AGAは治るのか?自力治療が難しい理由や効果的な治療法を解説

公開日 / 2021.03.30 更新日 / 2024.08.14

AGAは薬物療法、毛髪再生メソセラピー療法、自家植毛術などの治療が行われますが、いずれもAGAを根本的に改善する治療ではありません。効果を実感できたとしても治療を中断すると元の状態に戻ってしまうため、治療を継続していくことが大切です。

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男性型脱毛症(AGA)は、男性ホルモンの作用によって引き起こされる薄毛です。日本人男性の3割はAGAを発症しているとされています。

しかし、AGAには効果が医学的に立証されている治療薬が開発されており、根気強く治療を行うことで薄毛を改善することが可能です。AGA治療は、根本的にAGAを治すのではなく、抜け毛を抑えて発毛を促す治療であるため、長く治療を続けていく必要があります。

そこで今回は、AGA治療の進め方と治療方法について詳しく解説します。

1.AGAは治るのか? 

まず、AGAの発症メカニズムと治療の進め方について簡単に解説します。

(1)AGAのメカニズムと特徴

AGAは、男性ホルモンの一つであるジヒドロテストステロン(DHT)の働きによって引き起こされる脱毛症です。ジヒドロテストステロン(DHT)は、髪の毛のもととなる毛根の毛母細胞に作用し、髪の毛の成長を抑制する働きがあります。そのため、髪の生え変わり期間(ヘアサイクル)のひとつである成長期が短くなり、ハリやコシがない髪の毛が増えたり、抜け毛が増えたりするのです。

このジヒドロテストステロン(DHT)は、筋肉の発達や性機能をキープするテストステロン5αリラクターゼと呼ばれる酵素が作用して産生されます。5αリラクターゼにはⅠ型とⅡ型、2つのタイプがあり、AGAはⅡ型が多く分布する生え際~頭頂部に発症しやすいのが特徴です。

(2)AGA治療のゴールイメージ

AGAは2タイプの薬を用いて完治を目指します。

1つめはジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制するフィナステリド、あるいはデュタステリドと呼ばれる飲み薬です。2つめは頭皮の血行を改善して発毛を促す、ミノキシジルと呼ばれる薬です。

また、これらの治療薬のみでは十分な効果が得られない場合は、発毛を促す成分を直接頭皮に注入する毛髪再生メソセラピー療法が行われることもあります。

AGAは正しい治療を行えば改善する見込みは高くなっています。日本皮膚科学会によれば、上述したフィナステリドの内服を3年間続けた方の約8割が改善効果を実感しているとのこと。その他の治療も加えればさらに効果は高くなると考えられます。

しかし、AGAの治療は根本的にAGAを治すことができる治療ではありません。あくまで、AGAの原因ホルモンとなるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑えて抜け毛を抑えたり、発毛を促進したりする治療です。そのため、効果が実感できたからといって治療を中断してしまうといずれは元の状態に戻ってしまいます。

「効果が出たから今日から薬を辞めてOK!」とはならないので、様子を見ながら徐々に薬を減らして、発毛効果をキープしていくイメージを持ちましょう。

参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」

2.AGA治療のプロセス

AGA治療は実際にどのような流れでおこなわれていくのか、詳しく解説します。

(1)AGAの進行を抑える+発毛を促す

AGA治療の第一段階は、抜け毛を防いで進行を抑え、発毛を促すことを目指します。

上述したように、AGAはジヒドロテストステロン(DHT)の作用によってヘアサイクルの成長期が短くなる病気です。

そのため、薬でジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑えて発毛を促す薬をプラスことで、AGAの進行を抑制しながらハリとコシのある髪の毛を増やせるようになります。

(2)毛量が増えてきたら、徐々に進行を抑える薬のみにシフト

AGAの治療は効果が現れるまでに半年~1年ほどかかります。そして、満足できるほど毛量が増えてきたら、ミノキシジルや毛髪生成メソセラピーなど、発毛を促すための治療を減らして進行を抑える薬のみにシフトしていきます。

しかし、発毛を促す薬の減らし方は患者さんの髪の毛の状態をしっかり観察しながら行っていくため、毛量が増えたからといってすぐに中断はできません。

薬の量は徐々に減らしていきますが、医師とよく相談しながら進めていくことが大切です。

(3)急激に中断すると元の状態に戻ってしまう

AGAの治療はAGAを根本的に治す治療ではありません。そのため、毛量が増えたからといって急激に治療を中断してしまうと、抜け毛を抑制する効果がなくなるため、抜け毛は増加します。

また、治療の効果で発毛が促されていた髪の毛も、ヘアサイクルが巡れば抜け落ちていきます。これらの理由から、急に治療を中断すると数ヶ月後には治療前の状態に戻ってしまうのです。

効果に満足できたからといって、すぐに治療を中断しないようにしましょう。

3.AGAの治療法とは

AGAには、内服薬や外用薬を使用した薬物療法、髪の毛の成長を促す成分を直接頭皮に注入する毛髪再生メソセラピー療法、薄毛が気になる部分に髪の毛を植え込む植毛治療が行われています。

それぞれの治療法について詳しく解説します。

(1)内服薬の使用

現在、AGA治療で一般的に使用されるのはフィナステリドとデュタステリドと呼ばれる内服薬です。フィナステリドとデュタステリドはどちらもジヒドロテストステロン(DHT)の生成に関わる5αリラクターゼの働きを抑える作用があります。

フィナステリドは5αリラクターゼのⅡ型のみを阻害しますが、デュタステリドはⅠ型、Ⅱ型の両方を阻害します。また、デュタステリドの方がフィナステリドよりも5αリラクターゼを阻害する力が強く、半減期も長いため、効果の持続時間が長いというメリットが存在します。

しかし、デュタステリドのほうが副作用が起こりやすく、薄毛の進行具合からどちらの薬を処方するのか決めていくのが一般的です。

また、その他にも、健康的な髪の毛の成長に必要とされるビタミン、ミネラル、たんぱく質などを含むサプリメントが使用されることもあります。

参考:グラクソ・スミスクライン株式会社「ザガーロカプセル インタビューフォーム」

(2)ミノキシジルの使用

ミノキシジルは血管を拡げて頭皮の血行を改善し、髪の毛のもととなる毛母細胞に働きかけて発毛を促す効果があります。そのため、頭皮に直接塗ることで、健康的な髪の毛が成長しやすい環境を整えるだけでなく、発毛効果を実現することができるのです。

しかし、ミノキシジルの外用薬に含まれている成分によっては、頭皮に痒みや湿疹などのトラブルを引き起こすことも。

関連記事:AGA治療薬 ミノキシジルの効果とは?副作用や飲み方なども紹介

副作用が強く出てしまうと、かえって薄毛を進行させる可能性があるので、自己判断で使用するのではなく、医師の診察を受けながら続けていくのがおすすめです。

(3)注入薬の使用

内服薬や外用薬だけでは十分な発毛効果が期待できない場合は、髪の毛の成長を促す成分を直接頭皮に注入する「毛髪再生メソセラピー療法」を行うことがあります。

使用する薬剤によっていくつかのタイプがあり、全ての細胞のもととなる幹細胞の培養液から抽出した150種類以上もの成長因子を注入する最新LHDV頭皮注入法、脂肪の幹細胞かた抽出した成長因子やタンパク質を注入する「HARG療法」、自分の血液から抽出した成長因子を注入する「PFC療法」が挙げられます。

費用は内服薬や外用薬を使用した治療よりも高額ですが、高い効果を期待できるため積極的に導入するクリニックも増えています。

注入薬を用いた治療を詳しく知りたい方は「治療一覧をご確認ください。

(4)植毛

AGAでは他にも、健康的な髪の毛が生えている部位から毛根ごと髪の毛を採取し、薄くなった部分に移植する「自家植毛術」を行うことがあります。

植毛した髪の毛の82.5%以上は生着するとのデータもあり、薄毛改善に高い効果が期待できます。費用が高額になりやすく、若干の痛みも伴う治療ですが、薬物療法や毛髪再生メソセラピー療法で効果がない方に適した治療です。

ただし、実施している医療機関には限りがありますので、植毛を考えている方は事前に医療機関に問い合わせることをおすすめします。

4.AGAの治療に関するご相談はウィル AGA クリニック

もし薄毛・脱毛症に関するお悩みがある場合は、お気軽にウィル AGAクリニックにお問い合わせください。

薄毛に悩む方が一人でも多く悩みから解放されるよう、

全力でサポートしていくことをお約束します。

この記事の監修者
宮内 俊
ウィルAGAクリニック

多数のAGA患者の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国に展開。千葉大学医学部卒。

ドクター紹介 +

多数のAGA患者の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国に展開。千葉大学医学部卒。

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