髭や体毛が濃い人は薄毛になるやすい?体毛と薄毛の関係を解説

公開日 / 2021.06.30 更新日 / 2024.08.21

ひげや体毛が濃い人は薄毛になりやすいと話を聞いたことはありますか?男性における髭や体毛は男性ホルモンの影響を強く受けるため薄毛と密接に関係しているイメージを抱く方も多いでしょう。しかし、本当に体毛が濃い男性は薄毛になることを避けられないのでしょうか。

今回は、男性型脱毛症(AGA )と体毛や髭の濃さの関係について解説していきます。

1.髭や体毛が濃いと薄毛になりやすいのは本当?

髭や体毛が濃いと薄毛になりやすいイメージがある原因として男性ホルモンの存在があります。男性ホルモンにも様々な種類が存在していますが、特にどのような成分が重要なホルモンでしょうか。

①毛深くなる原因はテストステロン

髭や体毛が濃くなるのは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが影響しています。

テストステロンは思春期になると分泌が増え、男性としての体へと成長を促進させます。テストステロンの影響によって髭やわき毛、性毛などの体毛が生え始めてくるので男性で、毛深いということは男性ホルモンの影響を強く受けているといえます。

しかし、テストステロンは20代をピークに加齢とともに減少しますが、薄毛に悩む年齢層は20代よりも40代や50代の年齢層の方が多いです。このことから、テストステロンの増加と薄毛の関係は矛盾することになるため、薄毛の原因として体毛や髭の濃さとは別の要因があると考えられます。

②薄毛の原因はジヒドロテストステロン

テストステロンは、骨や筋肉の発達や体毛を濃くする方向で作用しますが、頭頂部や前頭部にある毛根に別の作用を発揮します。頭頂部や前頭部に存在するⅡ型5α−還元酵素の働きによってテストステロンからジヒドロテストステロンに変換されます。

そしてテストステロンから変換したジヒドロテストステロンは、頭皮の毛根に存在する毛母細胞の増殖を抑制して脱毛させます。

参考:日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

参考: 男性の生殖内分泌学

.髭が薄い人でも薄毛になることがある

男性型脱毛症(AGA)の原因は、テストステロンから合成されるジヒドロテストステロンであるため髭や体毛が薄い人でも薄毛になる可能性があります。その他にも薄毛の原因としてジヒドロテストステロン以外にも存在するので髭が薄い人でも注意が必要ですが、どのような要因があるのでしょうか。

①遺伝的な要因

髭や体毛が薄い人でも頭頂部や前頭部にⅡ型5α−還元酵素が多く分布している場合には薄毛の原因となるジヒドロテストステロンが多く合成されます。逆にいえば、髭や体毛が濃い人でもⅡ型5α−還元酵素が少なければ薄毛にはなりにくいといえます。男性における薄毛のなりやすさは遺伝的な要素が多くを占めますが、ストレスや生活習慣の問題などからも強く影響を受けるので注意が必要です。

②過度なストレス

ストレスによって身体に様々な不調を引き起こすことが知られています。自律神経の乱れなどによって睡眠の質が低下したり、血流が悪化したりすることもあるので、頭皮にも大きな影響が起きる可能性があります。

近畿大学の研究では、男性型脱毛症(AGA)とヘモグロビン値の関係からストレスが薄毛と関係している可能性があると報告しています。喫煙やストレスによってヘモグロビン値が上昇することが知られ、ヘモグロビンの値が高いグループでは脱毛の重症度も高い結果がでました。

また、ストレスは精神的なものが注目されますが、身体的なストレスによっても脱毛が起こる可能性があります。休止期脱毛症は、発熱が伴う感染症、手術など体に大きな負担がかかることで起こるため、薄毛にならないようストレス対策を行うことも大事です。

③生活習慣の問題

髪の毛を成長させるためにはタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が必要です。極度のダイエットや食生活の乱れによって髪の毛に必要な栄養素が不足することがあります。

また、睡眠中に髪の毛のダメージを回復させているので睡眠が不足すると髪の毛のダメージが残ります。そのため、髪の毛の健康を保つために栄養バランスが取れた食事と適切な睡眠を取ることが重要です。

参考:日本臨床医学発毛協会

参考:休止期脱毛症とは|症状や原因、治療方法について

参考:「男性型脱毛症」(AGA)の原因は血流不足やストレス? 近畿大学などが解明

3.ジヒドロテストステロンを食い止めるためのAGA治療

髭や体毛が薄くても薄毛になる可能性はあるため生活習慣の改善などの対策をする必要がありますが、それでも薄毛になる可能性はあります。そのような薄毛に悩んだ場合は、薄毛治療薬を使用する選択肢があります。男性型脱毛症の治療薬の中には、ジヒドロテストステロンの合成を阻害するものも存在します。

①プロペシア(フィナステリド)

プロペシアは2005年に発売された男性型脱毛症の治療薬で、Ⅱ型5α-還元酵素を阻害することでジヒドロテストステロンの合成を阻害して脱毛の進行を抑えます。飲み薬であるため1日1回経口投与となっています。

参考:プロペシア錠添付文書

②ザガーロ

ザガーロは、プロペシアよりも後の2015年に発売された男性型脱毛症の治療薬です。プロペシアとは異なり、Ⅱ型5α-還元酵素だけでなくⅠ型5α-還元酵素も阻害するため、プロペシアよりも効果が高いとされています。プロペシアと同様に飲み薬であるため1日1回経口投与となっています。

参考:ザガーロカプセル│グラクソ・スミスクライン株式会社

この記事の監修者
宮内 俊
ウィルAGAクリニック

多数のAGA患者の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国に展開。千葉大学医学部卒。

ドクター紹介 +

多数のAGA患者の治療実績から生まれた独自の発毛理論をもとに、表参道ウィルAGAクリニック開院。 2018年5月ウィルAGAクリニックに改名し、全国に展開。千葉大学医学部卒。

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