フィナステリドはどのくらいで効果を実感できる?服用時の注意点とは
フィナステリドは、AGA治療薬として有名であり、AGA治療の第一歩として処方するクリニックも多いです。
AGA治療薬として知名度が高いため、フィナステリドに関して「発毛効果はどのくらいで実感できるのか」「副作用はあるのか」など、気になる方もいるでしょう。
そこで、臨床試験の結果をもとに、フィナステリドはどのくらいで効果を実感しやすいのか、副作用はあるのかを詳しく紹介します。
目次
フィナステリドの概要
フィナステリドは、抜け毛の症状を緩和する作用が期待できるAGAの治療薬です。
国内では2015年12月から処方が可能となり、世界では40カ国以上でAGAの治療薬として使用されています。
医師の診断や処方箋がなければ使用できない医薬品ですが、AGA治療においては保険診療が受けられないことが特徴です。
「プロペシア」と「フィナステリド」呼び方の違い
プロペシアについては、AGA治療を行ううえで「フィナステリド」と称されることもあります。
正しくはプロペシアが製品名であり、フィナステリドはプロペシアに含まれる成分です。
そのため、プロペシアのジェネリック医薬品については「フィナステリド」と呼ばれることがありますが、成分は同じです。
ジェネリック医薬品も効果は同じ
フィナステリドは、ジェネリック医薬品でも効果に大きな違いはありません。
基本的に、フィナステリドとジェネリック医薬品を両方扱っているケースが多いです。
ジェネリック医薬品は治療費用を抑えられることから、長期間のAGA治療ではメリットが大きいといえます。
ジェネリック医薬品の費用が抑えられる理由としては、新薬と比較すると研究や開発の費用が少ないためです。
新薬を開発するためには、研究の時間や費用がかかるため価格が高くなります。
一方、ジェネリック医薬品は、先に開発された医薬品の製法や成分をもとに開発されるため、研究や開発にかかる費用を抑えられるのです。
そのため、成分は同じですがジェネリック医薬品は販売価格が抑えられています。
フィナステリドの効果は?どれくらいで実感できる?
フィナステリドを服用するとどの程度の効果が期待できるのか、どのくらい服用することによって効果を実感しやすいのか、気になる方も多いでしょう。
そこで、臨床現場ではどの程度の効果が見られたのかについて紹介します。
ガイドラインでは推奨度が高い薬
日本皮膚科学会が発表している、男性型および女性型脱毛症の診療ガイドライン2017年度版においては、フィナステリドを使用した治療は「実施が強く勧められる薬品に該当する:推奨度A」と記されています。
推奨度についてはC2、C1、B、Aと順番に上がるため、フィナステリドは推奨度が非常に高いことが分かります。
臨床試験におけるフィナステリドの効果
フィナステリドの投与量 | 頭頂部が改善した割合 |
---|---|
1mg/1日 | 58% |
0.2mg/1日 | 54% |
フィナステリドの投与期間 | 頭頂部が改善した割合 |
---|---|
2年間 | 68% |
3年間 | 78% |
フィナステリドの投与期間 | 頭頂部が改善した割合 |
---|---|
5年間 | 99.4% |
フィナステリドを1日1mg、5年間服用し続けた試験においては、99.4%の方のAGAの症状が改善しました。
40歳未満で、AGAの症状が軽症だった方に高い効果が見られたことが特徴です。
臨床結果からは、1日のフィナステリドの服用量が0.2mgよりも1mgの方が高い効果が見られたことや、長期間服用することによって高い効果が期待できること、重症度が低い方が効果を実感しやすいことなどが分かります。
フィナステリドの効果を実感するためには、長期間服用を続けることや、症状が進行しないうちに治療を開始することが大切です。
効果を実感するまでには最低6か月は服用を続ける
フィナステリドを服用し始めても「効果を実感できない」という意見を耳にしたことがある方もいるでしょう。
臨床試験結果からも分かる通り、フィナステリドは服用開始からすぐに効果を得られるものではありません。
フィナステリドの服用を始めてからおよそ3か月で、徐々に効果が実感できるようになり、見た目で分かる程度の効果を得るためにはおよそ6か月服用を続けなければならないのです。
そのため、AGA治療は長期間継続しなければならないものだと理解しておきましょう。
フィナステリドに副作用はある?
フィナステリドを服用した際に起こる可能性がある副作用の中でも、男性機能障害と肝機能障害は発現する頻度が高い傾向にあります。
そこで、どの程度の頻度で副作用が起こるのかについて紹介します。
男性機能障害
薬を服用した方のうち、1.1%の患者に性欲減退の副作用が起こっているという報告がありました。
さらに、1%未満ですが射精障害や勃起機能不全、精液の量が減るといった副作用も報告されています。
副作用 | 発現率 |
---|---|
性欲の減退 | 1.1% |
勃起機能不全 | 0.7% |
射精障害 | 0.4% |
精液量の減少 | 0.4% |
肝機能障害
肝機能障害を起こす確率は低いのですが、フィナステリドを飲んだ943人のうち2人、つまり0.21%の確率で肝機能障害の副作用が報告されています。
フィナステリドを使用する際に注意したいポイント
フィナステリドを使用する際の、飲み方や取り扱い方法などの注意点を確認しておきましょう。
1日1回服用する
フィナステリドは1日1回、1錠を長期間服用することによって、AGA治療に役立つ医薬品です。
効果を実感できるまで数か月間飲み続けなければならないため、飲み忘れないように注意しましょう。
アルコールを摂取した後で飲んでも問題はないとされていますが、副作用を発症する可能性があるため、過度にアルコールを摂取した後は服用しないように注意が必要です。
フィナステリドを服用するタイミングはいつでも良いのですが、ある程度時間を決めておくと飲み忘れを予防できます。
なお、6か月間フィナステリドを飲み続けても抜け毛の症状が悪化し続ける場合には、医師に相談することが大切です。
女性は使用禁止
フィナステリドは、女性の脱毛症には効果が認められていないため、女性には処方されません。
特に、妊娠中や授乳中の方は胎児や幼児の健康に影響を及ぼすため、絶対に服用しないように注意が必要です。
割らずに飲む
フィナステリドは、割って飲んだ場合の有効性・安全性は確認されていません。
錠剤は割らずに、1錠そのまま飲むことが大切です。
また、割ったフィナステリドに触れると、成分が体の中に吸収されるため十分に注意しましょう。
なお、フィナステリドは表面がコーティングされており、割らなければ有効成分に触れてしまうことはないため安心です。
肝機能障害のある方はあらかじめ相談
フィナステリドは肝臓で代謝するため、飲むことによって肝機能に悪影響を及ぼす可能性があります。
元々肝機能障害がある場合、フィナステリドを処方してもらうのであれば医師に相談しなければなりません。
ほかの人に薬をあげない
フィナステリドを飲む際には、医師の診断や処方、指導を受ける必要があります。
医師から処方されたフィナステリドは、他人にあげることは厳禁です。
20歳未満は飲まない
フィナステリドは、20歳未満の方には処方されません。
20歳未満の服用については、有効性・安全性が確認できていないため、他の方法を検討する必要があります。
フィナステリドは継続することで効果が期待できる
フィナステリドは、薄毛の原因となる物質の働きを抑えることで、症状の進行を止めるAGA治療薬です。
最短でも3か月間は服用し続けることによって、AGAや薄毛の進行が止まり、発毛の効果を期待できるとされています。
また、AGA治療薬のデュタステリドと比較すると効果は若干低くなりますが、副作用の発生頻度が低いためフィナステリドは副作用と効果のバランスが良い医薬品だと判断できます。
よって、副作用の不安があるものの、治療薬を飲んで症状を改善したいと考えている方には最適な薬だといえるでしょう。