亜鉛は髪の毛に良い栄養素なのか?実状を知って毎日の食生活に役立てよう
亜鉛は、人間の体に必要不可欠な栄養素ですが、具体的にどのような効果があるのかを知っている方は少ないでしょう。髪の毛の健康を保つには、意識的に亜鉛を取り入れたいものですが、亜鉛ばかり摂ろうとしても逆効果になってしまいます。当記事では、亜鉛が持つ栄養や役割などを詳しく解説します。
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042638.pdf
②亜鉛項目
目次
亜鉛とはどのような栄養素なのか?
最初に、亜鉛に含まれる栄養素や期待できる作用などを理解し、亜鉛についての知識を身につけましょう。
ミネラル成分のひとつ
亜鉛は、必須ミネラルのひとつです。また、タンパク質を体内組織に変えることで、骨の成長やホルモン・DNAの合成、生殖機能の維持などに必須とされる成分です。
体内では合成できないため、食事などで摂取しなければなりません。体内に取り込まれてから、およそ30%が小腸から吸収されますが、摂取量および鉄や銅などを同時に摂取した場合の量により、吸収率は変わってきます。
亜鉛の役割とは
亜鉛は、皮膚や髪の毛の新陳代謝を活性化させる働きがあり、健康状態を維持します。生活習慣病に関係する活性酸素を抑制し、抗酸化作用も期待できます。
また、亜鉛の大きな役割として、味覚機能を正常に保つことも挙げられます。人間の舌の表面にあるブツブツは、味蕾という細胞であり、味覚を感じ取る働きを持っています。味蕾の細胞の活性化には多くの亜鉛が必要なため、亜鉛が不足すると味覚障害が起こる恐れがあるのです。また亜鉛由来の造血ホルモン減少で貧血も起きます。
さらに、亜鉛の働きにより細胞分裂が活発になり、ビタミンAと共に働くと、免疫力が向上することも分かっています。亜鉛は、私たちの体にとって、とても重要な栄養素なのです。
亜鉛不足で起こりうる症状とは?
亜鉛が持つ役割をいくつか紹介しましたが、体にとって重要な亜鉛が不足すると、どのような症状が起こりうるのかを見てみましょう。
亜鉛が不足することで最も多く見られる症状が、皮膚や爪の炎症です。口内炎・皮膚炎・爪の白斑などができやすくなると、亜鉛不足のサインです。
先ほど少し触れた味覚障害も起こるほか、髪の毛の成分であるケラチンが生成できなくなるために髪の毛の成長が妨げられ、抜け毛の増加やツヤの低下なども見られるようになります。
さらに、子供の時期に亜鉛不足に陥ると、成長障害が起こる恐れも指摘されています。免疫機能も低下するため、ウイルスや細菌に感染するリスクが高まるのです。近年では、亜鉛不足と鬱の症状が関係している可能性も指摘され、亜鉛不足が体のあらゆる不調を引き起こすことが分かります。
亜鉛が薄毛や育毛対策に効果的だと言われるのはなぜ?
亜鉛は、これまで紹介した作用が期待でき、不足してしまうと体に大きな影響を及ぼします。亜鉛が、薄毛や育毛の対策に効果があると言われるのは、どのような理由があるからなのでしょうか。
ケラチンの合成に必要なため
髪の毛は、ケラチンというタンパク質で構成されていますが、ケラチンが合成されるときに亜鉛が必須とされています。ケラチンは、髪の毛の成分のうちおよそ9割を占めているため、ケラチンが上手く合成されないと細胞分裂が正常に行われず、髪の毛が育たないのです。
ケラチンができるまでには、まず体内にタンパク質を取り込み、タンパク質を分解してアミノ酸にして、そのアミノ酸を再結合するという工程があります。アミノ酸の再結合に、亜鉛が必要であるため、タンパク質を摂っていても髪の毛が増えないと感じる方は、亜鉛が不足している可能性が高いのです。
ヘアサイクルを正常に保つため
亜鉛は、髪の毛のヘアサイクルを正常に保つことにも役立っています。ヘアサイクルが成長期に入ると、毛母細胞が分裂を繰り返し、髪の毛が伸びて皮膚の表面へと出て行きます。この毛母細胞の分裂にも、亜鉛の働きが欠かせません。
亜鉛が不足してしまうと、毛母細胞が不活発となり、髪の毛が伸びにくくなります。ヘアサイクルの正常化に亜鉛が欠かせないとされるのは、このような理由があるためです。
AGAの進行を遅らせるため
男性型脱毛症であるAGAは、テストステロンという男性ホルモンと、5αリダクターゼという酵素が結合することで生成される「ジヒドロテストステロン」が原因で、抜け毛を促進します。
亜鉛は、培養皮膚での実験での話ですが、5αリダクターゼの働きを抑える作用があり、AGAの進行を遅らせる可能性が指摘されています。もちろん、亜鉛を摂取さえすれば、AGAを予防・改善できるというわけではありません。あくまでも、進行を遅らせる働きが期待できると理解しておきましょう。
参照:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3207614/
過剰摂取は逆効果
亜鉛が髪の毛や体に良いからとはいえ、過剰に摂取すると副作用を引き起こす恐れがあるため、適度な量を摂取するようにしましょう。亜鉛の過剰摂取により、鉄分や銅の吸収が妨げられるため、食欲不振・下痢・頭痛・吐き気などの症状が現れることがあります。
また、コーヒーや緑茶に含まれるタンニンは、亜鉛の吸収を妨げる働きがあるため、コーヒーや緑茶を飲むタイミングと亜鉛が含まれる食品やサプリを摂取するタイミングは、できるだけずらすと良いでしょう。
亜鉛の吸収を良くするため一緒に摂りたい栄養素とは
亜鉛は、他の栄養素と一緒に摂ると、吸収を良くすることができます。次に挙げる栄養素と合わせて、積極的に亜鉛を摂るようにしましょう。
タンパク質
動物性タンパク質は亜鉛の吸収を助けるため、多く摂ると亜鉛の吸収が増えるとされています。また、カゼインというタンパク質が変化したCPPも、亜鉛の吸収を助けます。カゼインは、牛乳に含まれていますので、できるだけ牛乳を飲むと良いでしょう。
タンパク質は、髪の毛や臓器、皮膚を構成する栄養素であり、亜鉛はそれを組み立てる役割があります。タンパク質と亜鉛が両方あってこそ、それぞれの役割を果たすのです。
ビタミンC・クエン酸
生牡蠣を食べるとき、レモンを搾ることがありますが、これは亜鉛の吸収を高めるためにとても良い食べ方です。レモンに含まれるクエン酸やビタミンCと亜鉛を一緒に摂ると、亜鉛の吸収が3割増えると言われています。
AGAの症状にお悩みの方はウィルAGAクリニックへ
今回は、亜鉛と髪の毛の関係について詳しく解説してきました。AGAの症状が見られる方がAGAの進行を遅らせたいからと言って、亜鉛を必要以上に摂るのは、体にとってもAGA対策にとっても逆効果です。AGAの対策として、何を行えば良いのか迷っている方は、専門の病院を受診することをおすすめします。
ウィルAGAクリニックでは、オリジナル発毛治療を通じて、これまで多くの患者様に発毛効果を実感していただいております。AGAの症状でお悩みの方にも、一人ひとりの症状に合ったオーダーメイドの治療により、AGAの改善が期待できます。
まずは一度、無料頭皮診断や無料カウンセリングを受けられ、その後治療をご検討されてみてはいかがでしょうか。