つむじハゲ?それとも円形脱毛症?違いの見分け方と対処法を解説!
円形脱毛症とつむじハゲは初期症状や進行具合でどちらか判断することができます。
どちらも男性だけでなく女性も発症し、早めに適切な治療を受けることで改善や進行を遅らせることができます。
今回は円形脱毛症とつむじハゲの見分け方について解説します。
円形脱毛症とつむじハゲは見た目がよく似ているため、どちらの症状なのか自分で判断することは難しいです。
ですが、円形脱毛症とつむじハゲでは、薄毛になる進行の速度や抜け毛に現れる特徴、薄毛になる原因なども異なってきます。
どちらも気付いた段階で早めに治療をおこなうことが重要で、放置するとさらに進行を早めてしまう可能性もあるため注意しましょう。
今回は、円形脱毛症やつむじハゲの症状や原因についてと、見分け方や治療法の違いについて詳しく解説していきます。
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目次
1.円形脱毛症について
(1)円形脱毛症とは
まずは、円形脱毛症の概要を見ていきましょう。
①症状
円形脱毛症は頭にできるイメージがありますが、じつは全身のどこの箇所にも起こります。具体的な症状は以下の通りです。
【円形脱毛症の症状】
・突然毛が抜ける
・脱毛部分との境目がはっきりしている
・脱毛部分周辺の髪を引っ張ると簡単に抜ける
②特徴
円形脱毛症は急に発症するため、正確な発症時期が特定できません。治るまでには個人差があり、早くても数週間ほどの期間がかかります。
ほとんどの場合は1年以内に自然治癒することが多く、適切な治療を受ければ回復する可能性はありますが、なかには一生消えることがない脱毛斑が残ったり、生涯にわたり円形脱毛症と付き合わなければいけなかったりというケースもあります。
③対象者
円形脱毛症は性別や年齢に関係なく発症し、円形脱毛症になる原因はさまざまです。何らかの理由で思春期や幼少期に発症する事もあり、コンプレックスを抱いてしまう方も少なくありません。
(2)円形脱毛症の種類
円形脱毛症は、大きく「単発型」と「多発型」の2種類に分類されます。それぞれの特徴や、重症と診断されるボーダーラインについても詳しく見ていきましょう。
①単発型
単発型は、10円や500円玉くらいの形の脱毛が1か所にできる症状です。目立つところにあればすぐ気づきますが、気付きにくいところにできると発見が遅れることがあります。
②多発型
複数の脱毛斑ができる円形脱毛症は多発型と診断されます。脱毛斑が大きくなると、別の脱毛斑と繋がってしまい1つの大きな脱毛斑になる可能性もあります。
③重度の場合
脱毛範囲が頭皮の25%以上を占めると重症と判断されます。重症化すると、生え際が帯状に脱毛する蛇行型や髪の毛がすべて抜け落ちる全頭型、眉やまつ毛などの体毛が抜ける汎発型に進行するおそれがあります。
(3)円形脱毛症の原因は?
円形脱毛症を発症する原因はどこにあるのでしょうか。ここからは、円形脱毛症の原因になると考えられている3つの要因について、詳しく見ていきます。
①ストレス
円形脱毛症の主な原因として考えられるのがストレスです。
ストレスをによって交感神経が刺激されると、自律神経が乱れてしまいます。自律神経の乱れによって、必要な栄養が毛根に送られなくなったり、自己免疫疾患や内分泌異常を誘発したりして、脱毛が起きると考えられています。
②自己免疫異常
最近では、遺伝的素因に基づく自己免疫異常説が有力であるとされています。
自己免疫異常とは、免疫機能に異常がおきて自分の体の一部を攻撃してしまう現象です。
円形脱毛症の場合は、Tリンパ球が毛根を異物と間違えて攻撃してしまい、毛根が傷つくことで脱毛が起こるのではないかと考えられています。
③遺伝によるもの
マウスを使った実験では、円形脱毛症患者のCCHCR1遺伝子のリスクアリルをゲノム編集法でマウスに導入したところ、円形脱毛症の患者と同じの症状を再現することに成功しています。
この実験により円形脱毛症の発症にかかわっている原因遺伝子が同定され、CCHCR1遺伝子のリスクアリルの有無によって円形脱毛症患者の状態に差が生まれることも解明されています。
2.つむじハゲについて
ここからは、円形脱毛症と混同しやすい「つむじはげ」について、詳しく見ていきましょう。
(1)つむじハゲとは
つむじハゲは、頭頂部(つむじ)を中心に薄毛が進行した状態を指します。ここでは、つむじハゲの症状などを詳しく解説します。
①症状
つむじハゲは正常なつむじなのか脱毛が進行しているのか判断が難しく、気付いたら目立つほどに髪が薄くなっていた、というケースも少なくありません。
初期症状に気づいた段階で治療しないと、改善が難しくなります。AGAと同様に、早めに気付いて専門医に相談することが大切です。
【つむじハゲの初期症状】
・つむじ周辺を触るとボリュームがない
・頭頂部やつむじ付近の髪の毛が細い
・最近抜け毛が多い
・つむじが広がって地肌が多いように感じる
②対象者
男性だけではなく女性もつむじハゲになる可能性があります。性別にかかわらず、生活環境や加齢が原因で進行する場合が多く、適切な治療を続ければ改善の見込みがあります。また、女性の方が男性に比べて薄毛を改善しやすい傾向にあります。
③原因
つむじハゲの原因として、乱れた生活習慣やストレス、加齢によるホルモンバランスの乱れなどが考えられます。
女性の場合は更年期が近づくと女性ホルモンが減少するため、抜け毛が多くなります。
他にも、睡眠不足やストレスによって自律神経が乱れると血行が悪くなり、必要な栄養を毛根へ届けられなくなります。その結果、薄毛になる可能性も考えられます。
さらに、頭皮へのダメージも薄毛の原因であると考えられています。カラーリングやパーマをやめて、頭皮に優しいシャンプーに変えるなど、頭皮への刺激を少なくすることでも改善する見込みがあるのです。
3.AGAについて
ここからは、もっともよく見られる男性型脱毛症(AGA)について詳しく見ていきます。
(1)AGAとは
AGAとは男性特有の進行型の脱毛症で、10代~60代の成人男性の3人に1人が悩んでいるといわれています。早い段階で治療をおこなわないと、どんどん進行してしまい、自然治癒することはありません。
AGAには明確な診断基準がないため、皮膚科やAGA専門クリニックなどで受診して医師に判断してもらうようにしましょう。
(2)AGAの仕組み
AGAは男性ホルモンのテストステロンがII型5αリダクターゼという酵素によってジヒドロステロンに変わり、ヘアサイクルを乱してしまうことが原因で薄毛や脱毛を引き起こしてしまいます。
本来の髪の毛の寿命よりも短くなってしまい、十分な太さになる前に抜けてしまうため髪にハリやコシを感じなくなってしまうのです。
(3)AGAとつむじハゲ
AGAの特徴として、生え際か頭頂部のどちらか、または両方が薄毛になってしまう症状が挙げられます。
つむじが薄くなってきたと感じたら、つむじハゲであると判断する前に、まずAGAを疑うようにしましょう。初期段階で治療をおこなえるので、AGAの進行を抑えつつすばやく改善に繋げられます。
(4)FAGA(女性男性型脱毛症)とは
FAGAとは女性男性型脱毛症のことで「びまん性脱毛症」とも呼ばれています。
女性が更年期にさしかかり、女性ホルモンが減少して男性ホルモンが優位に立つことで引き起こされます。若い女性でもストレスなどでホルモンバランスが乱れると薄毛になってしまうので、FAGA専門医ができるほど多くの女性を悩ませています。
①FAGAの仕組み
FAGAの仕組みについても、AGAと同じくホルモンバランスの崩れによるものと考えられていますが、その仕組みについては解明されていません。
AGAとの違いとして、生え際や頭頂部などの一部の髪が抜け落ちてしまうのではなく、頭髪全体が薄くなってしまう点があります。
②FAGAとつむじハゲ
FAGAの場合も生え際か頭頂部のどちらか、または両方が薄毛になってしまう症状でてくるため、つむじハゲが広がってきたらFAGAを疑った方がいいでしょう。
治療方法が異なるため病院を受診して自分にあった治療を受けるようにしましょう。
4.円形脱毛症とつむじハゲの違いは?
ここからは、円形脱毛症とつむじハゲの見分け方について詳しく解説していきます。
(1)抜け毛の特徴
抜け毛で円形脱毛症かAGAかを見分けることができます。AGAの場合、髪の毛が十分に成長しないで抜けてしまうので、抜け毛が短く、細くなります。
また円形脱毛症の抜け毛の場合、毛根が抜け毛に付いていないのでよく確認してみるようにしましょう。
(2)髪の毛が抜ける速度
円形脱毛症とAGAでは、進行速度が違います。円形脱毛症は気づかない間に円形の脱毛班ができるほどに抜け毛が進行します。1か所だけ、突然髪の毛が抜けてしまうのが大きな違いです。
いっぽうのAGAはゆっくりと進行していくため、だんだんと薄毛が広がっていきます。こうした髪の毛が抜ける速度も見分ける際のポイントとなります。
(3)薄毛の場所
AGAの場合、生え際から頭頂部を中心に髪の毛が薄くなるので、側頭部や後頭部の頭髪が薄くなる場合は、円形脱毛症などの他の脱毛症の可能性が考えられます。
またAGAは、頭頂部以外にもおでこの生え際も薄くなる場合があるので、つむじとおでこ両方が薄くなったらAGAの可能性が高いと考えてよいでしょう。
5.薄毛を治す!脱毛症ごとに異なる治療法を紹介
ここからは、それぞれの脱毛症や薄毛の原因ごとに効果的な治療法を紹介していきます。薄毛は、原因が分かれば専門医と共に治療を進めて改善できる症状です。ここで紹介する内容を参考に、薄毛の改善に向けて一歩を踏み出しましょう。
(1)円形脱毛症の治療
まずは円形脱毛症に効果的な治療方法や治療薬を見ていきましょう。
①内服薬・外用薬
内服薬は、ステロイド内服や抗アレルギー薬など、円形脱毛症の治療効果があると確認されている薬が処方されます。
・ステロイド内服
・抗アレルギー薬
・セファランチン
・グリチルリチン、メチオニン、グリシン複合薬
いっぽう、外用薬としては湿布や軟膏などが処方されます。
・ステロイド外用
・塩化カルプロニウム外用
・ミノキシジル外用
②局所免疫療法
局所免疫療法とは、クアレン酸ジブチルエステル(SADBE)か、ジフェニルシクロプロペノン(DPCP)を使って、人工的にかぶれを起こし発毛を促す治療法です。
最初は高濃度なものを感作させてから2週間後に低濃度のものを塗布し、様子を見ながら至適濃度まで徐々に濃度をあげていく治療法です。
③ステロイド局所注射
注射器を用いて脱毛斑にステロイドを注入し、症状の改善を目指す治療法です。ステロイドには炎症や免疫機能を抑える効果があり、症状が改善しない単発型の円形脱毛症や多発型の成人患者に使用されることがあります。
デメリットとして、強い痛みや注射部位の陥没などが見られることもあるので、事前に医師と相談してから決断しましょう。
(2)AGA・FAGAは治療できるのか?
ここからは、AGAやFAGAの治療について詳しく見ていきましょう。
①AGAとFAGAの治療は異なる
AGAとFAGAは薄毛になる仕組みは同じですが、治療法は異なるので、自己判断で薬を使用することはやめましょう。
市販されている育毛剤を使う場合も、薬によっては副作用が生じる可能性があるので、必ず用法や容量を守って使用します。最もおすすめなのは、AGAやFAGAの専門医に相談して、自分に適している治療薬や治療法で完治を目指すことです。
②AGAの治療薬や治療法
・外用薬(ミノキシジル)
・内服薬(プロペシア、ザガーロ、ミノキシジル)
・メソセラピー(発毛育毛成分などを頭皮に直接注入)
・HARG治療 LHDV療法(頭皮や毛根の再生)
AGAはこれらの治療薬・治療法を用いて改善を目指していきます。詳しくは以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:「3人に1人が気にしている」男性の薄毛(AGA)の原因と対策を解説
③FAGAの治療薬や治療法
・外用薬(ミノキシジル、パントスチン、KIPスカルプヘアエッセンスなど)
・内服薬(パントガール、ミノキシジル、スピロノラクトン)
・メソセラピー(発毛育毛成分などを頭皮に直接注入)
・HARG治療 LHDV療法(頭皮や毛根の再生)
女性の脱毛症といわれるFAGAを改善するためには、これらの治療法が挙げられます。より詳しく原因や対策を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:女性に多い「びまん性脱毛症」とは?原因、予防方法を解説
6.AGAに関するご相談はウィル AGA クリニックへ
もし薄毛・脱毛症に関するお悩みがある場合は、お気軽にウィル AGAクリニックにお問い合わせください。
薄毛に悩む方が一人でも多く悩みから解放されるよう、
全力でサポートしていくことをお約束します。