果が出なかったときに適しています。
HARG療法の他、アミノ酸が結合したペプチドを注入するヘアフィラーという薬剤もあります。
ただし、料金はフィナステリドやミノキシジルの処方より高くなると考えてください。
また当院では最新LHDV頭皮注入治療という方法をご用意しております。
乳歯由来の幹細胞培養上清液で成長因子300種類以上とエクソソームなど含まれています。
低出力レーザー治療では、安全性の高い低出力レーザーで発毛をうながしています。
レーザーで刺激し、ストップしていた髪の毛を成長期へと導きます。
レーザーには内服薬や塗り薬のような副作用はほとんどありません。
そのため副作用が気になる方にも適している治療方法です。
レーザーと内服薬、塗り薬を併用するとさらに効率のよい治療が期待できます。
AGAクリニックによっては、遺伝子検査が受けられます。
AGAを発症しやすい遺伝を受け継いでいるかどうか
フィナステリドの効果が出やすい体質かどうか
AGA遺伝子検査では口の中にある粘膜を綿棒で採取しているため、注射が苦手な方でも安心です。
AGAを治すには早めの治療が重要となります。
抜け毛が増えはじめたら、AGAクリニックの医師に早めに相談するとよいでしょう。
もし薄毛・脱毛症に関するお悩みがある場合は、お気軽にウィル AGAクリニックにお問い合わせください。
薄毛に悩む方が一人でも多く悩みから解放されるよう、
全力でサポートしていくことをお約束します。