薄毛の原因は人によって異なる! 生活習慣の乱れや脱毛症・疾患には注意
薄毛の主な原因となるのが、生活習慣の乱れや脱毛症などの疾患です。ヘアサイクルの異常によって成長期が短くなると薄毛になりやすいと考えられています。薄毛の原因は人によって異なるため、この記事を参考に、自分の原因に合った対策をおこないましょう。
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人の髪の毛には生まれ変わりのサイクルがあります。これはヘアサイクル(成長期・退行期・休止期)と呼ばれるもので、正常であれば問題なく毛髪の新陳代謝がおこなわれます。
しかし、ヘアサイクルに異常が生じると成長期が短くなり、薄毛になってしまう可能性があります。今回は薄毛について、以下の内容を中心に解説していきます。
- 薄毛になる原因
- 薄毛になるメカニズム
- 年代ごとの薄毛の原因
薄毛の原因ごとに、取るべき対策もあわせて解説していくので、薄毛が気になる方は参考にしてくださいね。
1.薄毛になる原因とは?
薄毛の主な原因となるのが生活習慣の乱れや、脱毛症などの疾患の発症です。特に脱毛症や疾患で薄毛になったときは注意が必要です。
まずは、薄毛の原因となる「生活習慣の乱れ」と「脱毛症や疾患の発症」について、詳しく見ていきましょう。
(1)生活習慣の乱れ
以下の生活習慣に当てはまる方は、薄毛になるリスクが高い可能性があるので注意しましょう。
【薄毛に注意したい生活習慣の例】
- 栄養バランスの偏り
- 睡眠不足による成長ホルモンの分泌量低下
- 皮脂や汚れの蓄積
- 貧血気味
上記の生活習慣と薄毛の関係性について、詳しく説明します。
①栄養バランスの偏り
髪の毛の成長にはさまざまな栄養素が必要です。栄養バランスに偏りがある方は、栄養不足により髪の毛の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。健全な髪の毛の成長に必要だと考えられているのは、以下の栄養素です。
【髪の毛の成長に必要な主な栄養素】
栄養素 | 主な働き |
タンパク質 | 筋肉や内臓、髪の毛、爪など身体の構成に役立つ |
ビタミン | 健全な成長と健康維持に役立つ |
ミネラル | 生理作用や酵素作用、代謝調節作用などに関わる |
タンパク質やビタミン、ミネラルを効率よく摂取するためにも、以下の食材を取り入れた献立を心がけましょう。
【主な食材】
穀物類 | 米・大麦・小麦など |
肉類 | ビーフジャーキー・豚ロース・牛ひれ肉・鶏ささみなど |
魚介類 | スルメ・イワシ丸干し・イクラ・マグロ赤身・カツオ・カキなど |
野菜類 | ニンジン・キュウリ・ナス・ピーマン・ブロッコリーなど |
果物類 | バナナ・ブドウ・イチゴ・グレープフルーツ・キウイフルーツなど |
大豆製品 | きな粉・湯葉・納豆・木綿豆腐・豆乳など |
乳製品 | パルメザンチーズ・プロセスチーズ・カマンベールチーズなど |
卵類 | 卵黄・生卵・うずら生卵など |
栄養バランスの偏りを解消したいときは、さまざまな食材をバランスよく摂取してください。
②睡眠不足による成長ホルモンの分泌量低下
人間のからだには、成長促進作用をもつ成長ホルモンが分泌されていますが、この成長ホルモンは髪の毛の健全な成長にも役立ちます。
睡眠不足が続いている方は成長ホルモンが不足しやすく、結果として健全な髪の毛の成長を妨げてしまう可能性があるのです。
成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されると考えられており、健常な男性の身体で1日に分泌される成長ホルモンのうち、睡眠中に分泌される分が約6~7割を占めているという報告があります。
参照:https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=8215
③皮脂や汚れの蓄積
頭皮に皮脂や汚れが蓄積されている方も薄毛に注意が必要です。蓄積された皮脂や汚れが毛穴をふさぐと、髪の毛の成長に悪影響が出るおそれがあります。
皮脂や汚れが溜まったままの頭皮は雑菌が繁殖しやすく、雑菌により脂漏性皮膚炎を起こすと、頭皮環境の悪化により抜け毛が増えると考えられているのです。皮膚炎を引き起こさないためにも、皮脂や汚れを溜めないように心がけましょう。
④貧血による酸素不足・髪の成長の悪化
貧血気味の方も薄毛に注意が必要です。鉄欠乏性貧血は、鉄分不足が原因となります。鉄分不足により、血中のヘモグロビンを作りにくくなるのが鉄欠乏性貧血です。
ヘモグロビンは酸素を運ぶ働きを持っています。血液から酸素の供給を受けて活動しているのが毛母細胞です。毛母細胞の分裂により、髪の毛が成長していきます。
ヘモグロビンが不足すると毛母細胞の活動に必要な酸素が不足するため、髪の毛の成長を妨げる恐れがあります。
鉄欠乏性貧血では動悸や息切れ、疲労感、倦怠感などの症状が見られます。栄養バランスが偏っている方は鉄分が不足しやすいため、鉄欠乏性貧血に注意しましょう。
(2)脱毛症や疾患の発症
生活習慣の他、薄毛の原因となるのが以下の脱毛症と疾患です。
【薄毛の原因となる主な脱毛症・疾患】
- 円形脱毛症
- 脂漏性脱毛症
- 牽引性脱毛症
- 甲状腺疾患
- 男性型脱毛症(AGA)
上記の脱毛症・疾患を詳しく説明します。
①円形脱毛症
円形脱毛症は丸い形の脱毛斑ができる疾患で、自己免疫の異常が原因との説が有力です。自分の免疫が毛根を異物とみなして攻撃し、髪の毛が急激に抜けてしまいます。
以下のように円形脱毛症には5つのタイプがあります。
【5つのタイプ】
単発型 | 脱毛斑が1つ |
多発型 | 脱毛斑が複数 |
全頭型 | 頭部全体的に脱毛 |
汎発型 | 全身の体毛が脱毛 |
蛇行型 | 頭頂部から側頭部にかけて生え際が帯状に脱毛 |
脱毛範囲の広い円形脱毛症ほど治りにくいです。
②脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症は、過剰な皮脂分泌が原因となる脱毛症です。フケや炎症による頭皮環境の悪化で抜け毛が増えていきます。
脂漏性による皮膚の炎症は、マラセチア菌が引き起こしている説が有力です。マラセチア菌はカビの一種で皮脂をエサに繁殖します。
マラセチア菌は頭や顔、首など皮脂分泌の多い部位に常在しています。通常時なら問題ないものの、マラセチア菌が繁殖しすぎた皮膚には炎症が起きやすいです。
関連記事:皮脂が多いと抜け毛が増える!?皮脂と抜け毛の関係性
③牽引性脱毛症
牽引性脱毛症の原因となるのが、髪の毛の引っ張りです。引っ張ることで毛根に負担がかかり、生え際の髪の毛が抜けていきます。
ポニーテールのように髪を引っ張る髪型が好きな方は、牽引性脱毛症に注意してください。ときどき髪の分け目を変えたり、髪に負担がない髪型を選んだりするだけでも、症状が緩和されることがあります。
④甲状腺疾患
甲状腺疾患は脱毛をともなう場合があります。甲状腺ホルモンの異常により発症するのが、以下の甲状腺疾患です。
【甲状腺疾患】
甲状腺機能亢進症(バセドウ病) | 甲状腺ホルモンの過剰で発症 |
甲状腺機能低下症(橋本病) | 甲状腺ホルモンの不足で発症 |
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンには、新陳代謝をよくする働きがあります。甲状腺ホルモンの異常によって新陳代謝に悪影響が及ぼされることで、髪の毛の成長が阻害され、薄毛になりやすいと考えられています。
また、甲状腺疾患と合併しやすいのが円形脱毛症です。甲状腺疾患と円形脱毛症の合併率は8%との報告が見られます。
参照:https://www.hifu-110.com/img/AA_GL2017.pdf
⑤男性型脱毛症(AGA)
男性型脱毛症(AGA)は脱毛作用のある男性ホルモンが原因です。AGAの症状には、以下のように3パターンあります。
【3つのパターン】
- 額の生え際から髪の毛が後退してM字型になる
- 頭頂部から髪の毛が薄くなりO字型になる
- 額の生え際から頭頂部にかけて薄くなりU字型になる
急激に髪の毛が抜ける円形脱毛症と違い、AGAでは少しずつ薄毛の症状が進行していきます。
2.薄毛になるメカニズムとは?
薄毛は以下のようなメカニズムで進みます。
【薄毛になるメカニズム】
- ヘアサイクルの悪化
- 抜け毛が増加する
- 育毛や発毛が鈍化する
(1)ヘアサイクルの悪化
薄毛はヘアサイクルの悪化からはじまります。髪の毛の生え変わりが進むヘアサイクルは以下のとおりです。
【ヘアサイクル】
成長期 | 毛母細胞の分裂が活発で髪の毛が成長する期間(4~6年ほど) |
退行期 | 毛母細胞の分裂が緩やかになり、髪の毛の成長が止まる期間(2~3週間ほど) |
休止期 | 毛母細胞の分裂が止まり、髪の毛が抜けていく期間(3~4ヶ月ほど) |
休止期から成長期へ入ると、新しい髪の毛が伸びてきます。しかし、ヘアサイクルが悪化すると、髪の毛の生まれ変わりがスムーズに進みません。
(2)抜け毛が増加する
ヘアサイクルが悪化すると成長期が短くなります。成長期が短くなり、通常より早く休止期に入ったときに生じるのが抜け毛の増加です。
日本人には平均で約10万本の髪の毛があるため、1日あたり50~100本の抜け毛なら問題ありません。しかし、1日あたり300本以上の抜け毛が続く方は薄毛に注意が必要です。
(3)育毛や発毛が鈍化する
休止期から成長期に入っても、成長期の短い髪の毛は十分な成長が進みません。育毛や発毛が鈍化し、次第に髪の毛のボリュームが減っていきます。
細く短い髪の毛が増え、頭皮が透けて見え始めたら薄毛の進行に注意してください。
3.年代によって異なる薄毛の原因
次からは、各年代によって異なる薄毛の原因を解説していきます。
【年代ごとの薄毛の原因】
年代 | 主な原因 |
20代 | 生活習慣の乱れ(男性・女性) |
30代 | 脂漏性脱毛症(男性)・甲状腺機能亢進症(女性) |
40代 | AGA(男性)・生活習慣の乱れ(男性・女性) |
(1)20代の薄毛の原因
20代の方で注意したいのが、栄養バランスの偏りや睡眠不足です。
肉類が中心の食生活では栄養バランスが偏ってしまいますし、夜遅くまで遊びに出かけていると慢性的な睡眠不足にも陥ってしまいます。
生活習慣が乱れやすい20代の方にとって、バランスの良い食事を自炊したり、早寝早起きを心がけたりするのは難しいかもしれませんが、男性・女性ともに生活習慣の乱れをなるべく抑えて、薄毛を予防しましょう。
(2)30代の薄毛の原因
30代男性で注意したいのが、脂漏性脱毛症です。過剰な皮脂の分泌によって生じる皮膚炎ですが、30~40歳の男性によく見られます。
脂漏性による赤みやフケの症状が慢性化しているときは、特に脂漏性脱毛症による薄毛に注意が必要です。
30代女性は甲状腺疾患による薄毛に注意してください。甲状腺機能亢進症は女性に多い甲状腺疾患です。個人差があるものの、甲状腺機能亢進症は30代前半がピークとされています。
(3)40代以降の薄毛の原因
40代以降の男性に多いのがAGAです。AGAは年代が進むごとに発症頻度が高まります。
【年代によるAGAの発症頻度】
- 20代:約10%
- 30代:約20%
- 40代:約30%
- 50代以降:約40%
このように、20代と50代以降とではAGAの発症率には大きな差が生じています。
また、40代は働き盛りの年代となります。仕事で忙しくなると栄養バランスの偏りや、睡眠不足、運動不足にもなりやすいです。AGAだけでなく、生活習慣の乱れからくる薄毛にも注意してください。
(4)原因に合わせた薄毛対策が重要
薄毛を改善したいときは、自分の原因に合った対策を続けてみましょう。
【生活習慣が乱れている方の薄毛対策】
薄毛の原因 | 主な対策 |
栄養バランスの偏り | 食事でタンパク質やビタミン、ミネラルをバランスよくとる |
睡眠不足 | あらかじめ就寝時間を決めておく |
運動不足 | ジョギングやウォーキングなどの運動をおこなう |
皮脂や汚れの蓄積 | シャンプーで頭皮を清潔に保つ |
貧血 | 鉄分が多く含まれる食品を積極的にとる |
ビタミンやミネラルは体内での合成が難しいため、食品から摂取する必要があります。
【脱毛症・疾患がある方の薄毛対策】
原因 | 主な対策 |
円形脱毛症 | 医療機関で治療を受ける |
脂漏性脱毛症 | 医療機関で治療を受ける |
牽引性脱毛症 | 髪の毛を引っ張る髪型を止める |
甲状腺疾患 | 医療機関で治療を受ける |
男性型脱毛症(AGA) | 医療機関で治療を受ける |
適切な治療方法は症状によって異なるため、医師とよく相談しながら治療方法を選んでください。
4.薄毛に関するご相談はウィル AGA クリニックへ
もし薄毛・脱毛症に関するお悩みがある場合は、お気軽にウィル AGAクリニックにお問い合わせください。
薄毛に悩む方が一人でも多く悩みから解放されるよう、
全力でサポートしていくことをお約束します。