円形脱毛症と睡眠障害は関係がありそう

公開日 / 2020.09.16 更新日 / 2023.12.01
この記事の監修者
宮内 俊
ウィルAGAクリニック 総括院長

AGA患者70,000件以上※の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国14院を展開。現在、ウィルAGAクリニックの総括院長、医療法人社団紡潤会の理事長として日進月歩研究を進めながら、日々の診療にあたる。千葉大学医学部卒。

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AGA患者70,000件以上※の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国14院を展開。現在、ウィルAGAクリニックの総括院長、医療法人社団紡潤会の理事長として日進月歩研究を進めながら、日々の診療にあたる。千葉大学医学部卒。

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円形脱毛症と睡眠障害

円形脱毛症の原因は、さまざまな説が提唱されておりましたが、最近の研究では、免疫に支障が起きて発症する自己免疫疾患であることが主原因とされています。今回は、主原因である自己免疫疾患とも関連する睡眠障害について解説します。

●他の記事について、円形脱毛症について詳しく解説しています。
円形脱毛症の症状、原因、治療法

韓国の皮膚科医の研究が、睡眠障害が「円形脱毛症」のリスク要因になる可能性について論文で言及しました。睡眠障害も、免疫と深く関わっています。
本記事では、2本の論文と「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2017年版」(*1)から、円形脱毛症と睡眠障害と免疫の関係についてみていきます。
*1:https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AA_GL2017.pdf

睡眠障害は円形脱毛症の危険因子になる

韓国の論文は、漢陽大学医学部皮膚科のソ・ヒョンミン氏たちが2018年に発表した「The risk of alopecia areata and other related autoimmune diseases in patients with sleep disorders」です(*2)。
和訳すると「睡眠障害患者における円形脱毛症およびその他の関連する自己免疫疾患のリスク」となります。
まずはこの論文の研究内容からみていきましょう。

*2:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29955877/#affiliation-1

研究結果

研究は2003年から2013年にかけて行われ、次のような結果が出ました。

●睡眠障害の患者25,800人と、そうではない人129,000人の計154,800人を観察したところ、0~44歳の睡眠障害患者の円形脱毛症リスクが高いことが確認できた
●睡眠障害は円形脱毛症以外にも、固形臓器癌、グレーブス病、橋本甲状腺炎、白斑、リウマチ様関節炎とも関連していた

論文ではこの結果から、44歳以下の比較的若い人たちにとって睡眠障害は円形脱毛症の危険因子になり得る、と結論づけています。

グレーブス病、橋本甲状腺炎、白斑、リウマチは、自己免疫疾患または免疫に関係している病気です。
また、癌の治療法の1つに、免疫の力を活用する免疫療法があるので、癌と免疫も関係があります。

この論文から「睡眠障害と円形脱毛症が関連する」ことと「睡眠障害と癌、グレーブス病、橋本甲状腺炎、白斑、リウマチ様関節炎が関連する」ことがわかりました。
そして「円形脱毛症、癌、グレーブス病、橋本甲状腺炎、白斑、リウマチ様関節炎」が免疫に関係していることから、睡眠障害も免疫と関係しているのではないか、と推測できます。

睡眠障害と免疫について

アメリカのスタンフォード大学医学部睡眠科学センターのヨアヒム・ハルマイヤー氏たちが2009年に「Narcolepsy is strongly associated with the T-cell receptor alpha locus」という論文を発表しました(*3、4)。日本語訳は「ナルコレプシーはT細胞受容体アルファ遺伝子座と強く関連している」となります。

この論文は、免疫が脳の睡眠中枢を攻撃してしまうことが、ナルコレプシーの原因になっていると指摘しています。
ナルコレプシーは、昼間に突然、強い眠気を催す睡眠障害の1つです。

免疫は本来、外的から体を守る機能なので、免疫が睡眠中枢を攻撃してしまう現象は自己免疫疾患の一種といえます。
睡眠障害にはいくつか種類があるので、ナルコレプシーと免疫の関係が明らかになったとしても、「すべての睡眠障害が自己免疫疾患である」とはいえません。
しかし、睡眠障害が免疫と無関係ではないことが、この論文からわかりました。

*3:https://www.nature.com/articles/ng.372
*4:https://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/370

円形脱毛症と免疫について

日本皮膚科学会は、円形脱毛症を自己免疫疾患の1つと位置づけています。
それは、円形脱毛症の患者さんの毛包(もうほう)周囲に、リンパ球による浸潤が確認されているからです。

「毛包」とは、毛を取り囲む組織層のことです。
「リンパ球」は、血液に含まれる白血球の成分の1つで、ウイルスやがん細胞などの異物や非正常細胞を攻撃します。リンパ球は免疫を担う物質です。
「浸潤」とは「侵して広がる」という意味です。

つまり円形脱毛症では、免疫の機能が支障され、本来は攻撃対象ではない毛包が、リンパ球によって攻撃されているわけです。

先ほどのナルコレプシーの論文でも、免疫が脳の睡眠中枢を攻撃することが指摘されていました。
免疫によって間違った攻撃を受けている点は、円形脱毛症もナルコレプシー(睡眠障害)も共通しています。

まとめ

円形脱毛症は、免疫に支障が出て、さらに精神的肉体的ストレスが加わって発症することがあります(*1)。そして、過度なストレスがかかって、疲れているのに眠れなくなる、という経験は多くの人がしていると思います。
したがって、円形脱毛症と睡眠障害は関係していることは、医療従事者でない人でもすんなり納得できます。
それが、韓国の論文などによって科学的に証明されたわけです。

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